鬼の住む島
今回からまたバトルに戻ります
あの後はしばらく魔王の剣について調べていたが
やはり剣についての情報は手に入らなかった・・・
だがそれとは別にとある情報が手に入った
それは・・・
「鬼が住む島?」
俺そう確認すると
「ああ・・・実は私たちの国にはある古い伝承があってな・・・その話によると
とある小さな島に金棒を持った鬼が住み度々人の世に出ては暴れ回り人を攫っていくと言われている」
と七瀬が教えてくれる
(鬼・・・確かレリクイットもそんな見た目だったな・・・)
俺がそう考えていると
「確かに拙者たちの国にはそう言った伝説はいっぱいあるでござるな〜」
と咲間が他の伝承についても思い出していた
「確か神隠しに妖怪の住む洞窟や川など・・・まぁ色々あったでござるな〜・・・」
咲間は思い出しながらしみじみとしていた
「確かに気にはなるな・・・その島の場所ってわかっているのか?」
と七瀬と咲間に聞くと
「いえ・・・この話はあくまでおとぎ話のような感じなので
具体的なことはあまりわかっていないんだ・・・」
七瀬は申し訳なさそうに言う
「拙者もあいにくそれっぽい話は聞いたことがないでござる・・・」
咲間も同じで首を振りながら答える
「そうか・・・」
俺はそう返した後その話について考えてみることにした
(鬼については間違いなく奴だとしても場所が分からなきゃ行けないし
それっぽい島を探すにしても似たような島はたくさんあるしな・・・)
そう考えていた時ふとあることに気がついた
(待てよ・・・さっき咲間はそれらしい話は他にもあると言っていた
それってつまりその中には島の場所を知っている悪魔がいるかもしれないってことか!)
そう俺は思い
「その島以外の伝説で場所がわかっているやつってないか?!」
七瀬と咲間に他の伝承がある場所を聞くと
「それなら一つだけ知っているでござるよ!」
と咲間が答える
「ならそこに行ってみるぞ!」
俺たちはすぐに準備して咲間の知っている妖怪の場所に向かった
東の大陸についた俺たちは咲間に案内してもらいその場所に向かっていると
「誰かぁぁぁ!!助けてくださぁぁぁい!!」
道の先から誰かの叫び声が聞こえた
「ヴィリディ!咲間!」
俺は足の速い二人を先に向かわせ俺たちも先を急いだ
ヴィリディたちが叫び声のした所に着くと
女性が尻尾が刃物になっているイタチの大群に襲われていた
「させないでござるよ!忍法・三線方陣!!」
咲間はクナイを女性を囲むように三本投げる
するとその女性を守るように三角形の結界が出来上がる
「・・・シャドウ・・・トリック・・・」
そしてその壁を壊そうとするモンスターを影からヴィリディが出てきて攻撃する
「ギュイィィィ?!!」
攻撃を食らったモンスターは叫び声をあげるが傷が浅かったのかすぐに立ち上がって
ヴィリディを攻撃しようとするが
「?!」
その瞬間、後ろから凄まじい殺気を感じてモンスターは攻撃をやめて振り返ると
「・・・・・」
鎧を身に纏った俺が静かに立っていた
「ギュイ?!」
それを見たモンスターたちはすぐさま逃げようとするが
「逃がさねぇよ・・・」
俺がそんなことを許すはずもなく剣閃によって一掃された
俺は鎧を解除してカエルラが傷の手当をしている女性に近づく
「どうだ?」
俺はカエルラに容体を聞くと
「至る所を切り傷はありますが命に関わる傷はありませんでした」
とカエルラは傷を治療しながら言う
しばらく傷の手当をしていると
「うぅん・・・?」
その女性はようやく目を覚ました
「大丈夫ですか?」
とカエルラが聞くと
「はい・・・大丈夫です・・・」
その女性はゆっくりと答える
そして意識がはっきりすると
「お願いします!村を助けてください!!」
と頭を下げてお願いしてくる
「・・・とりあえず話を聞かせてくれ」
俺が座って何があったか聞くことにした
「私たちの村が突然妖怪に襲われたんです・・・
なんとか私だけは逃げることができたんですが・・・
お願いです!!どうか私の村を助けてください!!」
と頭を下げてお願いされた
俺はどうしようか迷っていると
「アルバ殿・・・助けてあげましょう・・・」
と七瀬が言ってきた
その真剣な顔を見て俺は
「わかった・・・」
その村を助けに行くことにした
そして女性の案内され俺たちはその村に急いで向かった
「これは・・・」
村に着くとそこはもはや廃墟になっていた
「ひどい・・・」
思わず七瀬は呟く
俺たちは別れて生きている人がいないか確認することにした
「ここも何もないな・・・」
七瀬と一緒に探しては見るがやはり生きている人はいなかった
(しかし妙だな・・・ここには白骨化した死体しかいない・・・なぜだ?)
俺が謎に思っていると七瀬が白骨化していない人の死体を見つける
(この人・・・どこかで見た気が・・・)
七瀬はその死体に見覚えがありちゃんと顔を確認すると
「?!」
その死体は先ほど自分たちに村を助けてほしいとお願いした女性だった
「しまった!アルバ殿!!」
七瀬は慌てて俺に向かって叫ぶが
「もう遅いよ!!」
その女性は本性を現して俺を攻撃しようとするが
「残念だったな」
「?!」
その攻撃は俺の鎧によって防がれた
「ちぃ!」
攻撃に失敗した女性は一旦引いて距離をとった
「にしても・・・やっぱりあんたも妖怪の仲間だったか・・・」
俺はそう言って女性を見る
その女性は先ほどとは違い狐の顔をして鋭い牙と爪を持っていた
「馬鹿な?!私の正体に気づいていたっていうのかい?!」
俺にそう言われたモンスターは驚いていた
(実際は攻撃をされた後で気がついたんだけどね・・・)
俺が本当に気がついたのは攻撃された後だった
そもそもここは妖怪伝説のすぐ近く
そんな場所に村があるわけなどなかった
そしてその妖怪伝説はおそらくここの生き残りの人が広めたものだったのだとわかった
つまりここに生きている人間など元々いなかったのだ
「アルバ殿・・・なぜ気づいていて敵の誘いに乗ったのだ?」
すると七瀬が俺の行動に対して疑問を持つ
さすがにその時は気づいていなかったとは言えず俺は
「てっ敵の誘いに乗って本拠地に案内してもらおうと思っていたのだよ!」
と苦し紛れの嘘を言うと
「へぇ〜・・・そうだったのか〜・・・」
予想通り疑心に目で睨みつけられた
「そっそれより早くこいつを捕まえて島の場所を聞き出すとしよう!」
そして俺はすぐさま話をずらした
「構わないが・・・後でちょっと話をしようか?」
そう言われて俺は汗が止まらなくなるのだった
「ふん!奇襲が失敗したくらいで何をつけあがっている!!者共出でよ!!
モンスターがそう言うとどこからともなく先ほどのイタチの大群が現れた
すると先ほど別れていたルーブルムたちが戻ってきた
「アルくん!私たち囲まれたみたい!!」
とルーブルムは慌てて言うが
「そんなもん知ってるよ!!」
もう囲まれているので何の意味もなかった
「どうやら嵌められていたようだな」
ウインレチアはすぐに状況を把握してすぐに迎撃態勢に入る
(いやそんなすぐに状況を把握されても困るんだけど?!!)
そう心の中で思っていると
「え〜ん!アルくんに怒鳴られた〜!」
先ほど俺に怒鳴られたルーブルムが泣きながらカエルラに抱きつく
「はいはい怖かったですね・・・よしよし」
そしてカエルラは抱きついてきたルーブルムを頭を撫でて慰める
「あんたたち何してんのよ・・・」
呆れた表情でアウレアが見ていると
「羨ましいですか?」
カエルラが笑顔でそう聞くと
「そんなわけないでしょ!!」
アウレアは顔を赤くして怒る
「私は撫でてもらうより叩いてもらった方が・・・」
するとエレウムが照れながら自分の要望を言う
「あんたは入ってくるな!!」
そしてそれにアウレアがツッコむ
「・・・カオス・・・」
その光景を見てヴィリディがそう呟いた
するとさすがに気にして欲しかったのか先ほどのモンスターが叫んだ
「いい加減に私を無視するな!!」
「「「「「「「「「「あっ・・・忘れてた」」」」」」」」」」
全員してモンスターの存在を忘れていた俺たちは
ようやく戦闘を開始するのだった
「こいつら結構素早いわね!」
と戦いながらアウレアが言う
「そうですね・・・しかもこの数はさすがにきついですね・・・」
カエルラも同じ気持ちだった
「だったら数を減らすとするか・・・メイルシュトローム」
ウインレチアは魔法を放ち半分くらいの数を倒した
「だったら私もいっくよ〜!ブラッディパレード!」
ルーブルムも負けじと大量のコウモリを召喚してイタチを攻撃する
「あんたたち!ちょっとは残しておきなさいよ!」
するとそれを見ていたアウレアが怒る
「早いもの勝ちだ」
ウインレチアはさらっとそう言った
「いいじゃない・・・だったらこっちも手加減なしよ!インテンススマッシュ!!」
それを聞いたアウレアは頭にきてイタチを容赦なく倒していった
「・・・シャドウ・・・スワロー・・・」
ヴィリディも負けじと攻撃し
「ダリアストライク!」
プレシカはそれを援護する
「なぜでしょう・・・ちょっとかわいそうな気持ちになってきますね・・・」
その光景を見てカエルラはちょっと困った顔になる
するとそれを見ていたイタチたちが隙ありと思い突っ込んでいくが
「ゴスペル・・・スマッシュ!!」
もちろんそれを許すカエルラではなく
突っ込んできたイタチを全て叩き落とした
「あれはあれで酷いと思うのだが・・・」
それを見ていた七瀬は苦笑いになる
「まぁ・・・私たちを騙していたこいつらよりかはマシか・・・一刀流・舞枝!」
七瀬は自分の前にいたイタチに対して枝のように別れる突きを放つ
「盛り上がっているでござるな〜・・・さて拙者も!忍法・真空飛針!」
咲間は負けじと空気の針を作り出しそれを投げ飛ばして攻撃する
みんなの攻撃によりすぐにイタチたちは全滅した
「ありえない?!あれだけの数をたった九人で倒すなんて?!」
狐のモンスターは驚いていた
だがそれも束の間
「?!」
すごそこまで迫っている俺に気づいてすぐさま戦闘態勢に入った
「せめてお前だけでも・・・ハァァァァァ!!」
モンスターは覚悟を決めて攻撃してくるが
「ふん!!」
俺が放った渾身の一発を腹にくらい倒れた
「さて捕まえたけどどうすればいいんだ?」
俺がそう言うと
「安心しろ私が魔法で頭の中を覗いてやる」
ウインレチアがさらりと怖いこと言った
「お前の頭も覗いたことがあるぞ」
「え?・・・えっ?!!」
果たしてアルバたちは鬼の住む島に行けるのだろうか?!
次回、鉄の一撃




