黒騎士の正体
今回は黒騎士の過去がわかります
村を守りぬいた俺たちは
この戦いで散った者たちの墓を建てていた
「・・・悪かったな・・・」
俺はトゥニトゥラを倒したことを謝る
「いいんですじゃ・・・これはトゥニトゥラさまが望んだこと
それに一番悪いのは黒の騎士団たちです・・・」
と商人は言ってくれた
その言葉を聞いてトゥニトゥラが言っていたこと思い出した
(確かトゥニトゥラは自分の持っていた伝説の武具を
死んだ友人に渡したと言っていた
そしてそれは黒い大剣だったと・・・・・
もしそれが本当なら黒騎士の正体は・・・)
俺は黒騎士について考え始めていた
(・・・確かその友人は悪魔と戦って死んだと言っていたな・・・)
俺は街に帰って調べることにした
(・・・トゥニトゥラ・・・きっとお前の仇は取ってやるからな・・・)
俺たちは急いで街に戻り
情報を集めに向かった
俺たちは図書館で黒騎士のいた国がどこにあるのか調べていた
「・・・ダメだな・・・悪魔と戦った国はいくつもある・・・
その中で黒騎士のいた国を見つけるのは困難だな・・・」
とウインレチアは本を閉じて言った
「ああ・・・だがしらみつぶしに探すぞ・・・」
俺たちはその後も必死で情報を探す
だがその甲斐もなく
どこが黒騎士のいた国だったかは絞り込めなかった
「ハァ〜・・・結局わからずじまい・・・か」
俺はそう言ってみんなの方を見ると
意気消沈していた
諦めて家に帰ることにした俺たち
そして家に帰ってみると
「ただいま〜」
「おかえり〜お邪魔してるよ〜」
リグヌムが家で寛いでいた
「・・・いや何でここにいるんだよ!!
しかもめっちゃ寛いでるし!!」
とリグヌムにツッコむと
「いや〜君達が黒騎士について調べてるって聞いて〜
何か力になれればな〜・・・って」
とリグヌムは言った
「力にって・・・!」
俺はそう言いながら一つ思いついた
「だったらトゥニトゥラが昔暮らしていた国について知ってるか?」
と俺はトゥニトゥラが昔暮らしていた場所を聞いた
なぜこんな質問をしたかというと
トゥニトゥラは黒騎士と友達だったと言っていた
つまりはトゥニトゥラの昔いた場所の近くに
黒騎士のいた国があったと言うことだ
そう思ったからこそ俺はリグヌムに聞いたのだ
するとそれを聞かれたリグヌムは
「う〜〜〜ん」
なぜか頭を悩ませていた
「もしかして知らないのか?」
と俺が聞くと
「いや〜・・・トゥニトゥラくんは各地を転々としていたから〜
別にちゃんとした住処とかないんだよね〜・・・」
とリグヌムは答えた
「そうか・・・」
それを聞いた俺はうなだれた
ここで黒騎士の居場所がわかるかもしれないと思っていたが
どうやら人生はそんなに甘くなかったらしい
そんな感じで絶望していると
「ああ!でも〜すごい長い期間滞在した場所が一つだけあるよ〜」
とリグヌムは最後の希望を言った
「本当か?!それはどこだ?!」
その後リグヌムに場所を聞いた俺たちは
リグヌムが言っていた場所に向かっていた
「しかし・・・黒騎士という男・・・
ますますわからなくなってきたわね・・・」
とアウレアは言う
「どういうことだ?」
俺はその言葉の意味を聞いた
「だって黒騎士ってその戦いで死んだんでしょ・・・
それにたとえ生きていたとしても
過去には人々のために戦ったのよ・・・
それが今は人間を滅ぼそうとしている
・・・どうして?」
とアウレアは言った
確かに不思議ではある
なぜ黒騎士は生きているのか?
なぜ黒騎士は人間を滅ぼそうとしているのか?
そしてその答えはおそらく俺たちの向かう場所にあるはずだ・・・
「ここが・・・黒騎士にいた国か・・・」
俺たちはリグヌムに言われた場所に着くと
そこには・・・
「この惨状は一体?」
荒れた土地に壊れた城
その場所は完全な廃墟となっていた
「これって黒騎士の戦った悪魔がやったってこと?」
とアウレアは言うが
(おそらくだが・・・これをやったのは別の奴だ・・・)
と俺は思った
なぜなら瓦礫からは何かで切り裂いた後しかなかったからだ
つまりこれをやったのは・・・
(・・・黒騎士・・・)
その後も俺たちは廃墟の中から何かでてくるかもと思い
色々と調べてみることにした
(しかし・・・なぜ黒騎士はこんなことをしたんだ・・・)
俺は瓦礫を探りながら考えていた
トゥニトゥラは黒騎士のことを
国を守った英雄と言っていた
だが実際は国を滅ぼしたのは黒騎士本人
明らかに食い違いがあった
「これは・・・どういうことだ?」
俺が不思議に思っていると
「それにしてもこの国・・・ほとんど何もないね〜」
とルーブルムが言った
「どうしたんだ?急に」
俺はルーブルムに言ったことに
疑問を持った
なぜならここは黒騎士によって全部壊せれているのだ
むしろ無事で何かあるほうが奇跡だろう
と思っていると
「違うよ〜建物とかの人工物の方!」
とルーブルムは怒る
それを聞いて俺は周りを見ると
確かにそれを感じた
建物の数は村ぐらいの数で
国の面積と比べて明らかに少なかった
「ここは開拓の途中だったのか?」
と俺が考えていると
「いや・・・どうやらこの国は衰退の一途をたどっていたらしい」
とウインレチア言いながらが何かの本を持って近づいてきた
「それは?」
俺は持っている本について聞くと
「ああ・・・さっき城の跡地で拾ってきた
どうやら王の日記のようでな持ってきてみた」
とウインレチアは答える
俺はその本をもらい中に書いてあることを読む
そこにはこの国にあったこと
この国の事情なんかも書いてあった
そしてそこには衝撃の事実も書いてあった
『この国は土地も大きいが
住んでいる民は少なかった
だがこの数でも国としてはやっていける』
『どうやら遠い国で魔王が目覚めたらしい
そして悪魔たちがいろんな国に攻め込んできているようだ
この国にもいずれ来るのだろうか?』
『とうとうこの国にも悪魔がやってきた
残念だが我が国は悪魔と戦える者などいない
このまま国が滅ぶのを待つだけだ・・・』
『この国に英雄が舞い降りた!
その方は黒い鎧を身に纏い
大きな黒い大剣で悪魔たちを倒してくれた
この方こそ英雄だ!!』
『どうやら魔王は封印され戦争は終わったようだ
だがこれで我が国も救われた
そしてこの国を救ってくれた黒騎士さまを英雄として
我が国では語り継いでいくだろう』
『悪魔に襲われて早数年
我が国は衰退して行った
理由は悪魔の襲来だ
そのせいでこの国に悪魔がまた来るのではと言って
新しい入国者も・・・今いる入国者も逃げて行った
このままでは我が国は滅んでしまう』
『大臣たちと会議した結果
我々はこの国に悪魔が来たことを
なかったことにすることにした
だが一つだけ不安なことがあった
あの黒騎士だ・・・
もしあの黒騎士が悪魔のことを話せば
ここに来る入国者はさらに減るだろう
そこで我々は黒騎士を悪魔との戦いで死んだことにして
この国から追放し暗殺することにした』
「なるほどな・・・」
日記を見た俺はなぜ黒騎士が
人間を滅ぼそうとしたのか理解できた
「ひどい・・・国を救った英雄を殺そうとするなんて・・・」
プレシカは信じられないといった顔をしていた
「・・・どうやらここで日記は終わっているな・・・」
と日記を読んでいたウインレチアは言う
「そうでしょうね・・・何せ暗殺しようとして
結果・・・国を滅ぼされたんだから・・・」
とアウレアは廃墟となったこの場所を見ながらいった
「・・・これが黒騎士の過去か・・・」
俺がそう言った瞬間だった
「なるほど・・・俺の過去を知ったか・・・」
「「「「「「「?!」」」」」」」
俺たちは突然後ろから声がして振り返ると
そこには・・・
「黒騎士・・・!」
黒騎士がいた
「どうしてここにいるんだ?」
と俺は黒騎士に聞くと
「ここはトゥニトゥラと・・・友と出会った場所だからな」
黒騎士は空を見上げながらそう答えた
「ならなんであんなことをしたのよ!!」
とアウレアは激怒する
「・・・・・」
だが黒騎士は黙っていた
「あんたは友達のことを操って
そのせいでトゥニトゥラは死んだのよ!!」
とアウレアは叫ぶが
「・・・・・」
黒騎士は未だに黙ったままだった
しばらくして
「友を無くしたことは悲しく思う・・・
だが大いなる使命のためにはどんな犠牲を払おうと構わん
・・・たとえそれが友だったとしても・・・」
と黒騎士は言った
「あんた・・・!!」
アウレアは怒りに任せて突っ込もうとしたが
「アルバ?!」
俺がすんでのところで止めた
「どうして止めるのよ?!」
とアウレアは聞いてくる
「こいつとは・・・俺が決着をつける」
俺はアウレアに言った
たとえ誰であろうと奴との戦いを譲るわけにはいかない
「ふっ・・・確かに俺に勝てる奴がいるとしたら
お前を置いて他にはいないな・・・白騎士・・・」
黒騎士はそう言って俺を睨む
「お前を倒してトゥニトゥラの墓の前で懺悔させてやるよ・・・」
俺は黒騎士を睨みながら言った
「・・・まぁいいだろう・・・」
黒騎士はそう言って後ろを向き
「すぐに俺たちの戦いは始まる・・・
それまで・・・せいぜい残りの人生を楽しむがよい」
そう言って黒騎士は消えていった
「俺たちも帰るか・・・」
俺たちもその場所を離れて家に帰るのだった・・・
黒騎士の過去がわかりいよいよ決戦の時が近づく!!
次回、移動要塞




