平和な日々を過ごしてみた。
「あー、終わったぁー!!」
帰ってくるなり俺はそう言って自室のベッドに倒れ込む。
今日は高校のテスト期間最終日。自分で言うのもなんだけど、今回は結構自信がある。
それにやっとスマホが解禁だ。白柿家ではテスト期間の1ヶ月前からスマホを親に預ける、というルールがある。
「かいくーん、スマホだよー」
「だから勝手に人の部屋に入ってくるなっての、麻衣ねぇ」
いきなり上機嫌で俺の部屋に入ってきたのは姉の麻衣子だ。現在、早稲田大学2年生。
「ほいっ」
「わっ、スマホ投げんなよ...」
この通り、ガサツでプライバシーってもんがまるでわかってなくて、いつまでも俺を子供扱いするけど、優しくて、笑顔がかわいいのが麻衣ねぇだ。
「男のツンデレとか誰得よ」
「いてっ、てかスマホで殴んなよ」
「え、何?かいくん昔みたいに頭ナデナデして欲しいんでちゅかー?」
「唐突に過去の恥ずかしいけど温かい記憶を掘り出すのやめろ!」
そんなふうに麻衣ねぇとギャーギャー騒いでいると、
「うわぁシスコンここに極まれり...」
「ほんと海翔っておねえちゃんっ子だよねー」
「パシャリ」
そんな声が聞こえてきた。
恐る恐る振り返ると、そこにいたのは今日家で一緒にゲームする約束をしていた彩乃と夢果と健跳がいた。
「うわ、麻衣ねぇ不法侵入者!!」
「警察呼ぶよ‼」
「いやちょい待て?ここまでうちらを連れてきてくれたの麻衣ねぇちゃんだよね!?」
「「www」」
彩乃がうろたえる。かわいい…
デレる俺を見て夢果と健跳がジト目で見てくる。
ごほん…。いつまでも彩乃の慌てっぷりを見ていたかったがしょうがない。
彩乃と夢果と健跳は小学校からずっと仲のいい、俺の親友だ。健跳は生徒会長で、いつもみんなに愛されている夢果の彼氏、夢果はロシア人と日本人のハーフで、白髪金目という可愛らしい外見に反してやんちゃな子だ。そして彩乃は家が隣同士の幼馴染。そして何を隠そう俺は彩乃のことが、、、おっと。
少し脱線してしまったが麻衣ねぇには出ていってもらい、早速1ヶ月ぶりのゲームだ。
「あれ、〈FRIEND〉になってない人いたっけ?」
「彩乃がなってないっぽい」
「ホントだー 〈FRIEND〉なろ?ID教えて」
そして彩乃とIDを交換。これで相手の世界に行くことができる。
「じゃぁとりあえず一回個々で作ろっか」
「「「おk」」」
今俺たちがやっているのは[World-Maker]という、世界を作るゲームだ。要するに、神になれる。高校生の間で流行っていて、普段から仲のいい4人が一緒にやることも多い。
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