ドジっ娘には気をつけろよ!
今回はドジっ娘くノ一咲間さんが色々やらかします!
七瀬と咲間を連れて裏切った領主の館に行くことになったのだが
「・・・・・」
ずっと咲間が俺を睨んでくる
(やっぱさっきの事を気にしてるんだろうな・・・)
顔を晒しながら俺は思い出す
咲間は先ほど俺たちに奇襲を仕掛けてきたのだが
それをあまりの不運に阻まれて
結果・・・自滅したのだ
つまり俺に恨みの視線を向けるのはお門違いである
なのだが実際はずっと俺を睨んできているわけで
「・・・・・」
正直この空気が辛い
するともう一人恨みの視線を向けるものがいた
「・・・・・」
ヴィリディである
しかもその視線は俺ではなく
俺に恨みの視線を向けている咲間にだった
するとヴィリディは何を思ったのか
咲間の後ろに立ち
「?」
「「?!」」
思いっきり胸を揉みしだいた
「・・・やっぱり・・・大きい・・・」
と胸を揉みながらヴィリディが言う
確かに咲間の胸は内で爆乳の部類に入る
ルーブルム。ウインレチア、カエルラと同じくらい大きかった
「ちょっ!・・・やめ!・・・あん!」
そんな爆乳を揉まれている咲間は身を悶えさせながら
ヴィリディを振りほどこうとするが
「・・・胸・・・胸・・・」
乙女としてはヤバイ顔になっているヴィリディは
そう簡単には振りほどけなかった
「もう・・・無理で・・・ござる・・・!」
と言いながら咲間が膝をついたので
「その辺にしろ・・・」
俺はヴィリディを引っぺがした
「・・・む〜・・・」
引っぺがされたヴィリディは膨れっ面で俺を睨むが
それはただ可愛いだけなのでダメージはありません
そして俺はヴィリディから手を離して
「大丈夫か?」
と肩で息をする咲間を心配すると
「ハァ・・・ハァ・・・大丈夫か・・・と申しましたか?」
と言って咲間は立ち上がり
「大丈夫じゃないでござるよ!!」
と咲間が叫んで近づいてきた瞬間
「キャ?!」
馬車が揺れて咲間が体制を崩し
「ぶっ?!」
俺の顔面に咲間の爆乳が直撃した
「!!あぁぁぁぁん!!」
「ひっく!・・・ひっく!・・・」
別にどうかしたわけではないのだが
さっきの一撃で完全に咲間の心が折れてしまったらしい
体育座りで泣いていた
「あ〜あ・・・泣かした〜・・・」
とルーブルムが煽ってくる
(これは俺のせいなのか?・・・てかこんなパターン前にもなかったか?)
とか思いながら仕方なく俺は咲間を慰める
「まぁ・・・なんだ・・・悪かったな・・・」
と言って咲間を慰めてみると
「・・ひっく!・・・いいでござるよ・・・」
泣きながらも許してくれた
(・・・つか俺は悪くないよな?・・・)
と思いながら元凶を見ていると
「・・・・・」
体ごと顔を逸らして知らないフリをしていた
(・・・こいつ・・・)
俺は恨みの視線をヴィリディに向けていると
「着いたぞ」
馬車の前に座っていた七瀬が俺たちに言う
「あれが領主の館だ・・・」
と七瀬が指差す
俺たちがその指差した方を見ると
(まぁ・・・やっぱり結構いるよね・・・)
領主の館は外の警備だけで結構な人数がいるのがわかった
すると後ろから
「領主は卑怯な奴でござる・・・もしバレたらすぐさま逃げてしまうので
屋敷への侵入は夜中に決行するでござる」
いつの間にか復活した咲間が言う
そして俺たちは夜中になるまで草陰に隠れてやり過ごし
いよいよ侵入することになった
「では皆に侵入ルートと作戦を伝えるでござる」
と言って咲間は懐から一つの巻物を広げる
「これがあの館の見取り図にござる」
咲間は見取り図を指差しながら説明を続ける
「まずはこの塀のところから侵入するでござる
ここは先の戦で穴が空いてしまい人一人くらいなら
簡単に通れるようになっているでござる
そして領内に侵入をしたらこの壁の部分を目指すでござる
ここには拙者があらかじめ裂け目を入れておいたので
おそらく通れるはずでござる
あとはそのまま領主の部屋を目指してバレないように行くでござる」
と咲間は説明して巻物を懐に戻す
「もしバレてしまったらどうするんだ?」
俺は一応バレた場合の対応策を聞くと
「もしバレてしまったら領主が逃げる前に捕まえるでござる」
と力強く咲間は言うが
(ああ・・・つまりそれはゴリ押しってやつですね)
俺はこれは対策ではないと思ったのだった
俺たちは咲間の作戦通り穴の空いた塀の所に着いた
「ここですね・・・」
とプレシカが穴を見つけると
「ここは拙者が先陣を切るでござる!」
咲間がすかさず穴の中に入ったのだが
「・・・・・」
お尻の所で止まってしまった
「どうした?」
俺が小声で咲間に何があったか聞くと
「・・・まった・・・」
咲間が何か言っているようだが小さくて聞こえない
「何だって?」
俺が聞き直すと
「挟まってしまったでござる・・・」
とまさかの返答が返ってきた
(マジかよ・・・)
俺がその返答に呆れていると
「大変だよ!アルくん!ここはお尻を押し込んであげないと!」
とルーブルムが言う
「あれ?・・・それ・・・俺がやるの?」
と聞くとなぜかみんなして頷いた
(・・・何でこんなことに・・・)
俺は仕方なく咲間のお尻を掴み押し込んだ
「ひゃん!!」
お尻を掴まれた咲間は可愛い声をあげたが
無事に向こう側に抜けることができたらしい
するとみんなして咲間を羨ましいと思ったのか
俺を最後に先に穴に入りわざと俺にお尻を押させたのだ
おかげで俺は恥ずかしい思いをしながら
手に残った柔らかい感触を消そうとするのだった
次は館の壁にある割れ目を通って中に入るのだが
「・・・・・」
案の定さっきの穴と同じようにギリギリの狭さをしていた
「では拙者がまた行くでござる」
と先ほどと同じように咲間が行き
「・・・胸がつっかえたでござる・・・」
さっきと似たような状況になってしまった
「まさかここでこの胸に邪魔されるとは・・・!」
と咲間は自分の爆乳を悔しがる
するとその発言が気にくわなかったのか
「・・・胸・・・胸・・・」
すごい殺気を放ちながらヴィリディが近づく
しかもその手には短剣が握られていた
「ちょ?!何するつもりでござるか?!まさか・・・
拙者の胸を切り落とすつもりでござるか?!
そんなことをしたらカテゴリーが変わってしまうでござるよ?!」
と咲間はよくわからないことを言いながら必死で説得しているが
ヴィリディが歩みを止めることはなかった
そしてヴィリディが短剣を振った
「・・・あれ?・・・」
だが咲間には一切怪我はなかった
そして次の瞬間
「ぬわ?!」
咲間が嵌っていた壁が綺麗に切り崩された
「これで・・・みんな・・・通れる・・・」
とヴィリディが自慢げに言う
「ああ・・・そうだな・・・」
「・・・今ので確実にバレたけど」
先ほどの壁が崩れる音で警備の連中が異変に気付き
一目散に集まってきた
そしてすぐに俺たちは包囲されてしまった
「本当にお前らは・・・」
と言って俺が呆れると
「・・・この女・・・悪い・・・」
ヴィリディが咲間を指差して言う
「ええ?!拙者でござるか?!」
指を差された咲間は驚いていた
そして二人で言い争いを始めてしまう
するとそれを見ていたアウレアが
「二人ともそういうのは後にしなさい!!」
と二人を叱った
それにより二人は渋々と前の敵に向かい直す
「で・・・これからどうするんだっけ?」
と俺が咲間に聞くと
「・・・先ほど言った通り領主を逃げる前に捕まえるでござる」
咲間は俺の後ろに来て言う
「そうか・・・なら!」
俺は剣を引き抜き魔力を込めて
「お前ら!ちゃんと避けろよ!おらぁ!!」
目の前の敵に注意した直後に剣閃を放った
それにより目の前にいた敵は一目散に逃げて
一つの道ができるのであった
「・・・他の面々もそうだったが・・・
お前も相当だな・・・」
俺の攻撃を見た七瀬が呆れる
「まぁいいだろ・・・とっとと行くぞ!」
そのまま俺たちは館を突き進んでいくと
ようやく領主の部屋に着いた
「良いか?おそらく奴は兵士の何人かと一緒に待ち伏せているはずでござる
絶対に油断してはダメでござるよ!」
と咲間は俺たちに注意するように言う
(てかもう待ち伏せは確定じゃね?)
とか思ってしまったがそれを口に出せる空気ではなかったので
俺は言わなかった
「では・・・行くでござるよ・・・」
咲間は部屋の襖に手をかけて
「・・・そこまででござる!!」
一気に中に入ってた
「「「「「「「「「?!」」」」」」」」」
だがそこにいたのは無残な死体の山々と
その奥にいた大きな鉄棒を持ったオニのような奴だった
「ん?なんだお前たちは?」
そいつはこちらに気付き俺たちが何者か聞いてきた
「俺たちは殿様に雇われてここの領主を捕まえに来たんだよ」
と俺が説明すると
「領主?・・・ああそこに転がっている奴のことか・・・」
そう言ってオニは足元の死体を見た
「そういうお前は誰なんだ?」
と俺がそいつに聞き返すと
「俺は四将軍が一人・・・東将軍のレリクイットだ・・・」
オニはゆっくりと自分を名乗った
「?!マジか・・・いきなりボスとは・・・」
俺はその名前を聞いて驚いた
まさかここで四将軍本人に会えるとは思っていなかったからである
だが同時にわからないこともあった
「なんでそいつを殺したんだ?そいつはお前と競合していたんじゃないのか?」
俺はなぜ領主をそそのかした本人が領主を殺したのかがわからなかったのだ
疑問に思った俺は直接本人に聞いてみた
「こいつが裏切ったからだ・・・」
レリクイットはそう答えた
「裏切った?」
俺はその言葉にますます疑問を持った
(なんで領主はあいつを裏切ったんだ?四将軍の話を知っていたなら
裏切った場合にどうなるかぐらいわかっていたはずだ・・・)
と俺は領主が裏切った理由を考えていると
「こいつは国を落とすのに成功したら
この国の人間を全てくれると約束してくれた・・・
だが今日になってその約束をなかったことにしようとした・・・
だから俺はこいつを殺した・・・」
レリクイットは領主を殺した理由を説明した
(なるほど・・・確かに国を手に入れても
人がいなければそれは何の意味もない
だから謀反で強い兵士たちが怪我をした今になって
協力を解消しようとしたのか・・・)
俺はレリクイットの説明で全てを理解した
「まぁ・・・俺たちだけでもこの国は手に入れられるからいい・・・」
とレリクイットは宣言した
「させると思うか?」
俺が剣を構えると
「・・・いや・・・お前との戦いは面倒だ・・・」
と言ってレリクイットは壁を壊して逃げていった
「しまった・・・逃したか・・・」
俺は逃したことを悔しがった
(とりあえず殿様に報告するか・・・)
そう考えた俺はみんなを連れて一度フェムルに帰ることにした
新しい四将軍は東将軍レリクイット!
やっぱり日本といえばオニかな!
次回、東将軍レリクイット




