炎魔
今回で四将軍最後の戦いです
戦うのはアウレア・ウインレチア・七瀬対インフラです!
南の塔を登っているのはアウレア・ウインレチア・七瀬だった
「にしてもこの数は多いわね・・・」
ここの三人も他と同様に悪魔を倒しながら塔を登っていた
「それもそうだろう・・・忘れてないか?ここは敵の本拠地だぞ?」
ウインレチアはそうアウレアに答えた
「すると先ほどまでいなかった方がおかしいのかもしれないな」
それを聞いた七瀬はそう思っていた
「そう言われてみればそうね・・・確かにいたにはいたけど驚異と感じるほどの数でもなかったし
かと言ってすごい強い奴がいたわけでもない・・・これってどういうこと?」
アウレアは疑問に思いウインレチアに聞くと
「・・・おそらくだがこれまでの戦いで兵士を投入しすぎたのか・・・
あるいはそれより前に悪魔たちは一回全滅しかけたのかのどっちかだろうな・・・」
そう答えられてアウレアは思い出していた
「・・・確か魔王の剣って誰かとの戦いで破壊されたのよね?」
アウレアは前にアルバが話していたことを言うと
「・・・それはつまり魔王より強い奴がいるということか?」
七瀬はそれを聞いて疑問に思った
これから戦うはずの魔王より強い存在がいるのかということに
「・・・今考えなくてはならないのは早くこの塔の上に奴を倒してアルバと合流することだ・・・
それ以外のことは後で考えればいいだろう・・・」
ウインレチアは考え込んでいる二人を諭して塔を登って行った
最上階に着くとそこで待っていたのは
「なるほど・・・俺の相手は貴様らか・・・」
アウレアとウインレチアが戦ったことのあるインフラだった
「これは好都合だ・・・貴様らに借りを返すことができる・・・」
インフラは凶悪な笑みを浮かべて三人を見ていた
三人はそれを見て武器を構える
「では・・・始めようか!!」
インフラは白と黒の石を飛ばしそこから炎を飛ばしてくる
「アクアビット!」
それをウインレチアが魔法で撃ち落としていく
二人が撃ち合いをしている中でアウレアと七瀬はインフラに突っ込んでいく
「ハァ!」
七瀬がインフラに向かって刀を振るが腕でガードされてしまった
「だったらこれはどう?!」
その後ろからアウレアが飛んできてインフラを攻撃しようとするが間一髪で避けられてしまう
「これでも喰らえ!!」
そして無防備になった二人にインフラが石を向けて炎を噴射する
「ウォータータワー!」
その攻撃はウインレチアの魔法で塞ぎ二人は一旦下がった
「なるほどね・・・あの時とは違うってわけね・・・」
アウレアは先ほどの攻防で前とは違うことが判断できた
「確かにな・・・だがそれは私たちだって同じだろ?」
ウインレチアがそう言うとアウレアは笑った
「そうね・・・だったら私たちが強くなったってところをあいつに見せてやろうじゃない!!」
「・・・なぁ・・・私を忘れてないか?・・・」
アウレアとウインレチアに忘れられていた七瀬は放っておいて
三人は再びインフラに向きあう
「行くぞ!」
ウインレチアの合図で三人は動き出した
「アイシクルレイン!」
ウインレチアが大量の氷を飛ばしてインフラを攻撃する
インフラはそれを炎で溶かして防いでいる
そしてその隙に七瀬がインフラに突っ込む
「先ほどと同じ手・・・バカの一つ覚えが!!」
インフラは先ほどと同じように腕でガードしようとするが
「先ほどと同じではない・・・一刀流居合・・・光炎!!」
七瀬の放った一撃は防いだ腕を切り飛ばした
「何ぃ?!」
驚いたインフラの懐にアウレアが入る
「バーサーク・・・インパクトォォォォォ!!」
アウレアの一撃がインフラに命中する
「グァァァァァ?!」
攻撃を受けたインフラはウインレチアの方に吹き飛ばされる
「クリスタルカッター」
そしてウインレチアが残った方の腕を斬り飛ばす
両腕を失ったインフラはそのまま地面に転がった
「貴様らぁ・・・よくも俺の腕を・・・」
そう言いながらインフラは立ち上がり
「もはや容赦などしない・・・貴様ら全員焼付くしてやる!!」
そういった瞬間にインフラに赤い靄が纏わりついていく
そしてその中から炎の腕を持ったインフラが現れた
「これが俺の本気だ・・・貴様らはもはや死体すら残すことはできない・・・」
インフラはそう言って火炎を放ってくる
「クッ?!ウォータータワー!!」
ウインレチアがなんとかその攻撃を防ぐがそれでも炎の威力は強く徐々に押されていった
「ウインレチア?!」
アウレアがなんとか助けようとインフラを攻撃するが
「嘘?!」
アウレアの放った攻撃はインフラの体をすり抜けた
「ハァ!!」
七瀬も同じくインフラを攻撃してみるがやはり攻撃はすり抜けた
「邪魔だ!」
そして近づいてきた二人にインフラが体中から炎を噴射して攻撃する
「「キャァァァ?!!」」
攻撃を受けた二人はそのまま吹き飛ばされる
「タイダルデストビューション!!」
ウインレチアが渾身の魔法を放つ
以前のインフラならこれを相殺するしかできなかったが
「ヌゥゥゥン!!」
今度は明らかにインフラの炎の方が勝りその魔法を打ち破った
「どうやら貴様らはここまでのようだな・・・」
そう言ってインフラの炎がそのままの威力でウインレチアに向かっていく
(これは・・・さすがに無理だな・・・すまない・・・アルバ・・・)
ウインレチアは覚悟を決めて目を閉じる
だがその攻撃を届くことはなかった
「させないよ〜」
「「「「?!」」」」
インフラの炎は巨大な何かによって防がれた
「なんだいったい?!」
ウインレチアの前に現れたそれに対してインフラは怒りを覚える
そしてウインレチアたちはそれが何なのかわかっていなかった
そして上を見てみると
「テェス?!」
ウインレチアの前に現れたのは本来の姿になったテェスだった
「ここからは僕も一緒に戦うよ〜」
テェスはそう言って三人の前に立った
「それは・・・ありがたいな」
ウインレチアは立ち上がりながらそう言った
「そうね・・・それにここで負けるわけにはいかないし・・・」
アウレアも同じく武器を構える
「これで・・・こちらも戦える!!」
七瀬はそう意気込んだ
「・・・どうやら貴様らは立場がわかっていないらしいな・・・
それくらいの戦力で俺に勝てるわけがないだろう!!」
インフラはそう言ってまた火炎を放ってくる
「そんなの効かないよ〜」
しかしテェスの甲羅の前ではインフラの炎も意味なかった
「おのれぇ・・・ならばこれはどうだ?!」
そう言ってインフラは白と黒の石も使ってテェスに炎を噴射する
「今だ!一刀流・・・津波!!」
するとテェスに攻撃が集中した隙をついて七瀬がインフラの懐に入って攻撃する
インフラは先ほどと同じく攻撃がすり抜けると思っていたが
「?!」
その攻撃はすり抜けなかった
なぜなら七瀬の刀には先ほどとは違い水を纏っていたからだ
インフラは体全体が炎になっているために物理的な攻撃は効かなかったが
炎を消すことのできる水だけはすり抜ける事ができなかった
「グォォォォォ?!!」
攻撃を受けたインフラは七瀬から一旦距離をとる
「待っていたわよ!!」
しかしアウレアがその逃げた方向を予測して先回りしていた
「タイダル・・・スマッシュ!!」
アウレアは先ほどの七瀬と同じく水を纏った攻撃を放つ
そしてその攻撃も確実にインフラを捉えた
「グァァァァァ?!!」
アウレアの一撃を受けてインフラは吹き飛ばされ壁に激突する
「調子にのるなよ貴様らぁぁぁぁぁ!!」
地面に着地したインフラはアウレアたちに最大火力を放つ
「させないよ〜」
しかしテェスが間に入りその攻撃を防ぐ
「これはきついね〜」
だがあまりの威力でテェスは動くことができなかった
「ははははは!!これで貴様らも終わりだぁぁぁぁぁ!!」
インフラは勝ちを確信して笑っていたがそれは早急な考えだった
「誰かを忘れていないか?」
そんな声が聞こえてインフラが振り向くと
「?!」
ウインレチアが魔法を放つ準備をしていた
「残念だったな・・・私たちの勝ちだ」
「ペシミスティックドラウン!!」
ウインレチアの放った魔法はインフラの足もとに水たまりを作り出し
インフラを飲み込んでいく
「ヌォォォォォ?!!」
インフラはなんとか脱出しようとするがその抵抗も虚しく
体は徐々に沈んでいった
「おのれぇぇぇぇぇ!!いずれ貴様らも思い知ることになるぞ!
魔王さまと対峙したことにな!俺はその様を地獄から見ていてやる!!」
そう言い残してインフラは水の中へと消えていった
「安心しろ・・・いずれ魔王もそっちに送ってやる・・・」
ウインレチアはそう言いながらアウレアたちの方へ向かっていった
「あぁ〜・・・さすがに動けない〜・・・」
そう言ってアウレアは寝っ転がっていた
「確かに・・・やはり四将軍は格が違うな・・・」
すると七瀬も同意見らしくもはや立てない状況だった
「どうやら二人とも動けないらしいな・・・」
そこへウインレチアが現れた
「テェス・・・すまないが先にアルバのところに向かってくれ」
ウインレチアはテェスにそう言うと
「うん・・・わかった〜」
そう言ってテェスは階段の方へと向かっていくが
「「「・・・遅い・・・」」」
そのスピードはあまりにも遅かった
そして階段のところまで行くと足を踏み外して
「うわぁぁぁぁぁ〜・・・」
そのまま下まで転がっていった
「「「大丈夫かな?・・・」」」
三人はその光景を見て思わず心配した
「しかしよかったの?あんたはアルバのところに行けたでしょう?」
そうアウレアがウインレチアに聞くと
「確かに動けるがもう魔力が残っていないのでな・・・
それに今の状態のお前たちを置いていくわけにはいかないしな」
ウインレチアはそう言って笑っていた
「そう・・・ならいいんだけど・・・」
アウレアはそれ以上聞くのをやめた
そしてウインレチアは先ほどインフラの言い残した事を考えていた
(いずれ思い知ることになる・・・か・・・果たしてそれが魔王のことを言っているのか
それとも他のことを言っているのか・・・いずれにせよあとはアルバに任せるしかないか・・・)
そう思いウインレチアは考えるのをやめた
四将軍全てを倒していよいよ魔王との対決に!!
次回、赤の魔王




