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大切なものと、大切にすべきと周りに言われたもの

その日は、なごみのお世話をしつつ、夕飯を食べながら気もそぞろだった。


いつもの自分ならば、田中茉莉の父のこと、母のこと、この世界の人間関係に頭を抱えていたことだろう。


しかしながら、それより何より、今晩のなごみの沐浴、初体験である。


泣いちゃうかな、落としてしまったらどうしよう、事故だけは気をつけなければ、とドキドキしていた。


元の世界では、自分の親や兄弟よりも大切な存在と言うものが、いなかった。


いや、違うな、厳密に言うと、世間で言うところの大切にしなければならないとされる存在である。


この表現は、両親を大事に思っていないと、感謝の気持ちが足りないと誤解を受けるかもしれないが、


大切には思う気持ちがあるからこそ、父が自分の理想の勇者像に、娘の私を当てはめて、ああでもない、こうでもないと、


私の人格や人となり、趣味嗜好や、性格をついぞ見ることはなかったこと、


性別を無視した体力や腕力を期待されても、応えることが不可能だったこと、


自分の子どもを理想の勇者を育てると言うことしか見えていない、その他の事に関心の薄い、


父とコミュニケーションが全くとれず、元々、危うげな母のメンタル悪化した。


さらに、込み入った、プライベートな話をする親しい友人もいない、趣味もなく、子どもである自分に依存していくことになるものの、


早々に冒険の旅に出ることになり、母の期待する、自分の話を聞いてほしい時に聞いてくれて、


望み通りの相づちを打ち、フォローを欠かさず、彼女のご機嫌と日々のモチベーションを上げる、


母の望む、母のために生きる理想の娘になることもできなかった。


と言った、両親の理想に全く応えられず、家を出たことがきっかけで、いや、今にして思うと、魔王討伐と言う大義名分ができて、ほっとした気持ちもある、


魔王を倒して、世界を平和にすることに目的に逃げた面も否定できない、結果、疎遠になった。

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