この世界、魔王がいないなんて!?
なぁさんは、会社から電話があって時折、部屋の外に出ていったり、大きなスマホ、タブレットと言うらしいで、何か書類を見たり、仕事をしていることもあったが、
この日は面会終わりの5時まで、赤ちゃんが眠ったらテレビをつけてニュースを見ながら話をしたり、
さりげなくここでの田中茉莉の生活なども聞き出しつつ、お茶を飲みながら、何気ない話をした。
そして、何となくそうじゃないかと思っていたが、どうやら、この世界に魔王がいない事が分かった。
いつ町や村にモンスターが攻めてくるのではと人々が怯え、町や村を1歩出たら、モンスターが出て、となり町に行くのも大変でと言う日常だったが、
どうやら、この世界の問題は、人と人とが揉めたり、人間関係の摩擦や確執が問題によるものが多いようだ。
全人類を脅かす、共通の敵のようなものが、いないからなのか、
連絡手段も交通手段も発達して、人と人が出会ったり、直接会うにしでも、何らかの通信手段を通して連絡や近況を伝えるにしても、
時間や距離が障害にならないことが、人間関係がうまくいく要因にも、また時に何らかの摩擦を生んでいるようだ。
分かりやすく例えると、遠距離恋愛なのに、連絡をとろうと思えば、いつでも数秒で文を交わせる、相手の声も時間は相手次第で、通信手段に、金銭の制約がそれほどなく、声が聞けるようなのだ。
会えない時間や、ひとりで過ごす時間など、相互の時間の使い方の違い、
心地よいと思える連絡の頻度、時間帯など、お互いに異なる場合は、いつも会おう、話そうと思ったら話せるからこそ、
価値観が合わない場合は、時に相手への気持ちがあれど、関係性を続けることが難しい場合もあるのかもしれない。と神妙に考えてしまった。
年がら年中、勇者として旅ばかりしていた、性のようなものもあるから、こんなことを思うのだろうな、きっと。
と特に何か特定個人と、人間関係で事件が起こった訳でもないのに、考えてしまうのは、
あまり相手に時間を拘束されたり、過度に干渉されたくないからなのかもしれない。
旅をすること、連絡が取れないこと、いつもどこか危険にさらされること、
時間を相手にあわせて予定を決めるのは難しく、そのライフスタイルに対して、思うことがある人とは、いつも同性異性問わず、関係が長続きしなかった経験から、
この世界ではの通信機器が、もとの世界にあったら、さらに人間関係が難しくなるだろうと、思うから、こんなに、この世界で生活していくにあたり、不安に思うことがあるのだろう。
とは言え、この世界にいる以上は、この世界の仕組みでやっていくしかないのだか。
おそらくなごみが、赤ちゃんがいなかったら、魔王討伐の目標が失くなってしまい、燃え尽きてしまうような気がする。
娘が眠って夫婦で、話しているうちに面会の時間の5時になろうとしていたので、
「これから3人で頑張ろうね。」
と2人で話して、なぁさんとその日のお別れをした。




