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最強騎士の中身はショタです。  作者: ジュンタイラ
紅の魔王編
82/200

侵攻

今回はあまり戦いません

その下準備といったところです

あの後からしばらく経ち急遽俺たちはギルドに呼ばれた

「あら!ようやく来たわね!」

ギルドに着くとそこにはドゥクス率いる騎士団とギルドに所属している者がたくさんいた

「・・・いったい何があったんだ?」

俺はしばらく周りを見た後その神妙にしている理由を聞く

「・・・ようやくイウストゥムが動き出したらしい・・・悪魔の大群を連れてな・・・」

その問いに答えたのはドゥクスだった

「おそらく数はエルフの国に攻め入った時のおよそ十倍くらいだろう・・・」

それを聞いてみんなが驚き周囲が騒がしくなる

「それで?今奴らはどこにいるんだ?」

俺は悪魔の軍勢が今どこにいるか聞く

「今はまだ国境には来てないが・・・おそらく・・・時間の問題だろう・・・」

ドゥクスはすぐに奴らが来るだろうと言った

「なるほど・・・戦力を整える時間はあまりないわけか・・・」

それを聞いてウインレチアは今の状況を理解した

それほどの軍勢と相手にするならできるだけ多くの戦力がほしいところだが

敵に気づくのが遅かったのとそれほどの規模を集める時間があまりないということだ

大きな戦力を集めるにはそれ相応の時間を要することになる

それこそ今回の場合なら他の国に救援を要請するぐらいの規模だろう

だがそのためには使者を送って尚且つその国の一番偉い人間が許可しない限り増援が来ることはない

そのために交渉する必要などがあるわけだが

(今のところ他の国に人を送っている余裕はないな・・・)

こんな状態では人を送ることすらままならないだろう

となっしまったら

「・・・俺たちだけでなんとかするしかないか・・・」



「ああ・・・残念だがこの状況では仕方あるまい・・・

 市民にも避難してもらうつもりだが果たして間に合うかどうか・・・」

ドゥクスは一般市民の心配をする

「でしたら私たちが先行して時間を稼ぐのはどうでしょう?」

それに対してプレシカは自分たちが前に出ると伝える

「残念ですが敵が正面だけからくるとは限りません・・・

 それにあなたたちは彼らに対抗できる最後の砦・・・そう簡単には前に出せません」

だがドゥクスはそれを拒んだ

「しかしそれでは!」

プレシカはそれでもなんとか食い下がろうとした

それを見ていた俺は

「だったら俺がシューリと一緒に先行すればいいんじゃないか?」

新しい案を出してみた

「シューリなら空を飛んで移動できるから何かあってもすぐに飛んでいけるし

 それに俺だったら一人でも大丈夫だろ?」

そう言って付け加えるとドゥクスはしばらく黙り込む

するとそれを見かねたマスターが

「いいわよ!それで!」

マスターは俺の作戦に賛同した

それを聞いてドゥクスも諦めたのか

「・・・わかった・・・その代わり!ちゃんと生き残れよ!」

そう言って仕方なく俺の作戦を許可した

その後も作戦会議が続きとりあえずは市民の避難に全力を注いだ



市民の避難を行っている中プレシカがこちらに近づいてきた

「どうした?」

俺がどうしたのか聞くと

「先ほどはすいませんでした・・・」

プレシカはそう言って頭を下げてきた

「?」

だが俺は何に対して謝っているのかわからず首を傾げる

「私のためにアルバ様に負担をかけてしまいました・・・

 本来なら私たちがやらねばいけないところを・・・」

そうプレシカに言われて俺はようやく何のことかわかった

プレシカは先ほどの市民を避難させるための囮について謝っていたのだ

「別にいいよ・・・どうせ時間はないんだ・・・だったら一か八かってだけさ」

俺はそうプレシカに笑顔で言う

それを聞いてプレシカも安心したのか笑顔になった後元の場所に帰って行った

(まぁ・・・結局は戦うんだし早い方がいいと思っただけなんだけどね・・・)

俺は本音を言ってはいたが全部ではなかった

本当のところとしては街で戦うのは辛いので何の遠慮もいらない場所を戦いたかったのだ

そのための先行部隊であり俺一人という判断なのだ

(確かに巻き込まないためだとは思っているが・・・

 それが相手のじゃなく自分のなんて普通言えないよね・・・)

俺は苦笑いをしながらそう思っていた

すると一人の兵士が駆け寄ってきて至急ギルドに戻るように言われた

ギルドに戻るとドゥクスとマスターが険しい表情で待っていた

「何か動きがあったのか?」

俺はおそらく悪魔側で何かあったと思い聞く

「ああ・・・しかもとんでもなくまずい展開だ・・・」

ドゥクスは神妙な顔でそう言った

「奴らは国境付近に現れたのだが・・・国境の砦を落としてその場に居座っているらしい」

ドゥクスは部下から報告されたことを伝える

「まずいわね・・・これじゃあ悪魔の軍勢にこちらから攻め込まなくてはいけなくなってしまったわ・・・」

マスターはそう言って難しい顔をする

「ええ・・・ですが悪いことだけではありません・・・

 奴らが籠城戦をする気なら時間ができ他の国に援軍要請ができます!」

ドゥクスは何も絶望することだけではないと言っていた

だが俺はそれを聞いて疑問に思っていた

(なぜイウストゥムはわざわざ籠城戦何てやるんだ?

 向こうの方が戦力が多くて有利なはずなんだが・・・)

俺はなぜイウストゥムがそんな行動に出たのか考えていると

「おそらくは誘っているのだろう・・・」

そこへウインレチアたちが現れた

「誘っているってことは・・・」

アウレアがそれを聞いて察する

「ああ・・・狙いはアルバだ」



「?!」

それを聞いて俺は驚いていた

まさかその為だけにあの軍勢を率いているとは思ってなかったのだ

「まさかたった一人の為だけにあの軍勢を動かすなんて・・・」

そして俺と一緒にプレシカたちも驚いていた

「それだけアルバを驚異として認識したんだろう・・・」

ウインレチアはそう考えていた

だが俺はその線が一番正しい気がした

なぜならこの時点ですでに俺たちは四将軍の内三人を倒しているのだ

それなのに警戒されない方がおかしいと思う

つまり奴らとしてはもう後がない状況なのだ

もしこの戦いでイウストゥムが倒れれば後は魔王マルムのところまで一直線で進んでいけてしまう

それだけ奴らはこの戦いに必死なのだ

「しかしこれでは尚更アルバだけを先行させるわけには行かなくなったぞ」

ドゥクスは次の作戦に不安を感じ始めた

「でしたら私たちが行きます!」

するとそこへプレシカが名乗りを上げた

「しかし姫様・・・もし奴らが二手に分かれて攻撃を仕掛けてきたらどうするんですか?」

ドゥクスにそう言われてプレシカは黙り込んでしまう

するとそこへ

「だったら何人かをアルバにつけてその他で防衛すればいいだろう・・・」

ウインレチアがそう言ってプレシカに助け舟を出す

それを聞いたドゥクスはしばらく考えた後

「ハァ〜・・・わかった・・・しかしそんなに人数は割くなよ」

諦めたようにそう言った

それを聞いたプレシカは嬉しそうにしていて

結果として俺たちはその籠城戦に真っ向から受けて立つことにした



「全く・・・この数で籠城戦とか・・・セコすぎだろ・・・」

俺は国境沿いの砦を見ながら愚痴る

そして今回ついてきたメンバーはルーブルム、プレシカ、エレウムだった

「う〜ん・・・でも肝心のイウストゥムがいないね〜・・・」

そう言いながらルーブルムも砦の様子を見ている

「おそらくは中にいて他に指示を出しているのでしょう」

その疑問に対してプレシカはそう答えた

すると悪魔の軍勢に動きが見られた

急に隊を分断したのだ

「一体どうしたのでしょう?」

プレシカはその行動に疑問を持つが俺はその行動の理由がすぐに分かった

「どうやらあいつら痺れを切らして攻め込みに行ったみたいだな」

俺がそう言った瞬間プレシカは驚き

「でしたらすぐに止めないと?!」

そう言って物陰から出ようとするが

「まぁ待ちなよ・・・あれだけの数ならウインレチアたちだけ十分に対処できる

 むしろ二手に分かれたおかげで戦力は分散された今がチャンスだ・・・

 一気に乗り込んでイウストゥムを倒すぞ!そうすれば向こうに行った敵も撤退するはずだ」

俺はプレシカにそう言ってなんとか行かせないようにした

それを理解してくれたのかプレシカは苦い顔をしながらも堪えてくれた

「とにかく今は様子を見るぞ・・・」

今は攻め込まずにその機会を待っていた

そして夜まで待つと彼らはようやく砦の中に入り始めた

「・・・おし!今がチャンスだな」

そう言って俺たちは砦の方へ向かって行った

「でもなんでみんなが砦の中に入っていたのを待ってたの?」

ルーブルムがこの機会を待っていた理由を聞いてくる

「理由は単純だよ・・・砦の中に入ってしまえば逃げ道が絞られるからね・・・

 俺たちが一番警戒しなくちゃいけないのは敵の挟み撃ち・・・

 つまり例の攻め入った部隊が帰ってくることだ・・・

 だからその危険性をなくす為にこの機会を待っていたのさ」

そう言いながら俺は扉の前に立つ

(まぁ・・・さっきの部隊が街に攻め込まずに帰ってくるっていうのも可能性にあったから

 これまで待っていたんだけどね・・・そこは言わないでおこう・・・)

俺は先ほど言った理由以外にもう一つだけあったことは伏せた

理由としては

(これじゃあまるでウインレチアたちを信用してなかったことになっちゃうからな・・・

 言ったら何されるかわかったもんじゃない・・・おぉ〜!考えただけでもぞっとする・・・)

そんな事を考えながら俺たちは砦の中に入っていった

次回から二つの視点をお送りします


次回、大規模戦闘 防衛編

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