将軍の居場所
今回は東の国に行きます
西将軍と言われるイウストゥムと戦った俺たち
だがその途中で魔王マルムが声で乱入しイウストゥムは撤退していった
だが俺自身は
(・・・結局魔王の居場所が聞けてねぇぇぇぇぇ!!)
勝ったはずなのになぜか負けた気分だった
(おいおいおいおい!何のために俺はエルフの国に行ったんだよぉぉぉ!
しかも魔王本人が登場してあまりのことに驚いて気づいたら
魔王の居場所聞き忘れるって・・・俺ってどんだけマヌケなんだよぉぉぉぉぉ!!)
と家に帰ってきて早々俺は膝をついて床を叩く
「どうしたんだろう?アルくん」
俺の奇行を見てルーブルムが心配する
「大方自分の目的を忘れていたことを今更ながら後悔しているのだろう」
とウインレチアが俺が今打ちひしがれている理由を説明する
「・・・てか・・・わかってるなら別に言葉にしなくてもいいんじゃないかな」
と俺はウインレチアを見て言う
「そうか・・・それは悪かったな・・・」
とウインレチアは謝るが顔は全然悪いと思っていなかった
(こいつ・・・絶対にわざとだな・・・)
と俺がウインレチアを睨むと
「そのイライラは全て私にぶつけてくださぁぁぁい」
とエレウムがスライディングで俺の足元に来る
「・・・・・」
俺はエレウムを抱き上げて
「へ?」
3階から捨てた
(・・・良い子は真似すんなよ!)
だが速攻で玄関が開きエレウムは戻ってきた
「ハァ・・・ハァ・・・今の・・・最高・・・でした・・・
もっと・・・もっと私をいじめてぇぇぇぇぇ!!」
エレウムは体を悶えさせ息を切らしながら言う
(・・・なんだろう・・・絵的にはエロいのに
言ってることはただの変態発言って・・・なんか・・・残念な美人だな・・・)
俺は今のエレウムを見てそう思うのだった
そんなことを思っている時だった
「アルバく〜ん!お客さんですよ〜」
と玄関からカエルラが俺を呼ぶ
「はいよ〜!」
俺は返事をして玄関に向かう
「はぁ〜い!待ってたわよ」
玄関で待っていたのはギルドマスターだった
「どうしたんですか?」
俺はマスターに来た理由を聞くと
「実はね・・・あなたたちに受けて欲しい依頼があるのよ」
とマスターは一枚の依頼書を手渡す
俺はそれを受け取り内容を見る
「・・・荷物の護送?」
その依頼書の内容は荷物の護送といういたってシンプルな内容だった
そして俺は疑問に思った
なぜマスターはこんな簡単な依頼を俺たちに頼むのか
そんなことを考えていると
「ええ・・・でもただの護送じゃないわよ」
と深刻な顔でマスターは言う
「運ぶのは町一つ分の食料なの」
とマスターは説明する
「町一つ分?!」
俺はそれを聞いて驚く
「実はとある東の国にある港町で食糧難が発生しているのよ・・・
うちもそこの港町にはお世話になっているからなんとかして助けたいのよ
そこであなたたちに頼みに来たってわけなの・・・
お願い出来るかしら?」
とマスターは依頼の理由を言い頭を下げる
「そういうことならもちろん受けるよ!だから顔を上げてよ」
と俺はマスターに言うと
「本当に?!ありがとう!!食料は明日ギルドの方で用意してるから取りに来てね!!じゃあね!!」
そう言い残してマスターは帰って行った
(まぁ・・・どうせ魔王の居場所の手掛かりもないしちょうど良い暇つぶしかな・・・)
そう思いながら俺はみんなに依頼のことを説明しに向かうのだった
(しかし・・・急に食料が足りなくなるなんてことがあるのか?・・・)
そして翌日になり俺たちはギルドに食料を取りに向かったのだが
「・・・多いな・・・」
そこには山ほどの食料が積まれていた
(予想はしていたが・・・)
俺は自分の予想以上に積まれていた量に驚いていた
「・・・荷物・・・多い・・・船・・・無理・・・」
と後ろからヴィリディに聞かれる
「本当ね・・・少しずつ運ぶにしてもその度に食料が減るから
完全にイタチごっこになるわよ」
とアウレアが言う
確かにこの量を船で運ぶのには無理があった
だが俺にはちゃんと考えがあった
「シューリ!!」
俺が空に向かって叫ぶと
「呼んだか大将?!」
空からシューリが現れる
そう俺の考えとは船とシューリとでこの荷物を分けて運ぶことだったのだ
「シューリ!悪いんだがこの荷物を東の国にある港町まで運ぶのを手伝って欲しいんだ!」
と俺はシューリにお願いすると
「お安い御用さ!俺に任してくんな!!」
そう言ってシューリは荷物の半分を持って飛び立つ
「うし!俺たちも残りの半分を船に乗せて行くぞ!」
俺たちも船で港町に向かうことにした
こうして荷物を運びながら海の上を進んでいくと
複数の海賊船に襲われた
「そこの船に告げる!!いいか?!一度しか言わないぞ!!
荷物を全て置いていけ!!さもないとその船を沈めるぞぉ!!」
と海賊船の船長が叫ぶ
だが俺はそれを見て
(・・・絶対に襲う船を間違えたろ・・・)
と何も知らない海賊たちを哀れんでいた
そして戦闘が始まり結果は案の定
「オラァ!!」
ひどい有様だった
ルーブルムたちが海賊船に乗り込んだかと思った瞬間には
もう船は沈み何とかうちの船に乗り込んだ奴らも全て
俺が拳骨でねじ伏せた
(ここまでボッコボコだと逆に悲しいな・・・)
と俺は思いながら海賊たちを救命ボートに乗せて波に流しておいた
(それにしても・・・)
俺はチラッとエレウムの方を見る
エレウムはつい先日みんなと同じように
銀の専用装備を作ったのだ
なのでエレウムの手には銀の弓矢があった
(どうやらちゃんと使いこなしているようだな・・・)
そう思っていると俺の視線に気づいたエレウムが近づいてきて
「ご主人様!ご褒美にお尻を叩いてください!!」
と四つん這いになって尻を向けてくる
(・・・頭の中までは加護はされないのか・・・)
そんなことがありながらようやく港町についた俺たちは
食料を下ろしながら受け取りのサインをもらう
「いやぁ〜・・・助かりました〜・・・
あともうちょいで我々は餓死するところでした・・・」
とサインを書いている町長が言う
「なんで食糧難になったんだ?」
俺は町長に食糧難になってしまった理由を聞くと
「実はこの先にある本国で戦が始まるらしいのです・・・」
と町長は暗い顔で答える
「戦?」
俺はその言葉に疑問を持つと
「ええ・・・なんでも領主の一人が謀反を起こして
戦を仕掛けてきたんだとか・・・そのせいで
我々には食料が届かなくなったんです・・・」
と町長は説明する
(戦・・・魔王と何か関係があるのか?・・・いやそんなことはないか・・・)
そう思い俺は船に戻ろうとすると
「「?!」」
突如後ろで爆発が起きる
「何だ?!」
俺は急いでその爆発があった方に走っていく
爆発のあった場所に着くとそこでは
普通の一般人が武装した鎧武者二人に襲われていた
「おい!よその国から食料をもらったんだってな!
テメェら・・・!俺たちがどんな思いで戦っていると思っているんだ!!」
と鎧武者は叫ぶ
「そうだな・・・この食料は俺たちがもらってこそ価値が有る・・・」
ともう一人の武者が言う
「そんな・・・!そんなことをしたら家族のみんなが・・・!」
と一般人の男は武者の二人に言う
「舐めたことを言ってんじゃねぇ!!こちとらテメェらの命の為に戦ってるんだぞ!
だったらそんな働いている俺たちにこそ食料は与えられるものだろうが!!」
そう言って武者は男を突き飛ばす
「俺たちに意見するならテメェもここで切り殺してやるよ!」
と武者は腰の刀を抜き男に近づく
「いいか!よく見ておけ!これが俺たちに逆らった者の末路だ!!」
ともう一人の武者が周りに言う
そして刀を持った武者がゆっくりと腕を上げて
「くたばれぇぇぇぇぇ!!」
勢いよく刀を振り下ろした
誰しもが最悪の光景をよぎったが
「危ねぇな・・・全く・・・」
間一髪で俺が止めに入った
「あんたは・・・」
男は俺に驚いている
「いいから・・・とっとと行け・・・」
俺はそう言って男を逃す
「テメェ・・・よくも邪魔してくれたじゃねぇか・・・」
刀を持った武者は怒っていた
「なるほど・・・お前がよその国から来た者か・・・」
ともう一人の武者が言う
「へぇ・・・テメェが・・・」
それを聞いた武者は俺に近づき
「いいか?!ここでは俺たちが上だ!!
だからテメェは邪魔すんじゃねぇ!!
もしまだ邪魔するっていうんなら・・・」
と武者は言う
「邪魔するなら・・・何だ?」
と俺が先を聞くと
「あなたに見せしめになってもらいます・・・」
ともう一人の武者が後ろに立ち刀を抜く
そして二人して俺に襲い掛かってきたが
「「なっ?!」」
二人の刀は俺の鎧で砕け散った
「馬鹿なっ?!」
二人は刀が砕けたことに驚いている
俺はその隙をついて二人の頭を掴む
「テッテメェ!離しやがれ!!」
二人は必死で抵抗して引き離そうとするが
鎧を身に纏った俺からは逃げられなかった
そして・・・
「そんなに腹が減っているなら・・・土でも食ってろぉぉぉ!!」
「「グバァァァァァ?!!」」
俺は二人を頭から地面に突き刺した
「フゥ〜・・・一丁上がり!!」
鎧を解除してしばらくすると町長が来てくれた
どうやらこいつらはここで預かってくれるらしい
「しかし・・・こんなんが今の戦をやっているのか・・・」
と俺が呆れていると
「いえ・・・こいつらの家紋は謀反を起こした
領主のものです・・・」
と町長は言う
「・・・てことは・・・」
俺は嫌な予感がした
「ええ・・・おそらく我々の食料はこやつらに
横取りされていたのでしょう・・・」
と町長は頷いた
(これがこの国の今ぶち当たっている現状か・・・)
そう思った俺は
「町長・・・こいつらが潜伏してるかもしれない場所ってわかるか?」
こいつらを倒そうと潜伏場所を聞く
「・・・おそらくはこの先の関所かと・・・
そこ以外は全て断崖になっているので
食料を運べるところはあそこしかありません」
と町長は答える
「そうか・・・ありがとう」
お礼を言った俺はルーブルムたちと合流して
その町長が言った関所に向かうのだった
だが俺たちはまだ気づいていなかった
これが俺たちにとって避けられない戦いだったということを・・・
東の国といえば侍・・・となれば・・・?
次回、侍美女現る!!




