転生先の人間関係に不安を覚える
「おはようございます。」
なぁさんと、私も挨拶をする。
入ってきたのは、田中茉莉の母親だった。
「仕事が始まる前に、ちょっと寄ってみたの。赤ちゃん、おはよう。あら茉莉じゃなくてパパがミルクをあげてるの?
粉ミルクって、茉莉、母乳は出たの?え、出ない?看護師さんに電話して、何ででないか聞いた?ダメよ、ミルクなんて、母乳じゃないと。看護師さんにちょっと聞いてこようか。」
何だろうこの一方的な感じ。距離感迷子なの?、このお母さん。
「母乳が出ないときは、ミルクを足して下さいと、看護師さんに言われました。」
と母に向かって話すと、
「あら、そうなの?おはよう、赤ちゃん。昨日会ったの覚えてるかなぁ。」
と赤ちゃんに向かって話し始めた。母を見向きもせず、黙々となぁさんの膝の上に敷いた、授乳クッションの上でミルクを飲む赤ちゃんを見て、
「お腹が空いてるんでちゅね。」
としばらく赤ちゃんを見て、赤ちゃんが生まれてから、昨日の家で家族で話した話をして、嵐のように、仕事があるから、と母は去っていった。
ぽかーんと、夫婦2人で見つめながら、
「何だろう、昨日母が親戚一同のグループラインに、出産報告して、一斉にグルチャにマインが来たのを、返信して、2時までマインが鳴って、寝られなかったからかな、すごく疲れた。」
「うわぁ…、浮き足立つほど、うれしかったんだろうね、食べたら、赤ちゃん俺が見てるから横になった方がいいよ。」
となぁさんの申し出に、素直に甘えることにした。横になりながら、
「どうすればいいのかな、あの調子でグループライン鳴らして、赤ちゃんの報告されたら、困る。」
となぉさんに相談してみた。
「親戚に赤ちゃんの報告したいなら、個人マインを叔父さんと叔母さんに対してだけ、送りたければ、送るように言ってみたら?」
「そうだね、そう言ってみる。あれが続くと、同じ年頃のいとこがどう思うのかが、怖い。文面から結婚も出産もしないんだろうと言う風にずっと思われていた感が伝わってくる。」
「あはは、確かに君、興味なさそうやったもんな。」
そう、グループラインを昨日見ていて、結婚するとは思わなかった、出産するとは思わなかった、
とニュアンスと、結婚も出産も、相手があることだし、競争ではないのけれも、上も下もないけれど、もしかして下に見られていたのかなと言う感じが、
気のせいかもしれないが、言葉の端々に伝わってきている気がして、もし気のせいではなくて、
相手のこの思いに田中茉莉が気づいてなかったとしたら、傷つくのではないだろうか、と思った。
私は、田中茉莉ではないから、傷つくと言うことはないけれど、円満に人間関係を進めて行く上で、
もし相手を刺激するかもしれないことをわざわざする必要はない。




