氷河期
今回は久々に聖獣が登場します
ようやく暑い時期が終えたのだが
「・・・寒い・・・」
今度はなぜか全世界で気温が下がっていた
「全く・・・こんなんする奴は一人しか知らねぇぞ・・・」
俺は頭の中で考えている奴はインフラの弟であり
北将軍のスープラだけだった
・・・だが・・・
(今の所何の情報もないんだよな〜・・・)
この前までの気温の上昇により気温が全世界で元に戻るために下降しているので
どこで発生しているのかわからない状態なのだ
(さすがにこの状況じゃ動きようがないな・・・)
敵の居場所がわからないのでは動きようがなかった
だから今はただ家の中で情報が来るのを待っている状態だ
「・・・しかし・・・ただ待っているっていうのもな〜・・・」
ただ待っているだけも辛いのでなにかないか考えていると
「アルバ・・・この状況をどうにか出来る方法がある」
ウインレチアはこの状況をなんとかする方法があるらしい
「何をすればいいんだ?」
俺は何をすればいいのか聞くと
「まずは聖獣に会いに行かなくてはいけない・・・
これから会いに行く聖獣はフレアマとロズウスだ」
そう言ってウインレチアはすぐに準備していた
そして俺たちはまずフレアマの元へと向かった
「そうかい・・・俺の力が必要なのかい・・・」
フレアマに会いに行くとなぜか元気がなかった
「どうしたんだ?」
俺は何があったか聞くと
「いやぁ・・・最近の冷え込みのせいで元気が出なくてな・・・
悪いが力になれそうにないな・・・悪い・・・」
フレアマはどうやら気温の下降についていけなかったらしい
そのせいなのかたてがみの炎も弱火のようになっていた
「そうなのか・・・何か俺たちに出来ることはないか?」
俺は何かできないか聞くと
「だったらこの近くの山で採れる鉱石を取ってきてくれ」
フレアマはそう答えた
「鉱石?何でそんなもんが?」
俺はなぜその鉱石が必要なのか聞くと
「その鉱石は火祭石と言われて本来は祝い事などがあるときに使われるのだが
この際だ・・・仕方ないのでそれを使って本来の体力を取り戻す」
フレアマはその石の効力とそれが必要な理由を教えてくれた
俺たちはその話を聞いてすぐにその鉱石を取りに向かった
「ここに鉱石があるのか?」
ここで合っているのか確認すると
「ええ・・・ここで間違いないらしいわ」
アウレアはここだと言う
俺は頷いてその山を登っていく
しばらく登ってみるが鉱石どころかモンスターの一匹すら見えず
不審に思っていると
「・・・あっ!あそこ!!」
アウレアが鉱石を見つける
だがそこは崖の下だった
「・・・誰が取りに行く?」
そう俺が聞くとみんなして俺を見る
「・・・ですよね・・・」
俺は仕方なくその鉱石を取りに向かった
「おぉ〜・・・ヤベェ〜・・・」
なるべく下を見ないように崖を降りていくがさすがに風だけは感じるので
それを受けて俺は思わず下を見てしまう
(あっぶねっ!!)
俺は吹き飛ばされそうになるがすぐにしがみつきなんとか堪えることができた
安心してもう一度降りていくと
「アルくん危ない!!」
上からルーブルムの叫び声が聞こえて
俺は後ろを振り返ると
「へ?」
そこには大きな鳥が飛んでいた
「・・・うぉぉぉぉぉ?!!」
しばらく硬直しているとその鳥は急に襲ってきた
俺はそれを避けながらなんとか降りていくが
「あっ・・・あぁぁぁぁぁ?!!」
戦闘状態に入ってしまったため鎧を身に纏ってしまい
重量が変わった俺を掴んでいた岩は耐え切れずに砕けて落っこちてしまう
(・・・やっちまったな〜・・・)
落ちながらちょっと後悔していると
「大将!!俺がいるのを忘れてもらっちゃ困るぜ!!」
落ちていく俺をシューリが助けてくれた
「助かったよシューリ!」
俺がそうお礼を言うと
「何言ってるんですかい!大将を助けるのは俺たちの役目ってもんですぜ!」
シューリはそう言いながら先ほどの鳥に向かっていく
「大将!!一撃で決めてください!!」
シューリにそう言われて俺は剣を構えて振ろうとするが
「?!」
俺はとあるものが目に見えてしまい剣を振るのをやめた
「大将?一体何で?」
シューリになぜか聞かれて俺はその場所を指差す
「あそこに何か?・・・!」
シューリが目を凝らして見るとそこには巣があり中には小さな雛たちがいた
「なるほど・・・あの野郎は自分の子を守っているだけってわけかい・・・」
シューリはすぐに俺の気持ちを察知して鳥を無視し鉱石だけを取りに向かった
「これであいつも襲ってこないだろ」
俺たちはその後フレアマの元に戻りに行った
「おぉ〜・・・取ってきてくれたか〜・・・」
フレアマは先ほど以上に弱々しくなっていた
「おいおい・・・大丈夫なのか?本当に?」
俺は鉱石を渡しながら聞くと
「大丈夫・・・これさえ食べれば一発で・・・」
フレアマは鉱石を食った瞬間
「うぉぉぉぉぉ!!みなぎるぅぅぅぅぅ!!」
急にフレアマが叫び声をあげた
そして先ほどまでとは違ってたてがみがすごい勢いで燃えていた
「俺様!復活!!」
フレアマはどうやら元気を取り戻したようで前と同じく元気になっていた
「おっしゃぁぁぁぁぁ!!復活したからにはちゃんとお前たちの手助けをするぜ!!」
フレアマは手助けしてくれることを約束してくれて俺たちはその後ロズウスの元へ向かった
「ロズウス!いるか?!」
俺はロズウスが周りにいなかったので呼んでみるが返事がなかった
しかなく探しに行こうと歩き出した時だった
「あんたたち!ロズウス様に何か用?」
この前助けた妖精が話しかけてきた
「ロズウスのやつはいないのか?」
そう聞くと
「ロズウス様は風邪を引いて今はお休みよ」
妖精はそう答えた
(・・・聖獣も風邪を引くのかよ・・・)
そう思いながら俺は
「じゃあ伝言を頼まれてくれないか?」
俺は妖精に変わりに伝えるように頼もうとすると
「う〜ん・・・でもやっぱり直接言いたいんじゃないの?」
そう言って妖精は何か言いたげにする
「・・・もしかしなくても薬かなんか取ってこいってことか?」
俺は何かあるのか聞くと
「その通りよ!!」
妖精は正解とばかりに近づいてくる
「実はロズウス様が引いたのは喉風邪なの・・・
だから喉にすごく効く薬草があるらしいんだけど
それはとある水辺でしか生えなくてしかもそれが生えている場所にはモンスターが
たくさんいるのよ・・・だから・・・」
妖精は頭を下げて
「お願い!薬草を取りに行くのを手伝って!!」
とお願いしてくる
俺としてもロズウスにはすぐに良くなってほしいので
「いいよ・・・そこに連れて行ってくれ」
すぐにその薬草が生えている場所に向かった
「・・・なぁ?・・・」
「何よ?」
「・・・なんでこんなにたくさんモンスターがいるんだよぉぉぉぉぉ!!」
薬草の生えている場所にはヒトデ型のモンスターが通る隙間がないくらい大量にいた
「だから言ったじゃない!たくさんいるって!」
と妖精は怒鳴るが
「こんなにたくさんだとは思ってなかったよ!!」
俺としては十単位ぐらいだと思っていたのだ
だが実際に来てみたら数千単位の大群でいたのでさすがに驚いていた
「だがこのままでは薬草にたどり着けないぞ?」
ウインレチアにそう言われてしまったので仕方なく
「わかったよ・・・やるよ・・・」
そう言って俺たちはヒトデに向かっていく
「ハァァァァァ!!」
俺は剣閃を放ってヒトデを切り裂いていく
「ウィンドランス」
ウインレチアは魔法でヒトデを吹き飛ばす
「一刀流・・・円島!」
七瀬は自分を軸に周りのヒトデを切っていく
「忍法・砂鉄針!」
咲間は砂を針状にして飛ばし攻撃する
「ソテツアロー!」
エレウムは自分の上空に矢を放つとそこから枝分かれしヒトデに降り注ぐ
「・・・シャドウ・・・メイデン・・・」
ヴィリディは全ての影から棘を出して攻撃する
「ブレッシングゲイザー!」
カエルラはヒトデを浮かせてひっくり返す
「インテンススマッシュ!」
そこをアウレアが地面を割って挟み込む
「ダリアストライク!」
プレシカはヒトデを通過してレイピアを下げるとヒトデはバラバラに切り裂かれた
「ヴィシャススラッシュ!」
ルーブルムは前にいたヒトデを後ろの奴らごと切り裂いた
こんな感じで一応ヒトデは段々と倒してはいるのだが
「これじゃあキリがない?!」
あまりに数が多く倒しきるには時間がかかってしまう
「てか増えてね?!」
むしろ先ほどから数が増えているように感じ良く見ると
「・・・・・」
奥の方にもっと巨大なヒトデがいた
しかも奴が体の一部を切り離して先ほどのヒトデを作っていた
(どうりでさっきから増えるわけね・・・)
そう思いながら俺はその巨大なヒトデに向かっていく
「オラァァァ!!」
ヒトデに向かって剣を振ったのだが
「うぉ?!」
何かキモい動きで避けられてしまった
「だったらこれでどうだ!!」
俺は剣閃を大量に放つ
その数はさすがに躱しきれずにヒトデはバラバラになる
「ようやく終わったか・・・」
俺はすぐに薬草を取って妖精に渡した
「ありがとう!」
妖精は大事そうにその薬草を受け取った
すぐに戻って妖精は薬草を使って薬を作り出す
「できたぁ!!」
妖精は薬が出来上がるとすぐにロズウスに持って行った
しばらくすると妖精はロズウスと一緒に戻ってきた
「すまないな・・・どうやら迷惑をかけたようだ・・・」
ロズウスはそう言って頭を下げてくる
「気にするな・・・それに手伝ってほしいこともあったしな」
俺がそう言うと
「そう言うことなら喜んで力を貸してやるさ!」
ロズウスは任せてくれと言ってくれた
これで準備は揃ったので俺たちはウインレチアの作戦を実行に移した
果たしてウインレチアの作戦とは?!
次回、春のぬくもり




