紅の魔王
今回は魔王戦前戦です!
<8月15日 サブタイトル修正>
しばらく壁の前で待っていると
「?!」
最後の場所が光り出した
「みんなうまくいったらしいな」
俺はそう思いホッとしていると壁が動き出してその奥に階段が出てきた
「おぉ〜・・・階段が出てきた・・・」
俺はその仕組みに感激しながらも先に進んで行った
本当はみんなを待とうかとも考えたが四将軍と戦った後のはずだから
さすがに疲れているだろうと思い俺だけでマルムの元に向かった
しかしまたも問題があった
「また・・・段差が・・・高いじゃ・・・ないか・・・!」
東の塔と同じく段差が大きくて登るのに苦労していた
「全く・・・この・・・城は・・・俺に・・・喧嘩を・・・売って・・・いるのか!」
喧嘩をしに来た人間がまさかの喧嘩を売られていると思う謎だった
その後時間はかかったがなんとか登りきることができた
しかしまともに戦える体力はなかった
「どうやら四将軍は倒せたようだな・・・」
そして最上階にはマルムがかっこよく佇んでいたが
「ゼハァ・・・ゼハァ・・・」
疲れていた俺はそれを見ることもなく背中を向けて階段に座っていた
「おい・・・」
それを見たマルムが俺の後ろに立って声をかけてくるが今の俺にはそれを返す余裕はなかった
「いい加減にしろ!!」
マルムは痺れを切らして俺に攻撃してきたが
避ける余裕のなかったのでインヴィクタの強制変身に頼った
それによりダメージはなかった
しかし身体的な疲労はまだ抜けてなかったので
「ハァ・・・ハァ・・・」
まだ階段に座ったままだった
しかしそれによりマルムの怒りは溜まっていく一方だった
「お前・・・何しにここに来たんだ・・・」
マルムは怒りながら俺にそう聞いてくる
なので俺は
「お前を倒しに来たのに階段が高くて長いから疲れてるんだよ!!」
逆ギレしながらマルムにそう言った
さすがのマルムもこれには驚いたらしく
「あっああ・・・それはすまなかったな・・・」
悪くもないのになぜか謝ってしまった
マルムはなぜ自分が怒られているのか疑問に思っていたであろう
なぜならこれは疲れ果てた俺がただ逆ギレしているだけなのだから
俗に言う八つ当たりというやつだった
(かと言って戦わないわけにもいかないよな・・・)
そう思いながら俺は仕方ないので立ち上がりようやくマルムと対峙する
しかし先ほどの疲労からはまだ抜けていなかったため肩で息をしている状態だった
「さてどうやら準備ができたようだな・・・」
だがマルムはそんなことは気にもせずに俺と向き合っていた
そして俺たちはすぐに戦い始めた
お互いに剣と剣のぶつかり合いだった
しかしマルムは双剣の一本しか使わずに戦っている
「なんでもう一本を使わないんだ?」
俺はなぜ一本だけで戦っているのか聞くと
「ああ・・・どうやら無理に直したせいか本調子ではないらしいからな
だからこのまま戦って少々調子を戻そうと思っただけだ」
そう言いながらもマルムは剣を振るい続ける
俺はそれを捌いているが妙な感覚があった
(こいつ・・・四将軍たちより弱い気がする・・・)
先ほどからの攻撃ではあまり強い感覚が伝わってこなかった
(もしかして本当に本調子じゃないのか?)
俺はそう思いながら戦っていた
(だったらこのまま押し切るだけだ!!)
そう思い俺は一気にカタをつけるため剣に魔力を込めて攻撃したが
「・・・マジか・・・」
その剣には刃こぼれすら起きなかった
仕方ないので俺は距離をとる
(調子を崩していてもやっぱりインヴィクタと同等の武器ってわけか・・・)
どうやら俺の考えが当たっていたらしくこれでは
お互いに決定的なダメージが与えられないことが判明した
(そうか〜・・・そうなるとどうするべきかな〜・・・)
その後も考えながら戦っているがやはり決定的なダメージはなかった
(ヤベェな・・・このままだとジリ貧だぞ・・・)
しかも俺は先ほどの疲労が溜まったままなので完全にバテる寸前だった
さらには相手は本気ではないと言っているのだからタチが悪い
(やっぱり一人はきつかったかな・・・)
ちょっと一人で来たことを後悔しているとその隙をついてマルムが突っ込んできた
(しまっ?!!)
俺はすぐに身構えるがその衝撃が俺に来ることはなかった
「ヌゥン!!」
なぜなら何者かがマルムを突き飛ばしたのだ
そして他に二つの影も現れた
その影が俺の前に集まりようやく俺はそれが誰なのか確認できた
「ルクス?!シューリ?!テェス?!」
そこに現れたのは俺との試練で使っていた本来の姿のルクスたちだった
「何でお前たちがここに?!」
俺は驚きながらなぜいるのか聞く
「先ほどまでルーブルムたちと一緒に戦っていたので我らだけ先に来させてもらいました」
ルクスはそう言いながら俺の前に立つ
「そうなのか?でもなんでルーブルムたちは来ないんだ?」
俺はなぜ一緒に戦っていたルーブルムたちは来ないのか聞くと
「皆は先の戦いで疲労してしまいその場から動けないというので我らが代わりに・・・」
そうルクスは答えた
どうやら四将軍との戦いはみんなにとって大変なものだったらしい
(まぁ・・・確かに俺も辛かったからな・・・)
そう思っているとルクスが近づいてきて
「主よ・・・ここは我らにお任せください・・・主はその間に体力の回復を」
ルクスにそう言われて俺はその通りに休むことにした
「ほう・・・俺の相手に神獣三体か・・・これは面白そうだ・・・!」
マルムは獰猛な笑みを浮かべていた
「なるほど・・・確かにお前は紛れもなく魔王のようだな・・・」
それを見てルクスたちは警戒を強めた
「だったらどうする?俺を倒せるのか?」
そしてマルムは挑発的な態度でルクスたちにそう言った
「いいだろう・・・手加減をせんぞ!!」
そう言ってルクスたちは一斉に襲いかかった
「ハァ!」
まずはルクスが高速で動いて攻撃しマルムを翻弄する
しかし紙一重で防がれてしまい決定的なダメージはなかった
「だったらこれどうだ!!」
今度はシューリがかまいたちを起こして攻撃する
だがやはりというべきかマルムにはかすり傷程度しか与えられなかった
「よっこいしょ〜」
そして最後にテェスがマルムにのしかかるが
「ヌゥン!!」
力づくで持ち上げられて投げ飛ばされた
「どうした?!そんなものか!!」
マルムはルクスたちに挑発する
「ならばこれでどうだ?!」
ルクスたちは力を合わせた合体攻撃をすることにした
テェスが雨を降らしてシューリが風を起こしルクスが雷を起こす
それによりまるで大きい嵐のような一撃がマルムを襲った
・・・だが・・・
「ヌゥゥゥゥゥン!!」
マルムはその攻撃を力づくで吹き飛ばし防いだ
「どうやらこれくらいが限界らしいな・・・だがなかなか楽しめたぞ・・・」
そう言いながらマルムはルクスたちに近づき攻撃しようとする
(ここまでか・・・)
ルクスたちもさすがに攻撃を喰らう覚悟をするが
「それじゃあ今度は俺が相手だ」
「?!」
その声とともにマルムは吹き飛ばされた
そして吹き飛ばした張本人は俺だった
「・・・もう体力は回復したのか?」
すると何事もなかったようにマルムが近づいてきた
「おかげさまでね・・・」
そう俺は言うがさすがに短時間だったので全快までとはいかなかった
「ならばもう遠慮する必要はないな」
マルムはそう言って笑いながら俺に襲い掛かってきた
「ハァァァァァ!!」
その後は俺とマルムのぶつかり合いだった
その激しいぶつかり合いは城を揺らすほどだった
「オラァ!!」
俺が剣閃を飛ばすと
「効かんわぁ!!」
マルムはそれを弾き飛ばして
「今度はこちらの番だ!!」
今度はマルムがお返しとばかりに剣閃を打ち返してくる
「何の!!」
そしてそれを俺が弾くという攻防が行われていた
「どうやら本当に回復したらしいな」
一旦距離をとったマルムは俺に向かってそう言った
「ならば少々力を出してみるぞ・・・」
そう言ってマルムの持つ剣に魔力が溜まっていく
「ハァ!!」
そして先ほどとは比べものにならない巨大な剣閃が放たれた
「これくらいが何ぼのもんじゃい!!」
俺はそれを剣に魔力を込めて思いっきり弾き飛ばした
「やはりこれくらいじゃ倒せないか」
マルムはそう言って笑っていた
まるで戦いを楽しんでいるかのように
確かにここまでの攻撃では俺にダメージはなかった
だがそれは俺にも言えることだった
こちらの攻撃でもマルムにはダメージを与えられてないので
これでは先ほどと同じ結果になってしまう
(なんとかあの防御を崩さないとな・・・)
そう思いながらなんとか隙を探っていると
「主よ・・・我らも加勢します・・・」
ルクスたちがフラフラで立ち上がりながら俺に近づいてきた
確かに俺一人ではあの防御を崩せないでいたので
「・・・わかった・・・援護を頼む」
そう言って俺たちはマルムに向かっていった
まず最初にテェスだった
「おいしょ〜!」
テェスはマルムに思いっきりのしかかった
しかし先ほどと同じようにマルムによって持ち上げられていた
「オラァオラァオラァ!!」
そこへシューリが吹き飛ばそうと風を起こしている
これにはさすがのマルムも防ぎ切れないため動けないでいた
「ハァァァァァ!!」
そしてその隙をついてルクスにまたがった俺が突っ込んでいく
「オラァ!!」
剣に魔力を込めてマルムの胴を攻撃した
「グゥ?!!」
その攻撃によりマルムは吹き飛んでいった
「これでどうだ?!」
俺は手応えがあったので喜んでいると
「ここまで手応えのある戦いはあいつ以来だな・・・」
そこには無傷のマルムが立っていた
「おいおい・・・マジの化け物かよ・・・」
それを見て俺は思わずそう言った
(俺も人間やめていると思ったけどあれを見るとまだ人間の自信があるな・・・)
毎回みんなに人間をやめていると言われている俺でも
さすがにあの攻撃を無傷でいられる自信はなかった
「しかし残念だな・・・先ほどの攻撃でようやく俺の剣が完全復活を果たした」
そう言ってマルムは手に持っていた剣を見せてくる
それは先ほどとは違い禍々しいほどのオーラを放っていた
「これからが俺の本気だぞ」
マルムはそう言ってもう片方の剣を抜いた
いよいよ本気となった魔王にアルバは勝つことができるのか?!
次回、聖騎士




