神獣たちの試練
今回は神獣たちがヒロインたちと対決します
今朝早く起きた俺は着替えて外に出ると
「主よ・・・」
ルクス・シューリ・テェスが俺の前に現れた
「どうした?」
俺は三匹同時で現れたことが珍しいと思い何の用か聞くと
「失礼ながら今の主では完全なる魔王を倒すことはできませぬ・・・」
とルクスは告げる
急にそう言われた俺は驚いたが確かに自分でもそう考えていた
もし魔王の使う剣が俺と同じものならどんな能力なのか
それに対し俺は戦えるのか
そしてその答えはルクス達の発言で裏付けされた
「なるほどな・・・それで?お前たちが言いたかったのはそれだけか?」
俺はルクス達が本当に言いたいことを聞くと
「主に今足りないもの・・・それは聖なる力です」
とルクスは言う
「聖なる力・・・」
それを聞いた俺はとあることを思い出していた
イウストゥムは俺との戦いでこう言っていた
四将軍は魔王の力の一部を与えられているともしそれが本当なら
イウストゥムの再生能力なども入っているということだ
「もしその聖なる力ってのを手に入れれば魔王に対抗できるのか?」
俺がルクスに確認すると
「はい!むしろ主なら魔王を凌駕するほどでしょう!!」
ルクスはそう言って嬉しそうに尻尾を振る
「へぇ〜・・・じゃあその聖なる力ってどうやったら手に入るんだ?」
俺はその聖なる力を手に入れようと方法を聞くと
「ならば我々の試練を受けてもらいましょう・・・」
ルクス達は真剣な顔で答える
「試練は至って簡単・・・我と出会った場所で
我らと戦い勝てば主は聖なる力を手に入れることができます」
とルクスは説明する
「なるほどな・・・それってルーブルムたちも参加できるのか?」
俺はルーブルムたちも参加可能か聞くと
「無論です・・・彼女たちも試練をクリアできれば聖なる力を使うことができるでしょう」
ルクスはそう答えた
それを聞いた俺は
「わかった・・・その試練受けて立つ!」
俺たちはルクスの言った通り初めて出会った場所である城へと向かっていた
「しかし神獣の試練か・・・一筋縄では行かなそうだな・・・」
と七瀬が呟く
「確かにね・・・アルバは良いとしても私たちには荷が重いかもね・・・」
それにアウレアは同意した
「ほう・・・ならば二人ともやめておとなしく家に帰るか?」
そんな二人に対しウインレチアが煽るように言うと
「「誰が帰るか!」」
二人は息を揃えてそう答えた
「いくら私たちでもそれぐらいできないとアルバの傍に居られないくらいわかるわよ!!」
とアウレアは言い
「そうだな・・・それに我らにとっては力を付けるまたとない好機!
これ以上アルバ殿の足を引っ張るわけにはいかぬ!!」
七瀬はそれに同意し気合いを入れる
(・・・てかそこまでのことなのか?)
俺はルクス自体を簡単に倒してしまったのでイマイチ神獣の強さがわかっていなかった
そんなことを考えているとようやく城に着いた
するとドゥクスが扉の前で待っていた
「聞いたぞ?神獣様の試練を受けるそうだな?」
とドゥクスに聞かれて俺は頷く
「そうか・・・まぁお前なら心配ないと思うが気を付けろよ・・・
おそらく神獣様たちは本当の力を解放して戦いを挑んでくるだろう」
そう言ってドゥクスは扉を開いた
俺たちはルクスと出会った地下通路を進んでいくと
ルクスのいた場所に魔法陣が展開されていた
「これは?」
俺はウインレチアに何の魔法か聞くと
「これは・・・転移の魔方陣だな・・・この先で待っているということなのだろう」
そう言ってウインレチアは魔方陣を発動させる
「・・・ここは」
転移された場所に着くとそこには神秘的な建物が目の前に立っていた
「アルくん!!見て!見て!!」
ルーブルムが今立っている場所から何かを見て騒いでいた
呼ばれた俺もその隣に言って下を見ていると
「・・・マジか・・・」
そこは雲の上だった
「なるほど・・・元々神獣は神が創り出した存在・・・だからこそ試練をする場所も
天に近い場所・・・というわけか・・・」
とウインレチアは分析する
「なら・・・あそこにいるのは間違い無く」
俺がそう言って建物を見る
「ああ・・・ルクスたちはあそこで待っているのだろう・・・」
そうウインレチアに言われて俺たちはその建物の中に入って行った
「うぉ?!」
中に入るとすぐに俺は鎧を身に纏った
「どうやらここはダンジョンのようだな」
俺の様子を見て七瀬はそう言った
みんな警戒しながら道を進んでいくとそこには三つの道があった
そして俺に対してなぜか待ったの札が立っていた
「・・・なんで俺だけ・・・」
俺がその立て札に対して落ち込んでいると
「仕方ない・・・どうやら彼らは私たちを先に試したいようだ・・・」
ウインレチアはそう言ってグループを分ける
右の道をヴィリディ・咲間・プレシカ
左の道をアウレア・カエルラ・エレウム
中央をルーブルム・ウインレチア・七瀬が行くことになった
「では各々気をつけて・・・」
そう言ってみんなはそれぞれの道を進んで行った
ヴィリディグループside
「どうやらここが拙者たちの試練を行う場所見たいでござるな・・・」
そう言って咲間は扉を開く
そしてそこで待ち構えていたのは
「よぉ!待ってたぜ!!」
シューリだった
「あなたが私たちの相手ですか・・・」
とプレシカは苦い顔をする
「ああ・・・姉ちゃんたちにとっては俺は対敵だろ?」
シューリはそう言うと空に飛び上がった
「さぁ・・・空飛ぶ俺様をどうやって攻略する?」
それを言われてプレシカは苦い顔をする
(シューリさんの言う通り・・・確かに私たちのグループには対空戦が得意な方はいない・・・
まさかシューリさんたちは先ほどのグループ分けを見ていた?!
だとしたら他の方々も・・・)
そんな事を考えていると
「よそ見してていいのか?」
シューリはそう言ってプレシカに突っ込んでいく
「しまっ?!」
よそ見をしていたプレシカはそれに反応できなかった
「・・・させない・・・!」
だがそれを間一髪でヴィリディが防いだ
「ちぃ!」
攻撃を防がれたシューリは再び空に飛び上がる
「すいませんヴィリディさん・・・」
プレシカはヴィリディに謝る
「いい・・・前・・・集中・・・」
そう言ってヴィリディはシューリに対して構える
「へっ!なかなかやってくれるじゃねぇか・・・」
そう言ってシューリは二人を見据える
すると後ろから殺気を感じて振り向くとそこには
「隙ありでござる!!」
咲間がシューリと同じくらいの場所まで飛び手裏剣を投げる
「何の!!」
だがそれをシューリは羽で風邪を起こし咲間ごと吹き飛ばす
「くぅ?!」
吹き飛ばされた咲間は何とか空中で大勢を立て直し地面に着地する
「大丈夫ですか?」
プレシカたちは心配して咲間に近づく
「なぁにこれしきなら大丈夫でござるよ・・・しかし・・・これは中々に厳しいでござる」
咲間はそう言って再び立ち上がる
「ええ・・・ですが負けるわけにはいきません!!」
side out
アウレアグループside
「さてと・・・ここか・・・」
アウレアたちの前には大きな扉が現れる
「行くわよ・・・」
アウレアがその扉を開けると中にいたのは
「Zzzz・・・Zzzz・・・」
テェスが寝ていた
「いやなんでよ?!」
思わずアウレアはツッコんでしまう
「えっと・・・この場合試練ってどうなってしまうんでしょうか?」
とカエルラが困っていると
「うん?・・・ああ・・・ようやく来た〜・・・」
ようやく起きたテェスが言う
「あなたが私たちの相手なのね」
そう言ってアウレアは武器を構える
「そうだね〜君たちの相手をするなら僕が一番かな〜って」
とテェスが挑発するように言う
「へぇ〜・・・言ってくれるじゃない・・・だったら試してみなさい!!」
アウレアはその挑発の乗ってしまいテェスに突っ込んでいく
「バーサーク・・・インパクト!!」
アウレアは飛び上がってテェスに攻撃するが
「なっ?!」
テェスの硬い甲羅に弾かれてしまう
なんとか着地したアウレアにテェスは
「僕の甲羅は神獣の中でも高い防御力を誇るんだよ〜
君たちの攻撃じゃ僕を傷つけることなんてできないかもね〜」
そうアウレアたちに言う
「ふっ・・・それで?あんたはどうやって攻撃するのよ?」
とアウレアが得意げに聞くと
「ほら〜よく言うでしょ?硬い盾はそのまま強力な武器にもなるって」
そう言ってテェスはアウレアに突っ込んでいく
「危ない!!」
カエルラが咄嗟にアウレアの前に入って防御するが
「「キャァァァァァ?!」」
その衝撃に耐えきれずに二人とも吹っ飛んでしまう
「アウレアさん!カエルラさん!」
それを見ていたエレウムが矢を放って攻撃する
だがテェスの甲羅の前にはそんなものは意味などなかった
そしてその攻撃に反応したテェスがエレウムに突っ込んでいく
「くっ?!」
エレウムは間一髪でそれを避けて先ほど吹き飛ばされたアウレアたちのところに行く
「大丈夫ですか?」
エレウムが二人に大丈夫か聞くと
「ええ・・・でもあんな攻撃は何発も食らえないわよ・・・」
そうアウレア言いながら頭を押さえて立ち上がる
「はい・・・私の盾もそう簡単には受け止めきれません・・・」
カエルラは自分の盾を見ながら言う
「これは・・・覚悟を決めた方が良さそうね・・・」
side out
ルーブルムグループside
「どうやら私たちの相手はこの先のようだな・・・」
そう言ったウインレチアの前には扉があった
「一体誰が相手かな?」
ルーブルムが次の相手が誰か考えていると
「まぁ開けてみればわかるだろう・・・」
とウインレチアは扉を開ける
その部屋で待っていたのは
「・・・来たか・・・」
ルクスであった
「なるほど・・・お前が相手か・・・これはまずいな・・・」
ウインレチアは即座に自分たちの置かれた状況が理解できた
「どういうこと?」
ルーブルムはそれが理解できずに聞くと
「私たちは基本的に早い攻撃ができるやつはいない・・・
つまり光の速さで動く奴を捉えることができないということだ・・・」
ウインレチアはそう説明する
「だったら・・・動きを封じるだけ!アイアンソーン!!」
ルーブルムはそう言って鉄の棘でルクスを捉えようとする
「させると思うか!!」
だがそれをルクスは簡単に避ける
「ちぇ・・・やっぱりダメか・・・」
ルーブルムは悔しそうにする
「そんなことでは我を捉えることなどできぬぞ!」
ルクスがそう言うと
「ならば!一刀流・・・旋風!!」
七瀬がルクスの後ろに行き剣を振る
「甘い!!」
だがルクスはそれを避けてさらに七瀬に攻撃しようとする
「クリスタルカッター」
だがそれをウインレチアが魔法でやめさせる
「すまない!助かった!」
七瀬はウインレチアの隣に立ってお礼を言う
「気にするな・・・それより奴をどうやって倒すか考えろ」
そう言ってウインレチアたちはルクスと対峙する
side out
圧倒的な力とヒロインたちの苦手なジャンルで攻め立てるルクスたち
果たしてヒロインたちは勝つことができるのか?!
次回、ヒロインたちの覚悟




