ヴィリディとプレシカの戦い
今回はカプスル戦です!
「・・・ここ・・・どこ?・・・」
アルバたちと離れたヴィリディは道に迷っていた
しかも・・・
「まぁ・・・いいや・・・」
そう言ってヴィリディは短剣を抜いて
「・・・えい・・・」
壁を切って進んでいた
すると
「きゃあ?!」
何か悲鳴が聞こえてヴィリディは切った壁の向こうを見ると
「いたた・・・」
そこにはプレシカがいた
「・・・何・・・してる?・・・」
とヴィリディが聞く
「実は迷子になってしまいまして・・・
それで道なりに進んでいたら急に壁が・・・」
そう答えられたヴィリディは
「・・・ごめん・・・」
素直に謝った
「?」
だが謝られた本人は何のことかわかってなかった
そのまま合流したヴィリディとプレシカは
「・・・えい・・・」
またもヴィリディが無理やり
道を作りながら先に進んでいく
しばらく進んでいると大きな広間に出た
「ここは・・・?」
その広間を見てプレシカは不思議に思っていた
そこは大きな広間なのに何もなかったのだ
「・・・・・」
だがヴィリディは気づいていた
そこに誰かがいることを・・・
するといきなり
「スキあり!!」
と後ろから誰かが襲ってきた
だが気配に気づいていたヴィリディ
「・・・!・・・」
冷静に攻撃を受け流した
攻撃を弾かれたそいつは
「ちぃ!気付いてやがったか!!」
と悔しがっていた
そいつは黒の騎士団四番隊隊長のカプスルだった
「・・・殺気・・・バレバレ・・・」
とヴィリディがわかった理由を言うと
「へぇ・・・殺気で気づいたのか・・・
なかなかじゃねぇか・・・だが」
そう言ってカプスルはヴィリディに指を向け
「これはどうだ!!」
爪を伸ばして攻撃してくる
「・・・っ!・・・」
ヴィリディはその爪を避けると
「残念だったな!それは囮だ!!」
後ろからカプスルが迫っていた
(しまった!)
反応が遅れ避けきれないヴィリディだったが
「私を忘れないでください!!」
プレシカが間に入りカプスルを攻撃して吹き飛ばす
「ちぃ!」
吹き飛ばされたカプスルは
体制を立て直して着地する
「やってくれるじゃねぇか・・・
もう容赦しねぇぞ!!」
そう言うとカプスルが遠距離から爪を伸ばして攻撃してくる
「くぅ!」
プレシカは後ろに下がり爪を躱す
「これなら近づけねぇだろ!
そのままズタズタになりやがれ!!」
そう言ってカプスルはプレシカを攻撃し続けるが
「・・・後ろ・・・がら空き・・・」
「?!」
カプスルの影からヴィリディが出てきて
「・・・はっ!・・・」
伸ばしていた爪を根元から切り裂いた
「・・・武器・・・壊した・・・降参・・・する・・・」
そう言ってヴィリディは負けを認めさせようとすると
「はっ!これぐらいで降参なんかするかよ!!」
そう言うとカプスルは呪文を唱え始める
するとカプスルの周りに黒い霧が纏わりつく
「?!」
危険だと思ったヴィリディは急いで後ろに下がる
そして黒い霧が晴れると
そこには長い手足に鋭い爪と牙を持つ
異形の存在となったカプスルがいた
「ヒャ〜ヒャッヒャッヒャッ!この魔獣の力を使った
俺はさっきの数倍速ぇぞ!!覚悟しやがれ!!」
そう笑って言い終わった瞬間カプスルの姿が消えた
「「?!」」
驚くヴィリディとプレシカだったが
「グッ?!」
そのすぐ後にヴィリディの服が切り裂かれた
「ヴィリディさん!」
プレシカがヴィリディのところに急いで近寄ろうとする
「仲間の心配なんてしてる暇ないぜ!!」
そう言ってカプスルはプレシカに襲いかかる
「キャア!!」
プレシカも見えない速度のカプスルに服を切り裂かれた
「・・・速い・・・!」
切られた場所を見ながら武器を構えてヴィリディが呟く
「今のてめぇらごときじゃ俺の姿を捉えるなんて百年早いぜ!!」
そう笑いながらカプスルは自身のスピードを自慢した
「どうします?」
プレシカはヴィリディに近づき背中を合わせて
どう対処するか聞くと
「・・・任せて・・・!」
そう言ってヴィリディはプレシカから離れて目を閉じる
「なんだ?諦めたのか?!」
そう言ってカプスルが止めを刺そうと突っ込んでくる
「なら・・・これで死にやがれ!!」
そう言って爪で切り裂こうとするカプスル
「シャドウ・・・ダイブ」
だが攻撃が当たる寸前にヴィリディは自分の影に入り避けた
「何?!」
自身の最速の一撃を躱されてカプスルは驚いていた
「・・・喰らえ・・・」
さらにヴィリディは影から腕だけを出し短剣をカプスルの足に突き刺した
「グォォォォォ?!!」
短剣は地面にまで深く突き刺さりカプスルの動きを封じた
「これで終わりです!!」
その隙にプレシカが止めで突きを放つが
「ぬぁあああ!!」
「「?!」」
カプスルは自力で短剣を抜いてプレシカの攻撃を躱した
「ハァ・・・ハァ・・・まさかここまでやられるとは・・・」
カプスルは息を切らしながら足に刺さった短剣を抜いて放る
「貴様らはただでは殺さねぇ・・・徹底的に痛めつけてから殺してやる!!」
そう言ってすごい睨んできた
どうやらカプスルの怒りが頂点に達したらしい
だが二人ともその殺気には気後れしなかった
「・・・負けない・・・旦那様・・・約束・・・絶対・・・帰る・・・」
ヴィリディは俺との約束を思い出す
「そうです・・・アルバ様は約束してくれたんです
帰ってくるってだから私たちもあなたを倒します!!」
とプレシカは言いながら武器を構えた
「おもしれ・・・!てめぇらおもしれぇよ・・・!
だったら白騎士に合わせる顔がないくらいズタボロにしてやるよ!!」
そう言ってカプスルはまたも見えない速度で縦横無尽に動き回る
「どうだ?!攻撃できるもんならしてみろよ!
俺の姿が見えるならな!!」
とカプスルが挑発する
「見えないのでしたら見えるようにするまでです!!」
プレシカはレイピアを空に掲げる
「ガーベラストリーム!!」
するとどこからか舞ってきた花びらが辺り一面を逆巻く
「なんだこれは?!前が見えねぇ?!目眩しか?!」
花びらで前が見えなくなるカプスル
「だがこれくらいじゃ俺を止めることなんてできないぜ!
この花びらがなくなった瞬間にてめぇらは細切れだ!!」
とカプスルは言いながら動きを止めることはなかった
だがプレシカの狙いは目眩しなどではなかった
「ヴィリディさん!今です!」
「シャドウ・・・メイデン」
そうヴィリディが入った瞬間だった
「グバァ?!」
高速で移動していたカプスルの全身が黒い小さなトゲに貫かれる
そして攻撃を受けたカプスルが壁から落ちてくるところを
「アスター・・・スティンガー!!」
待ち構えていたプレシカが貫いた
「グォォォォォ?!」
体を貫かれたカプスルは着地するも膝をついた
「グホォ?!・・・馬鹿な・・・?!さっきの攻撃は・・・?!」
カプスルは訳のわからない顔をしていた
するとプレシカが近づき
「さっきほどの攻撃はこれを使ったのです」
と言って先ほど舞っていた花びらを見せつける
「それがなんだって言うんだ?!
あんなのただの目眩しじゃねぇか?!」
どうやらカプスルはまだわかってないらしい
「私がこの花びらを飛ばしたのはあなたの視界を塞ぐためではありません
私はこの部屋全体に影を作ることが目的だったのです」
そうプレシカに言われて
「!!」
ようやくカプスルは気がついた
あの花びらは武器を失ったヴィリディが攻撃する為のものだったのだ
武器を失ったヴィリディができるのは影を操ることのみだった
だが武器のない今影に潜って移動すればただやられに行くだけだ
おまけに相手が高速で移動していればそいつの影で攻撃するのも困難だ
だから花びらで小さな影を大量に作ったのだ
あれだけの影ができた場所を使って攻撃すれば
どんなに高速で移動する奴でも無数の針の餌食になるということだった
「まさかあの大量の花びらが囮で本命はその花びらで作った影だったとはな・・・
やってくれるじゃねぇか・・・」
そう言ってカプスルが悔しがり眉間にシワを寄せる
「そしてダメージを受けて止まったところを私が攻撃する作戦でした」
そうプレシカがこの作戦の全貌を説明すると
「なるほど・・・俺はお前らの思った通りに動いたってわけか・・・
畜生・・・今度こそ・・・絶対に殺して・・・」
そう言い終わる前に灰になって消えたカプスル
それを見たプレシカは
「彼は本当に殺しを楽しんでいただけなのですね・・・」
悲しい顔をしながら呆れていた
「・・・それが・・・人・・・」
後ろからヴィリディが近づきながら言う
「・・・悪い奴・・・いい奴・・・人それぞれ・・・
だから・・・私・・・救われた・・・」
とヴィリディはアルバに救われたことを話す
「そうですね・・・いい人もいれば悪い人もいる
だからこそ人は支え合い
自分たちで間違いを正しながら進んでいかないと
いけないのですね・・・」
プレシカは一人の王族として
カプスルの存在を重く受け止めるのた
「なら早く黒騎士を止めないといけませんね!」
とプレシカはヴィリディに笑顔で言った
「・・・うん・・・先に進もう・・・」
武器を拾ったヴィリディはプレシカの言った通り先に進もうと
「・・・えい・・・」
またも壁を切り裂いてそこから進もうとしていた
「ちょっ?!待ってくださ〜い!」
するとプレシカがヴィリディを呼び止める
「・・・何?・・・」
ヴィリディは振り返り呼びとめた理由を聞くと
プレシカはとある場所を指差しながらこう言った
「・・・カプスルさんの後ろにあった道はスルーですか?」
「・・・あっ・・・」
次回はマレオ戦!パワータイプの奴と戦うのはもちろん!
次回、アウレアとカエルラの戦い




