白銀の覚醒
いよいよ黒騎士戦です!どうなる主人公?!
グラディオを倒した俺は
黒騎士のところに急いで向かっていた
その途中で
『システムダウン!システムダウン!』
という電子音が鳴り要塞が止まった
「どうやらルーブルムたちがやってくれたみたいだな」
俺はすぐにこの騒ぎがルーブルムたちが起こしたものだと気がついた
「しかしこれ取れねぇな〜・・・」
俺は腕に付けられたそれを見て言う
それは先の戦いの後グラディオがつけた魔力封じの腕輪だった
(これのせいでインヴィクタも使えないし・・・)
魔力を封じられた俺は魔力を使うインヴィクタを発動できず
今はただの子供になってしまった
(これで黒騎士と戦うとか・・・生きて帰れる気しね〜・・・)
俺は現状に絶望する
だがその時にルーブルムたちとした約束を思い出す
絶対に生きて帰ると
「・・・フッ・・・約束破ったら絶対怒られるな・・・」
そう言って俺は笑う
「さて・・・とにかく黒騎士の場所まで行くか・・・」
とそう言って奥に進んでいくと
「デケェな・・・おい・・・」
一つの大きな扉の前に着いた
「多分だが・・・この先に黒騎士がいるな・・・」
そう考えた俺は扉を開けてみると
「・・・やっと来たか・・・」
大きな椅子に黒騎士が悠然と座っていた
「ほう・・・その姿を見るにグラディオの言っていた作戦は成功したようだな」
と笑っているように見えた
どうやら黒騎士はグラディオの作戦を知っていたようだ
「ああ・・・おかげさまで・・・このザマだ」
俺は素直にやられたと言った
「で?・・・どうすんだ?この姿の俺とは戦えないってわけじゃないんだろ?」
俺がそう聞くと
「ああ・・・そうだな・・・」
そう言って黒騎士はゆっくりと椅子から立ち上がる
「そういえば・・・この部屋・・・
結構広いけど何かあるのか?」
俺は黒騎士にこの部屋の詳細を聞いた
その部屋は黒騎士が一人で使うにはあまりにも大きかったのだ
だから俺は何かあると思い黒騎士に聞いたのだ
「フッ・・・さすがに勘が鋭いな」
そう笑った黒騎士は懐からスイッチを取り出しそれを押すと
「何だ?!」
大きな振動とともに黒騎士の後ろにあった壁が開き大きな装置が出てきた
「あれは・・・」
俺はその装置を見たことがあった
それは彼らの集会所で見た設計図に書かれていた物だった
その装置には黒い水晶がはめ込まれていて
俺はそれを見て嫌な予感がしていた
「これは完成した黒い水晶の能力をフルに使う為の装置だ」
と黒騎士は説明する
「この装置を使えば聖獣だけでなく他の生き物も操ることができる
モンスターも魔獣も・・・そして・・・人間も・・・」
と黒騎士は驚愕の事実を説明した
「?!」
その装置の能力を聞いた俺は嫌な予感が的中したと思っていた
「お前・・・その装置で何をする気だ・・・?」
俺は黒騎士を睨みながら聞くと
「決まっているだろう・・・
この世界に生きている人間たちの居場所をなくすのだ」
と黒騎士は答えた
「魔獣やモンスターで人間の居場所を狭め
その中で人間たちを操れば誰しもが人を疑いだす
たとえそれが友人や家族であろうと・・・な
そうなれば人間は醜い争いを始め自らの種族を殺していく
そして人間は絶滅一途を辿ることとなるだろう」
と黒騎士は装置を使った計画を話しながら笑っていた
「・・・なるほど・・・過去の出来事がそこまでお前を変えたか・・・」
俺はもう黒騎士が変わることはないと考え
「だったらここでお前を倒す!!」
武器を構えて黒騎士を倒すことを決めた
「ほう・・・鎧を纏えないその体でなおをも俺と戦う意思を失わないか・・・
いいだろう・・・お前をこの世で唯一の敵と認めて全力で戦ってやろう!」
そう言って黒騎士は背中の大剣を抜く
「ハァ!!」
俺は突っ込み短剣を振るが
「ヌゥン!!」
黒騎士の大剣に弾かれ吹き飛ばされる
吹き飛ばされた俺は空中で体制を立て直して着地した
(やっぱ鎧を身に纏ってない分・・・力と体格の差が直に出るか・・・なら!)
そう考えた俺は今度は黒騎士の周りを動き回る
「なるほど・・・パワーで敵わないのならスピードで勝負するか・・・」
そう黒騎士は俺の作戦を分析する
「だが忘れてないか?」
そう黒騎士が言った瞬間
俺は黒騎士の背後に襲い掛かったが
「この鎧はどんな攻撃も通さないことを・・・」
「?!」
その一撃は黒い鎧に阻まれた
「ちぃ!」
俺は一旦後ろに下がって距離をとる
(やっぱあの鎧をどうにかしないと勝てる見込みはないか・・・)
俺はそう考えながら次の策を考えるが
(ダメだな・・・何もいい作戦が思いつかない・・・)
何も思いつかなかった
それもそのはずこの決戦に向けて打倒黒騎士の武器を探していたが
結局は見つけられていないのだ
なのに目の前で戦って手中できないこの状況で
なおかつ何の装備をないのにそんな都合のいい作戦が思いつくわけなどなかった
「どうした?もう終わりか?」
と考え込んでいた俺に挑発してくる黒騎士
「ならば・・・こちらから行くぞ!!」
そう言って黒騎士は突っ込んでくる
「やべっ?!」
俺は急いで剣を構える
「遅いわ!!」
黒騎士は大剣を振ってきた
「グォ?!」
その攻撃を剣で受け止めることはできたが衝撃までは耐え切れず
壁に吹き飛ばされる
「グゥ?!」
壁に激突し俺は壁にめり込む
「ハァ!!」
そのめり込んだ俺を追撃する黒騎士
「あぶねっ?!」
俺はその攻撃を間一髪で避けるが
「甘いわ!!」
後ろに避けた俺を黒騎士が蹴り飛ばす
「ガハァ?!」
まともに蹴りを食らった俺は血反吐を吐き吹き飛ばされる
「グゥ?!」
蹴りを食らった俺はボロボロになる
「まだ・・・まだ!・・・」
だが俺は戦うことを諦めずに立ち上がる
「・・・まだ・・・戦うか・・・」
と黒騎士は俺に近づき拳を振るう
「ガァ?!」
避ける気力のない俺はまともに喰らい殴り飛ばされる
(クッソ・・・・やっぱ勝てねぇのか・・・)
地面に仰向けで倒れる俺は意識を失いそうになる
そんな時だった
「アルくん!!」
「!!」
ボロボロになったルーブルムたちがこの部屋に入ってきた
「ほう・・・スペクラたちを倒してここまでくるとは・・・
なるほど・・・さすがは白騎士の仲間たちだな・・・大したものだ・・・」
黒騎士は幹部たちを倒してここまで来たルーブルムたちを素直に賞賛する
部屋の中に入ってくるとボロボロになっていた俺を見てみんなは驚いていた
「アルくん!!」
ルーブルムたちは心配して俺に近付こうとする
「来るな!!」
だが俺はルーブルムたちに来るなと叫んだ
それを聞いたルーブルムたちはこっちに来ることをやめた
するとそれを見た黒騎士は
「フッ・・・やはりな人間は皆同じだ・・・
結局は自分の身を守りたいのだ・・・」
と心からの本音を言った
おそらくその発言は過去の自分がやられた仕打ちだったのだろう
だがルーブルムたちは
「そうじゃないよ・・・」
その言葉を否定した
「何?」
黒騎士がその言葉を聞いて驚く
「私たちは信じているだけ・・・
アルくんが絶対に勝つって・・・
だってアルくんは約束してくれたもん・・・
帰ってくるって・・・勝って私たちのとこに帰ってくるって!」
ルーブルムは俺の約束を信じていた
「そうよ!!こんなところで負けるんじゃないわよ!!
あんたは私が惚れた男なのよ!!だったら勝って帰ってきなさいよ!!」
とアウレアが叫ぶ
「そうだな・・・約束を破ったら私たちが向こうまで追いかけるぞ
そうなりたくなければ無様でも卑怯でもいいから勝って・・・生きて帰ってこい」
ウインレチアは俺を脅してきた
「・・・大丈夫・・・信じてる・・・
旦那様・・・強い人・・・だから・・・勝つ・・・」
ヴィリディは俺の勝利を信じ
「アルバ様は最強の騎士です・・・だから絶対に負けません!
私は信じています!勝って・・・生きて帰って!
この国を・・・世界を絶対に守ってくれるって!!」
プレシカは俺を最強の騎士と言った
「アルバくん・・・勝って・・・勝ってみんなで笑って帰りましょう!
どんな時でも私たちはいつでもそばにいてあげますから!!」
とカエルラは励ましてくれた
それを聞いた俺は
(全く・・・バカみたいだな・・・みんなして俺のこと信じすぎだろ・・・
本当に・・・負けられねぇじゃねぇか・・・)
嬉しくて思わず笑みを浮かべてしまった
「ええい!!うるさい!!」
黒騎士はルーブルムたちに怒りの叫びをあげた
「お前たちがどれだけ信じようとそれを裏切るのが人間だ!
そうやって信じた先には裏切りが待っている・・・そして最後には破滅が待っている!
たとえどんな奴でもその真実は絶対に変えられん!!」
と黒騎士は叫ぶ
「白騎士よ!・・お前も所詮俺と同じ孤独な人間だ!・・・どんなに信用しても最後は裏切られる!
かつての俺のように・・・必死で戦うも・・・
仲間は逃げ出し・・・最後は守った国にも裏切られた!
所詮人間はただの道具でしかない!
使いたいときだけ使っていらなくなったらすぐ捨てられるただの道具だ!
俺はこんな世界が悔しくて憎くて・・・だから壊すことにしたのだ!
自分の為に戦う事を選んだのだ!
お前もそんなくだらん使命感など捨てて自分の為だけに戦え!!」
と俺の方を振り向きに叫ぶ
それを聞いて俺は笑ってしまった
「自分の為に戦え・・・か・・・
悪いな黒騎士・・・俺は別にお前が言うほど大層な理由で戦った覚えはないんだよ」
俺はフラフラと立ち上がりながら黒騎士にそう答えた
「何?」
黒騎士は俺の発言に驚く
「ならばお前の戦う理由は一体なんだ?!」
黒騎士は俺の戦う理由を聞いてきた
「俺は・・・目の前で誰かに傷ついてほしくない・・・」
「俺は・・・目の前で誰にも苦しい思いをしてほしくない・・・」
「俺は・・・目の前で誰にも悲しい思いをしてほしくない・・・」
「俺はただ・・・俺の守りたいもんを守るために戦っているだけだ・・・」
「その守りたいもんの中にはルーブルムたちとの約束が入ってる・・・だから俺は立ち上がるんだ・・・
それによ・・・こんだけ俺の事を好きな女たちにあんな応援されて負ける男がいるかよ・・・
俺はみんなとの約束を絶対に守る!!それが俺の戦う理由だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その時・・・奇跡が起きた
その瞬間俺はインヴィクタが放つまばゆい光に包まれ
俺の腕に付いていた魔力封じの腕輪が壊れた
「なんだこれは?!」
黒騎士はインヴィクタの放ったその光にたじろぐ
「アルくん?!」
光はさらに大きくなりいつの間にか部屋全体まで広がっていた
ルーブルムたちをその光に吸い込まれる
しばらくして光がインヴィクタに収まり俺がいた場所には
白銀の騎士が降臨した
主人公覚醒!!黒騎士との決着は?!
次回、白銀と黒の決着




