グラディオ
今回はグラディオ戦です
後の事をドゥクスに任せた俺たちは
要塞の中に入っていった
そして要塞の中は
例の黒の騎士団の中隊長クラスの奴らが
大勢いて立ちふさがった
「邪魔だ・・・!」
俺はスピードを緩めずそのまま突っ込んでいく
「キシャァァァァ!!」
まず来たのはカプスルの四番隊の奴らだった
スピードが自慢の奴らは俺の背後を突き攻撃しようとしてくるが
「見えてんだよ!!」
俺はそいつらの首根っこを掴み
「おらぁ!!」
地面に突き刺した
そして次に向かってきたのは
「突撃!!」
ハスタム率いる三番隊
槍を構えて突撃してくる
「だったら・・・!」
俺は槍を掴み
「おらおらおらおら!」
槍を振り回して他の奴らを殴り飛ばす
その槍を持っていた兵士は
「おぉぉうおぉぉう」
完全に悲惨なことになっていた
「どうもありがとう!」
一応俺はお礼を言って投げ飛ばした
最後はマレオ率いる二番隊の重装騎兵だった
そいつらは動きが遅いので
懐に入り込み
「道を・・・・・塞ぐなぁぁぁぁ!!」
思いっきり殴り飛ばした
一通り倒していったが
「「「ウォォォオ!!」」」
奥からまだまだ出てきた
「キリないな・・・!」
このままでは先に進めない
そう思った俺は
「ここは別れて行くぞ!」
別れて進めばその分敵も分散できると思った
俺はみんなにバラバラになるように指示した
みんな首を縦に振り俺たちはバラバラになって進んだ
「さぁ〜て・・・どれくらいいるかな?」
俺は後ろを振り向くと
「・・・・・」
なんかさっきより増えていた
「・・・これ・・・作戦失敗じゃね?」
俺は完全にやってしまったという顔をしていた
結構な時間をかけて全員を倒し終えた俺は
とりあえず道を進んでいくが
「・・・ここ・・・どこ・・・?」
完全に迷子になっていた
すると後ろから
「ああ!黒騎士さんはそこを奥に行って左にまっすぐですよ」
とグラディオが教えてくれた
「あ!まじ?!ありがとう!!」
俺は言われた通りに道を歩いていく
「・・・・・てかなんでいんの?」
ようやく正気に戻った
俺はそこにいるグラディオに聞いた
「いや〜黒騎士さんに止めるように言われましたから」
すごい笑顔で答えられてしまった
「いや・・・そこは素直に答えちゃいかんだろ・・・」
俺は自分で聞いておいてなんだが
ツッコんでしまった
するとグラディオは先に進んで
「この先に僕たちの戦う場所を用意してもらいました」
そう言って俺を案内する
「・・・・・」
俺は大人しくついていった
大きな広い場所に着くとグラディオはこちらに振り向き
「ここで・・・私と決着をつけましょうか」
そう言って笑った
ただその笑いはいつものような優しいものではなく
完全な獣のような顔だった
「・・・・・」
俺は黙って剣を抜き構える
だがその前に聞いておきたいことがあった
「なぁ・・・・・なんでそんなに黒騎士に尽くすんだ?」
そう聞かれたグラディオは暗い顔を浮かべた
そしてゆっくりと口を開き
「黒騎士さんが・・・僕の恩人であり育ての親だからです・・・」
そう答えた
その後グラディオは自分の過去にあった話をした
グラディオのいた村は悪魔に襲撃され
全滅したらしい
その中で唯一生き残ったのは
偶然村を出ていた幼き日のグラディオだけだった
その後は住む場所を探して各地を転々としていたらしい
だがどの国に行っても村の悲劇のことを言われ
災いを呼ぶ子、不幸の塊
そう言われて追い返されたらしい
そしてもう行く当てもなく
そのままのたれ死にそうになっていた時
助けてくれたのが黒騎士だったらしい
黒騎士は住む場所と食料をやり
グラディオは育てていたらしい
「僕はそんな黒騎士さんの役に立ちたい・・・
だから・・・あなたと戦います・・・」
そう言ったグラディオの目は本気だった
だがそれを聞いた俺は暗い顔をしていた
(まさか・・・村を悪魔に襲われて
行くあてもなく彷徨っていた子を救ったのは
同じく国に裏切られ追い出された男だったとはね・・・)
俺はそんな風に思いがらもゆっくり深呼吸をして
「そうか・・・だったら手加減はしねぇ・・・」
そう言って戦う覚悟を決めた
しばらくの睨み合い
そしておそらく同時に
「ハァ!」
剣を振った
鳴り響く鉄と鉄のぶつかる音
俺は必死に剣を振るが
それを全て受け流されてしまう
「ちぃ!」
俺は一旦距離をとって作戦を立てる
(やっぱ剣術はあいつの方が上か・・・
さてどうしたもんか・・・!)
俺は考えてる途中でそれを見つけた
(グラディオの後ろの通路・・・
あれってもしかして先に黒騎士がいるのか?)
そう思った俺は考えついた
グラディオを倒す方法を
「よし!」
俺はグラディオに思いっきり突っ込む
「やけになりましたか?そんな攻撃は当たりませんよ!!」
案の定グラディオは俺の突撃を躱す
だが俺の目的はグラディオではない
その後ろにある通路だ
「一体何を・・・?!」
それに気づいたようでグラディオは急いで俺を追いかけてくる
「先には行かせませんよ!!」
そう言ってグラディオは俺に突きを放ってくる
だが・・・・・
それこそが俺の狙いだった
「?!」
俺は突然振り返り
グラディオの剣を脇で挟み
「デヤァァァァ!!」
思いっきり叩き割った
「くっ?!」
剣の一本をおられたグラディオは急いで後ろに下がる
「・・・まさか目的は僕自身でもなくその通路でもなく
・・・僕の剣だったとは・・・やられました」
グラディオは素直に驚いたと言っていた
「ですが・・・僕にはもう一本剣がありますよ?」
とグラディオは持っている剣を見せつける
「ああ・・・確かに二本目もすぐに折るつもりだったんだけど
残念ながら間に合わなかったけどな・・・」
と俺は悔しがる振りをする
「何か・・・手はあるんですか?」
と言いながらグラディオは構える
「さぁな?」
俺は答えをはぐらかした
そしてそのまま先ほどと同じ
鉄と鉄のぶつかり合いになった
だがさっきと違うことが一つだけあった
それは・・・・・
「鎧頼りの守りですか・・・!」
そう俺はさっきほどとは違い
剣ではなく鎧でグラディオの攻撃を受け止めていた
「なるほど攻撃だけに集中するために
鎧だけで守るわけですか・・・」
とグラディオは言い
「ですが・・・それだけでは勝てませんよ!!」
そう言ってさらに激しく攻撃してくる
「これだけ攻撃されればいずれその鎧も壊れるでしょうね!!」
とグラディオは言う
だがグラディオは気づいていない
俺が鎧で受け続けてる本当の意味を・・・
しばらく打ち合ったのち
その時がやってきた
「これで終わりです!!」
グラディオは剣を振りかぶり
「ハァァァァァ!!」
思いっきり打ち込んできた
「ふん!!」
俺はそれを剣で受け止める
そして・・・・・
「?!」
俺の剣に受け止められた
グラディオの剣は・・・折れた
「馬鹿な・・・?!」
俺が剣を折ったことに驚いて油断してるところを
「おぉぉぉぉぉ!!」
殴り飛ばした
「グゥゥゥゥゥ?!」
殴られたグラディオは吹っ飛ばされ壁に激突した
グラディオは瓦礫ともに地面に落ち
俺はその場所に駆け寄ると
「・・・なぜ・・・私の剣が・・・?」
とグラディオは俺に聞いてきた
「・・・鎧のおかげだよ・・・」
俺がそう答えるとグラディオは全てがわかったという顔をしていた
俺の作戦は鎧でグラディオの攻撃を受け止めること
それによりグラディオは俺が追い込まれていると思っていたが
実際は鎧の強度でグラディオの剣がダメージを食らい続けていたのだ
そしてダメージが限界になり折れたのだ
それこそが俺の狙いだった
「・・・ふっ・・・まさかそこまで考えて
私と戦っていたとは・・・・・」
そう言いながらグラディオは顔を隠して
「・・・完敗・・・ですね・・・」
ゆっくりと自分の負けを認めた
その時だった・・・
「?!」
一瞬油断した俺にグラディオが何かを腕にはめた
その瞬間
「これは?!」
俺の鎧が解除された
「何で?!」
そう驚く俺にグラディオは
「さっきあなたの腕にはめたのは魔力を封じる魔道具の腕輪です」
と説明した
それを聞いた俺はやばいと思った
インヴィクタは俺の魔力を使って
発動するため魔力を封じられれば
俺はただの子供に成り下がってしまう
何とか外せないか頑張っていると
「無駄ですよ・・・」
とグラディオが言う
「それを外すことは不可能です・・・だから・・・」
その後グラディオが言うことがわかった俺は
「いやだね!」
先に答えを言った
それを聞いたグラディオは目を丸くしていた
おそらくグラディオはあの後
黒騎士と戦うのはやめろと言うつもりだったのだろう
だが
「たとえどんな姿であろうと俺は戦う・・・
それが俺の意思だ!」
そう言うと
「・・・ふっ・・・」
グラディオは笑い出した
そして一通り笑い終わると
「なるほど・・・僕が勝てないわけだ・・・」
そう呟いた
「本当は黒騎士さんを・・・あの人を止めたかった・・・
でもできなかった・・・だからあの人が対等と認めた
あなたが羨ましかった・・・だから僕も意地になっていたんです
あなたを倒せば・・・黒騎士さんと対等になれる・・・
そうすれば黒騎士さんを止められる・・・そう思っていたんです・・・」
とグラディオは自分の胸の内を明かした
「でも・・・本当はそんな必要などなかった・・・
ただ僕に足りなかったのは・・・戦う勇気だけだったようですね・・・」
そう言って笑っていた
「・・・白騎士・・・いえアルバさん・・・
どうか・・・黒騎士さんを止めてください・・・
そして・・・あの人を救ってください・・・」
グラディオはそう俺にお願いする
「・・・だったらこれ外してくれない?」
俺はさっきはめられた腕輪は見せると
「無理です」
すごい爽やかな笑顔で言いやがった
「お〜ま〜え〜」
俺はこいつがすごいひねくれ者だと理解した
「ハァ〜・・・しょうがねぇ・・・このまま行くか!」
俺は腕輪を外すことを諦めて先に進もうとすると
「あの人のこと・・・頼みますよ」
そうグラディオは言った
そんなグラディオに俺は
「知るか・・・俺はただ俺の為に戦うだけだ・・・」
そう言って先に進んでいった
「ふっ・・・嘘が下手ですね・・・」
残されたグラディオは笑っていた
(本当にあの人を救えるのはアルバさんだけ・・・でしょう・・・から・・・)
そう考えながらグラディオは意識を失った
主人公がピンチ!!
だけど次はハスタム戦!戦うのは・・・
次回、ルーブルムとウインレチアの戦い




