エレウムのお願い
今回はエレウムとのデート回です
主人公side
ある日俺はエレウムに山へと手紙で呼び出された
「しかしエレウムは一体何の用で呼び出したんだ?」
手紙には特に何も書いていなかったので俺はとりあえず山へと向かった
そして山に着いた俺を待っていたのは
「ああ・・・もっと・・・もっとしてくださぁぁぁぁぁい!!」
なぜか岩に逆さでつられているエレウムだった
「・・・何してんだよ・・・」
俺は冷たい視線を送ると
「いやぁ〜アルバさんを待っていたんですがかなり時間があったので暇つぶしに・・・」
とエレウムは恥ずかしそうに言った
(どんな暇つぶしだよ?!)
エレウムの答えに対して心の中でツッコむ
「ハァ・・・まぁいいや・・・それで?なんで俺をここに呼んだんだ?」
とりあえず俺は今の状況を飲み込みここに呼び出された理由を聞く
「実は国に贈り物をしようかと思いまして・・・」
とエレウムは申し訳なさそうにしていた
だが国へ贈り物をするのになぜ俺が呼び出されたのかは疑問に思っていると
「ですがここには何やら強いモンスターが出るらしく一人では不安だったのです」
そうエレウムに言われてようやく俺が飛ばれた理由がわかった
「そういうことなら一緒に行ってやるよ」
そう俺が言うとエレウムは嬉しそうに
「ありがとうございます!!」
頭を下げて感謝してきた
「ああでもダメージを食らう時は変わって下さいね!!」
「ブレないなお前は!!」
そして俺たちは山を登り始めた
「そういえば何を取りに行くんだ?」
俺は肝心なことを聞いてなかったと思い聞いてみると
「ここにはとあるキノコが生えているんです
それは向こうでは結構高価なものだったりするのでそれを贈り物にしようかと」
そうエレウムは答えた
「なるほどね・・・確かにそれは贈り物にはいいだろうな・・・」
俺はそれを聞いて納得した
「それなら大量に取って帰るとしますか!」
俺は張り切って再び山を登りだすと
「ん?」
目の前に水たまりができていた
だが今日はおろか昨日も雨は降っていなかった
不思議に思い水たまりの上を見てみると
「・・・おう・・・」
そこには巨大なヤマネコがいた
つまり先ほどの水たまりはそいつのよだれでできたものだったのだ
「さすがにここは静かに行くか・・・」
幸いにもヤマネコは寝ていたので静かに行くことにしたのだが
エレウムが通ろうとした瞬間に
「へ?」
目を開けてしまった
「・・・やばい?・・・」
そうエレウムが思った瞬間だった
尋常じゃないスピードでヤマネコがエレウムに迫っていく
「チィ?!」
俺はすぐさまエレウムの前に入って攻撃を阻止する
「大丈夫か?!」
俺は心配してエレウムに大丈夫か聞くと
「大丈夫です!」
そう聞いて俺は安心した
「にしても・・・これがエレウムの言ってた強いモンスターなのか?」
俺はあのヤマネコに対して聞くと
「いえ・・・確かあれはもともとここの主のはずです・・・
だから普段は頂上にいるはずなのですが・・・」
そう言われてヤマネコを見てみると何かに怯えているようだった
(なるほど・・・となるとさすがに倒すわけにはいかないか・・・)
俺はそう思い剣に魔力を込めて
「ハァ!」
剣閃を放った
だがそれはヤマネコにではなくその上にあった岩に向かって放ったのだ
それを見たヤマネコはすぐさま逃げ出していった
「やっぱりアルバさんならそうするんですね!」
エレウムは嬉しそうにしていた
「まぁな・・・さすがに倒すわけにもいかないだろう・・・」
俺は少し照れながら先に進んでいった
そしてようやく頂上に着いたのだが・・・
「・・・何・・・この地獄絵図・・・」
そこには大量の巨大ミミズがいた
(ヤベェよ・・・めちゃくちゃキモいよ・・・何でこんなにいるんだよ・・・
てか何でヤマネコがミミズに負けるんだよ・・・)
言いたいことは色々あったがとりあえずは心の中に留めておいた
「しかしこの数・・・さすがに多いんじゃないか?」
俺がそう言うと
「そうですね・・・前に見た時はもっと少なかったはずですが・・・」
エレウムは不思議そうにしていた
だがエレウムの発言を考えるとどうやらこいつらは急激に増殖したらしい
「なるほどね・・・それじゃあ一匹も逃すわけにはいかないな・・・」
そう言った俺はおそらく邪悪な笑みを浮かべていたのだろう
「そんな顔で睨まれたい・・・!」
エレウムに変なスイッチを入ってしまったところで
俺たちは巨大ミミズ狩りを開始した
「オラァ!」
ミミズ自体はそこまで強くはなく普通に倒せていた
「ハァ!」
エレウムを次々とミミズを倒していく中で俺は疑問に思っていた
(別にそこまで強くないはずなのに何でここを牛耳っているんだ?)
ミミズの戦闘能力自体はあまり脅威とは感じていなかった
つまり他の要因があるはずと考えながら戦っていると
「アルバさん!!」
エレウムに呼ばれて振り返ると
八つの首を持ったミミズがいた
「・・・キモッ?!!」
思わず言葉がもれてしまったがとりあえずは奴が大物らしく
確かに先程まで戦っていたミミズたちより強かった
「なるほどね・・・確かに強い・・・けど!」
俺は剣閃を放って全ての首を切り落とした
「悪いがそれ以上に強い奴と戦ってきたんでな・・・」
その後俺たちは生えていたキノコを大量に採って帰った
side out
エレウムside
ある日私に手紙が届いていた
それは遠く離れている国のみんなからだった
「みんな・・・」
私は手紙を読んで喜んでいた
「とりあえず手紙を返さないとね・・・」
そう思った時にふと考えついた
「そうだ!贈り物もしよう!!」
なかなかみんなに会いに行けないから元気にやってる証として贈り物をすることにした
「何にしようかな?・・・あっあれがいいかも!」
私が考えていたのはとある時に山で見つけたキノコだった
それを贈り物にしようと考えたのだが
「ああ・・・でも最近あそこには強いモンスターが出るようになったって言ってたよね・・・
さすがに一人じゃまずいか・・・あっそうだ!アルバさんに頼もう!!」
そう思った私はアルバさんに手紙を置いてきた
そして私は先に山へ着いていた
「・・・暇だな〜・・・」
しかし予定より早く着いてしまって時間が余ってしまった
「どうしようかな・・・」
何をして待っているか考えて思いついたのが
「・・・何してんだよ・・・」
岩に逆さに吊られるということだった
「いやぁ〜アルバさんを待っていたんですがかなり時間があったので暇つぶしに・・・」
若干引いているアルバさんに対して私はそう言った
「ハァ・・・まぁいいや・・・それで?なんで俺をここに呼んだんだ?」
アルバさんにそう聞かれたので
「実は国に贈り物をしようかと思いまして・・・」
と素直にそう言った
私用に巻き込んでしまったので若干だが申し訳なく思ってもいた
「ですがここには何やら強いモンスターが出るらしく一人では不安だったのです」
しかし例のモンスターもいるとのことだったのでアルバさんに一緒に来て欲しかったのだ
「そういうことなら一緒に行ってやるよ」
するとアルバさんは私の気持ちを汲んでくれたのか笑顔でそう言ってくれた
「ありがとうございます!!」
思わず私は嬉しくなってしまい気持ちを落ち着けていた
(あっそうだ!大事なことを言い忘れていた!!)
言っていないことを思い出した私は
「ああでもダメージを食らう時は変わって下さいね!!」
そうアルバさんに言うと
「ブレないなお前は!!」
なぜか怒られてしまった
山を登っている最中でアルバさんが
「そういえば何を取りに行くんだ?」
と聞いてきた
確かに何を採るかまで言っていたなかったので
「ここにはとあるキノコが生えているんです
それは向こうでは結構高価なものだったりするのでそれを贈り物にしようかと」
私は何を採って贈るのかをちゃんと話した
「なるほどね・・・確かにそれは贈り物にはいいだろうな・・・」
するとアルバさんは私の考えに賛同してくれたらしく
「それなら大量に採って帰るとしますか!」
そう言ってくれた
そして再び山を登り始めると
そこには巨大なヤマネコがいた
(なんであの子がここに?!)
そのヤマネコは本来ここの主で普段は山頂にいるはずなのだ
「さすがにここは静かに行くか・・・」
アルバさんはヤマネコが寝ているのを見て静かに歩いた
そして私もそれについていこうとしたその時だった
「へ?」
運悪くヤマネコが目を開けてしまったのだ
「・・・やばい?・・・」
私はこの状況をうまく飲み込めてなく固まっていた
すると私を見ていたヤマネコがすごいスピードで私に迫ってきた
「チィ?!」
だがそれを間一髪でアルバさんが助けてくれた
その後アルバさんはヤマネコを無傷で追い払った
(アルバさんは無駄な争いはしないんですね・・・)
その光景を見て私はますますアルバさんを好きになってしまった
「やっぱりアルバさんならそうするんですね!」
私は思わず嬉しくなってそう言ってしまった
「まぁな・・・さすがに倒すわけにもいかないだろう・・・」
するとそれを聞いていたアルバさんが顔を赤くしながら先に進んでいった
(ふふ・・!かわいいところもあるんですね・・・)
そんなことを思いながら私も後に続いていった
そして山頂に着いたのだがそこにはとんでもないものが待っていた
そう・・・そこに待っていたのは巨大なミミズの大群だった
「しかしこの数・・・さすがに多いんじゃないか?」
アルバさんがそう言ってしまうのも無理はない
「そうですね・・・前に見た時はもっと少なかったはずですが・・・」
なぜなら前に見に来たはずの私ですらこの数を見たことがなかったのだから
「なるほどね・・・それじゃあ一匹も逃すわけにはいかないな・・・」
そう言ったアルバさんの顔はまるで虫でも見るような(いや虫だよ?!)顔でした
「そんな顔で睨まれたい・・・!」
すると私は思わず本音を漏らしてしまっていた
そこからは巨大ミミズ狩りが始まった
着々と数は減らしていたのだが
途中で大物が現れた
「アルバさん!!」
私はアルバさんに危険を知らせたのだが
すぐにそのミミズは倒されてしまった
(心配なかったかな・・・)
そして全てを倒し終わった私たちはキノコの生える場所へと着いた
「よし!それじゃあ採りましょう!!」
ある程度の数を採り終えると
「それじゃあ帰るか・・・」
アルバさんが帰ろうと言ってきた
「はい!」
私はその後をついていきながらアルバさんの背中を見て思っていた
(なんというか・・・小さいけど・・・大きな背中・・・私の好きな感じだ・・・)
あと二つデート回をやります!
次回、七瀬のお願い




