大規模戦闘 防衛編
今回は防衛なので残ったヒロインたちが戦います
時は遡り街の方では
「ゆっくりあまり距離を開けないで避難してください!」
ドゥクス率いる騎士団が住民の避難誘導をする
それを残ったウインレチアたちが手伝うが
「敵襲!敵襲!!」
その時はついに来てしまった
すぐにドゥクスたちは高台に上りその軍勢が来ている方を見る
「チィ!さすがに早かったな・・・しかもなんだあの数?!」
とドゥクスは驚いていたが
同じくそれを見ていたウインレチアは
「なるほどな・・・だがこれでは数が少ない・・・
おそらく本体を二つに分割してこちらに向かわせたか・・・」
そう言って余裕の表情を浮かべていた
「おいおい・・・余裕なのはいいがまだ避難は終わってないんだぞ」
ドゥクスは呆れながらそう言った
するとウインレチアは笑った後
「ならば私たちで時間を稼ごう・・・
お前たちはその間に住民の避難を完了させろ」
そう言ってウインレチアは外に向かった
「う〜ん!やっと私たちの出番か!!」
アウレアは背伸びをしながら嬉しそうに言った
「そうですね〜・・・前回はアルバくんにいい所持って行かれてしまいましたから〜」
カエルラもアウレアほどではないが喜んでいた
「てかあれを一人で相手にできるって・・・本当にアルバ殿は規格外でござるな・・・」
自分たちが入る前の話を先ほど聞いた咲間は実際の数を目の当たりにして呆れていた
「ああ・・・それに関しては同感だな・・・」
それに対して七瀬は自分も同じ意見だと言った
「・・・今更・・・」
だがヴィリディはその認識は今更だと思っていた
「全くお前たちは気が早すぎるぞ・・・」
そこへウインレチアが現れた
「別にいいでしょ・・・どうせやることなかったんだし」
アウレアがそう言うと
「ハァ・・・まぁいいとにかく時間を稼ぐぞ」
ウインレチアは呆れながらそう言った
その頃中にいたドゥクスは向こうの戦いが気になっていた
「あいつら・・・大丈夫だろうな・・・」
心配するドゥクスだがそれはウインレチアたちに対してではない
「・・・頼むからこっちに被害を出さないでくれよ・・・」
こちらに巻き添えがくるんではないかという心配だった
だがその願いはすぐに叶わないものだとわかるのだった
「さぁて暴れるわよ!」
アウレアが武器を構えながら敵の突っ込んでいく
「ハァァァ!!」
そして上空に飛んで一気に落下しながら武器を振り下ろす
するとそれを狙って敵の後方部隊が攻撃するが
「させません!」
それを見事にカエルラがカバーした
だが敵は諦めずさらに追撃しようとする
「・・・がら空き・・・」
しかしそれを許さずヴィリディが影からの不意打ちで後方部隊を潰していく
「拙者も加勢するでござる!」
それに咲間が上空から攻撃しながら近づいてきて加勢する
「・・・みんな張り切ってるなぁ〜・・・」
そう言いながらも七瀬は敵を斬り伏せていく
「そう言ってやるな・・・みんな帰ってきた後でアルバに褒められたいから
あんな風に張り切っているんだ・・・」
ウインレチアはみんながなぜ張り切っているのかを話す
「・・・多分あんな張り切らなくても褒めてくれると思うのだが・・・」
七瀬がそう言うと
「あぁ・・・だから言ってやるなよ・・・もしこれでやる気でもなくされたら事だからな」
ウインレチアはそう言いながら悪い笑みを浮かべていた
それを見て七瀬は思っていた
(本当にこの人は何でも利用するなぁ〜・・・)
だがそれをあえて言わずに心の中に留めておいた
なぜなら言ったあとで何をされるかわからないからである
「ストームジャベリン!」
肝心のウインレチアは魔法で敵を吹き飛ばしていた
(やはり逆らわない方が身のためだな・・・)
ある程度の戦闘が終わると敵が撤退し始めた
「何よ・・・もう終わりってわけ?」
アウレアは拍子抜けという顔をするが
「いや・・・おそらく体制を立て直す為の一時的な撤退だろう・・・」
ウインレチアはまた来ると予測していた
「ですがこちらとしては好都合ですね!これで皆さんが避難できる時間を稼げます!」
カエルラはこれをチャンスだと思い避難のことを考えていた
「そうだな・・・一応避難状況を確認するか・・・ヴィリディ」
それを聞いたウインレチアは避難状況が気になりヴィリディに見に行って欲しいとお願いした
ヴィリディはそれに対して頷きで返事をしそのまま街の中に入っていった
「しかし・・・敵方はかなり統率がとれているでござるな・・・」
咲間がそう呟くと
「おそらく奴らの中には大将がいるのだろうな・・・」
七瀬はそう思うのだった
すると街の様子を見に行ったヴィリディが帰ってきた
「どうだった?」
ウインレチアは中の様子を聞く
「・・・まだ・・・たくさん・・・いる・・・時間・・・稼ぐ・・・」
ヴィリディはまだ時間がかかるのでまだ戦う必要があると言った
「そうか・・・ならば・・・」
ウインレチアがそう言った瞬間だった
敵側が再度侵攻を再開した
「もう少し頑張る必要があるな・・・」
それを見ながらウインレチアは杖を構えた
「望むところよ!ハァァァ!!」
アウレアはそう言って突っ込むが
「クゥ?!」
後方からの援護によって止まってしまった
それを見てヴィリディが先ほどを同じように後方支援部隊を倒そうとするが
「?!」
その後方支援部隊の背後に攻撃部隊が待ち構えていたのだ
それを受けてヴィリディは引いて距離をとった
「向こうの敵将はやるな・・・すぐに手を打ってくるとは・・・」
その戦術を見て七瀬は素直に感心した
「感心してる場合か!!私たち追い込まれているんだけど?!!」
それに対してアウレアはそれどころではないとツッコんでいた
「まぁ向こうは確実に数の有利をついてきているわけだしな・・・
しかし時間を稼ぐには好都合だ・・・みんなはお互いのことをカバーしながら敵を牽制し続けろ」
ウインレチアは守りの姿勢に出て避難が完了するのを待った
しばらく戦闘をしているがさすがにウインレチアたちも限界に来ていた
「まだなの?!」
いい加減痺れを切らしてきたアウレア
するとようやく
「すまない!待たせてしまったな!!」
ドゥクスが騎士団を率いてやってきた
「もう避難の方はいいのですか?」
カエルラが避難状況を心配すると
「ああ!あちらは先代に任せてきた!おそらくはもう避難を終えているはずだ!」
ドゥクスは変わりにマスターが避難誘導しているはずだといい大丈夫だと言った
「そうか・・・ならもう遠慮する必要はないな・・・」
それを聞いた瞬間ウインレチアたちが笑った
そしてそれを見たドゥクスは先ほどのいやな予感がよぎった
(まさか・・・)
その予感はすぐに的中した
本気を出したアウレアが敵の後方支援部隊を吹き飛ばしたのだ
「どんなもんよ!!」
アウレアは自慢げに叫んでいたがその攻撃した地面にはクレーターができていた
「あとは任せたわよ!」
アウレアはなぜか敵側に向かってそう叫んだ
「・・・了解・・・」
すると敵の影からヴィリディが出てきて攻撃部隊を一気に切り刻んでいく
その攻撃により敵が撤退しようとするが
「させないでござるよ!!」
それを待ち構えていた咲間が再び上空から攻撃して数を減らしていく
そしてその攻撃が終わり第一陣を全滅させた
「どんなもんよ!」
アウレアは勝利を喜んでいたがすぐに第二陣が来た
「今度は私たちが行きます!!」
今度はカエルラが敵に突っ込んで行った
敵は先ほどと同じように後方支援でカエルラを攻撃するが全て盾で防がれていた
だがこれでは攻撃できないだろうと敵は油断していた
「本命はこっちだ!」
そしてその期待を裏切るようにカエルラの後ろから七瀬が出てきた
「ハァァァ!!」
不意を突いた七瀬はすぐさま敵を切り裂いて進む
逆に不意を突かれた敵は交代しようとしたが
「させませんよ!」
カエルラがすでに回り込んでおり挟み撃ちとなってしまった
それにより第二陣を全滅残るはおそらく対象がいるであろう部隊だけとなった
「・・・なかなか攻めてこなくなったな・・・」
あの攻防が終わると敵は攻めてこなくなった
おそらく今の数では勝てないを悟り待ちに入ったのだろう
だがこれではアルバの方に行ってしまう可能性もあったので
ウインレチアは仕方なく行動に出た
「ハァ・・・あまり使いたくはなかったが仕方ない・・・」
嫌そうな顔をしながらウインレチアは魔法を唱える
「宙に浮かびし鉄槌よ・・・我が呼び声に応じて我が敵に裁きをもたらせ・・・」
「メテオクラウン!」
ウインレチアが魔法を唱え終わった瞬間
上空から巨大な隕石が落ちてきた
その威力は凄まじくかなり離れていたはずの街にも衝撃がいった
だがこの攻撃により敵は全て全滅した
「まぁ・・・こんなものか・・・」
ウインレチアがまぁまぁといった顔をしていると
「何が・・・こんなものかよ!!普通にやりすぎでしょ!!」
アウレアが先ほどの攻撃に対してツッコんだ
「別にいいだろ・・・敵は倒せたんだから・・・」
だが当の本人は何の悪気もなかった
「あんたねぇ・・・それでこっちもやられてたらどうするのよ?!!」
アウレアが自分たちへの被害を考えなかったのか聞くと
「安心しろ・・・そのためにわざわざ遠いところに落としたのだ
おまけに威力はだいぶ抑えていたはずだ・・・多分・・・」
ウインレチアはちゃんと考えてやったと言っているが最後に不穏な言葉があった
「まぁまぁ・・・戦いは終わったのですからいいではありませんか」
その二人の言い合いにカエルラが割って入ってなんとか喧嘩は終わった
「しかしこの軍勢と同じくらいの数がアルバ殿の方にもいるとなると
さすがに不安になってしまうな・・・」
七瀬はそう言いながらアルバを心配していると
「・・・大丈夫・・・旦那様・・・ちゃんと・・・考えてる・・・」
ヴィリディがその心配はないと七瀬を安心させようとする
それを聞いた七瀬は少し落ち着いた表情になり
「ああ・・・そうだな・・・」
先ほどの心配は無くなった
だがドゥクスは別のことが心配になっていた
(もし街に被害が出てたら・・・王になんて言って謝ろうか・・・)
その時のドゥクスの顔はまるで何かを悟ったような顔をしていたらしい
最近ヒロインたちの方が活躍してしまっている気がする・・・
次回、大規模侵攻 潜入編




