すべてを飲み込む瀑布
今回は主人公が戦います
「どうやら向こうの戦いは終わったみたいだな」
俺はそう言いながらカロルに向き直ると
「ああ・・・そうらしいな・・・だが今はお前を倒すのが先だ!!」
カロルは向こうの戦いなど気にも留めずに攻撃してくる
だがその程度の攻撃では俺にダメージを与えることはできない
「どうした?もう終わりか?」
そう挑発すると奴は静かに距離をとって
「なるほど・・・確かに強いな・・・だが!」
カロルは何か呪文を唱えると
「オォォォォォ!!」
雄叫びと共にカロルの体が変化し始める
「・・・マジかよ・・・」
そしてその姿は先ほどとは違うまさに悪魔のような姿になっていた
「それが本性か?」
俺がそう聞くと
「アア・・・ソウダ・・・」
カロルは俺の問いを肯定した
「コレコソガ俺ノ真ノ姿ダ・・・ソシテ俺ノ能力ハ単純明快・・・ソレハ・・・チカラダ!!」
カロルはそう言って拳を振りかざしてきた
「?!」
俺はそれをなんとか避けるが
(嘘ぉ?!)
避けたその拳が地面に当たるとそれを中心に巨大なクレーターができた
「コレガオレノチカラ・・・ソシテ!」
カロルはそう言いながら拳に炎を宿らせ
「コノ炎コソ!我ガ主!インフラ様ノモノダァァァ!!」
その拳を俺にぶつけてくる
「くぅ!!」
俺はその攻撃でもダメージはないがあまりの衝撃に吹き飛ばされてしまう
(おぉ〜・・・やばかったぁ〜・・・)
あまりの攻撃に俺は内心すごくビビっていた
「・・・コレデモダメカ・・・!」
自身の一撃を食らっても尚も立っている俺を見てカロルは驚いていた
「ダガ・・・ココカラ先ニ行カセルワケニハ行カナイ!!」
そう言ってカロルは諦めずに俺に攻撃を浴びせてくる
「ぐっうぅぅぅ?!」
(ダメージはないけど反撃する隙もないな!!)
あまりの攻撃で俺は反撃する隙すらなかった
(やばいなこりゃあ・・・)
俺はどうやって反撃しようか考えていると
「コレデ・・・オワリダ!!」
カロルは最後に大振りな攻撃をしてきた
(チャンス!!)
俺はその隙をついて攻撃しようとしたのだが
「カカッタナ・・・」
それはカロルがわざと作った隙だった
「しまっ?!」
罠に引っかかってしまった俺はすぐさま退こうとするが
「サセン!!」
大振りをしていたはずの手によって俺は拘束されてしまう
そして避けることができなくなった俺はその攻撃をまともに食らってしまう
「グァ?!」
俺は宙に放り出されてそのまま重力の働きにより地面に激突する
「・・・カッタカ・・・」
カロルは勝利を確信してそのままルーブルムたちの方へ行こうと
俺に背中を向けた・・・それを待っているとも知らずに
「もらったぁ!!」
今度こそ隙を見せたカロルの背中に俺は飛びかかる
「ナニッ?!」
カロルはその声に反応するが俺の方が一歩早く
「デャアァァァ!!」
カロルを切り裂いた
「グゥゥゥ?!」
カロルは攻撃を食らった後すぐさま俺を攻撃して距離を取らせる
「バカナ・・・アノ攻撃ヲマトモニ食ラッテナゼ立ッテイラレル?!!」
カロルはなぜ俺が無事なのか聞いてくるが
(いやまぁ・・・全部この鎧のおかげなんだけど・・・)
俺は素直な答えを言うべきかそれとも別の答えを言うべきか悩んでいると
「ヌァァァァァ!!」
その隙をついてカロルが決死の突撃をしてきた
「ちぃ!」
俺はなんとか踏ん張ろうとするが向こうの方が力が強く
そのまま止まることなく後ろに追いやられてしまう
(マジかよ!こいつ・・・死にかけなのにまだこんな力が出せるのかよ!!)
その力は先ほどとは違いまさしく鬼気迫るものだった
(だが俺としても負けるわけにはいかない!!)
そう思った俺は足を地面に突き刺して強引に止めてみせた
「ヌゥゥゥ・・・オラァァァ!!」
そして俺はありったけの力を込めてカロルを投げ飛ばした
「ヌグゥゥゥ?!!」
投げ飛ばされたカロルはそのまま地面に落下して息を引き取り消えていった
「マジで・・・きつかった・・・」
戦闘が終わるとすぐに俺は腰をついて休憩した
(あの野郎・・・レリクイットよりは弱かったけどそれでも苦戦するレベルだったぞ・・・
全く・・・何が強くないだよ・・・嘘つきやがって)
俺は地面に寝っ転がりながらカロルに対して文句を垂れる
すると向こうの戦いが終わったルーブルムたちが近寄ってきた
「どうやら勝ったようだな・・・まぁ・・・負けるとは一切思っていなかったがな」
ウインレチアがまるでツンデレみたいなことを言ったので
「ツンデレはアウレアのネタだろ?取ったらダメだよ」
俺がそう冗談で言うと
「別に私はツンデレじゃないわよ!!」
アウレアは俺にツッコむ
「なるほど!すまなかったなアウレア」
するとウインレチアもなぜか俺の乗って冗談を言う
「あんたも謝るんじゃないわよ!!」
アウレアはなぜか謝ってきたきたウインレチアもツッコむ
「さて茶番はここまでにして・・・時間が迫っている・・・急ぐぞ」
ウインレチアは真剣な顔に戻ろ先を進んでいった
「・・・てかあんたもその茶番に混じっていたじゃない・・・」
その後俺たちは先に進み今回の元凶であろう場所まで着いた
「ここか・・・」
そこは周りが溶岩に包まれた城だった
「まるでおとぎ話に出てくる城みたいね・・・」
とアウレアが言うと
「まぁ・・・いるのは可憐なお姫様ではなく屈強な悪魔だがな・・・」
ウインレチアは現実的なことを言っていた
「それは言うなよ・・・行きたくなくなるから・・・」
俺は気落ちした感じで言うと
「ほら!文句言わないで行く!」
アウレアがまるで弟に言うが如く俺を引っ張っていく
そのまま城に乗り込んでいく俺たち
だがそこには恐ろしい罠が目白押しだった
それは・・・・・
「・・・高い・・・」
置かれているものが基本高かったのだ
(これじゃあ俺・・・何も見えないんだけど・・・)
どうやらテーブルの上に何か置かれているらしいのだが
俺にはまったくそれが何かわからなかった
「なるほど・・・相手の方はお前に来て欲しくないそうだぞ?・・・」
とウインレチアが内容を教えてくれるが
「・・・すいませんが全文教えてくれませんか?」
その後ウインレチアに全文を教えてもらった
内容としてはこの頂上で待っているらしいがタダで戦うわけにはいかなく
地下にある鍵を取ってこいと書かれていたらしい
「・・・完全に時間稼ぎじゃん・・・」
俺は内容を聞いてそう言うと
「ああ・・・どうやら相手はまともに戦う気はないらしいな・・・
しかしこれではどれだけかかるかわからないな・・・果たして魔道具がどこまで持つか・・・」
ウインレチアは魔道具の時間制限を気にする
「・・・もし時間がなくなったらすぐに帰れよ?」
俺がみんなにそう言うと
「「「「「「「「「嫌だ」」」」」」」」」
みんなして答えは一緒だった
「ハァ〜・・・わかったよ・・・」
俺はその答えに呆れながらも地下へと歩みを進めていく
「しかし地下はいいけど・・・場所はどこだって話だよな〜・・・」
そう地下に行くのはいいのだが問題は鍵の詳しい場所はわからないということだ
くまなく探そうかとも思ったが地下は思った以上に広くこれでは時間制限に引っかかってしまう
そう思った俺はないかないか考えていると
「・・・うん?・・・」
奥の方から強烈な魔力を検知した
「なるほど・・・そこにあるわけね」
俺はそこに鍵があると確信して魔力を辿っていくと
「おぉ〜・・・」
まるでボス部屋のごとき大きさをした扉があった
「この先に鍵があるってわけね・・・」
アウレアはそう言って扉を開くと
「・・・マジか・・・」
そこには巨大なゴーレムがいた
しかも真ん中に空洞がありそこに鍵が収納されていた
「鍵を壊さないように倒して取れってか?・・・無理じゃん・・・」
こいつを倒す自身はあるのだが鍵を壊さない心配はなかった
さらに言うなら他のみんなも鍵を壊さない自信はなかった
するとウインレチアが前に出て魔法を唱える
「フリージングスリープ」
ウインレチアの魔法によってゴーレムの体が急激に凍り出した
そして全てが凍った後でウインレチアは真ん中の鍵を取り出し
「さぁ・・・行こうか・・・」
そのまま戻っていった
(・・・よく壊さない魔法を使ったな・・・)
その後屋上まで行き鍵を使って扉を開けると
「ようやく来たか・・・」
そこにはインフラが悠然と立っていた
「我が部下はどうだったかな?」
インフラにそう聞かれて俺は
「強かったよ・・・お前達には及ばないけどな・・・」
素直に答えた
するとインフラから膨大な魔力が放出される
「だろうな・・・本来なら人間ごときにやられるようなもの達ではないのだ・・・
それを貴様が倒した・・・貴様がぁぁぁぁぁ!!」
インフラが怒りの雄叫びを上げると
その服から白と黒の丸い石が出てくる
「貴様はここで俺が殺してやるぅぅぅ!!」
インフラはその石から強力な火炎を放つ
俺はそれを直撃してしまうが
「ハァ!!」
鎧を身に纏っていた俺に怪我はなく
その炎の中を真っ直ぐ進みインフラを切ろうとするが
「甘いな!!」
それは華麗に避けられてしまう
「チッ・・・そう簡単にはいかないよな・・・やっぱり」
俺は再び剣を構えて突っ込もうとするが
「させぬわ!!」
インフラは全ての石を俺の前に持ってきてそこから集中放射する
「くぅ!!」
その威力により俺は後ろに大きく下がってしまった
(やっぱり一筋縄ではいかないよな・・・)
俺はどうするか考えていると
「アイシクルレイン」
ウインレチアが氷の雨を放つが
「ヌゥゥゥン!!」
それはインフラの火炎ですぐに蒸発してしまった
「さすがにこれだけの冷気では無理があるか・・・」
するとウインレチアは新しい魔法を放つ
「大いなる濁流よ・・・汝の前に立ちふさがる全ての敵を飲み込め・・・」
「タイダルデストビューション!!」
「?!」
ウインレチアの放った魔法はまるで水が
滝から落ちるがごとき勢いでインフラに向かっていた
「させるかぁぁぁぁぁ!!」
だがインフラは先ほどと同じく前面に火力を集中して相殺する
両者一歩も引かない攻防だったが・・・
「バーサーク・・・インパクトォォォォォ!!」
アウレアが隙をついてインフラを攻撃した
「グゥ?!」
攻撃を食らったインフラは攻撃に集中できなくなってしまい
「グァァァァァ?!!」
ウインレチアの魔法に飲み込まれた
「・・・まさか俺が負けるとは・・・だがこれで終わったと思うな・・・よ・・・」
そう言い残してインフラは消えていった
(これで終わったと思うな・・・か・・・レリクイットも同じように言っていたな・・・
もしかして俺たちは何かに見落としているのか?)
そう思いながらも俺たちは魔道具の時間制限が来ていたのですぐにその場を後にした
これで残る四将軍は二人!だがやはりそう簡単には終わらない?!
次回、夏祭り




