聖なる力
今回は聖獣に会いに行きます
ネガティブなあいつが戻ってくる!
俺は黒騎士を倒すために
奴の鎧を超える武器を探していた
そして協力を申し出てくれた
ギルドのマスターに俺は会いに来ていた
「ごめんなさいね〜・・・
今のところ情報といった情報はないのよ〜」
マスターは申し訳なさそうに言う
「気にしなくていいよ!
最初から夢物語みたいな話だしな」
俺は気にしないように言う
(だが・・・困ったな・・・)
あれから結構な月日が経った
おそらくあいつらも準備を整えているだろう
また何かやってきてもおかしくない
奴らが動くよりも先に
黒騎士を倒す手段が欲しかったのだが
そんなことを考えている時だった
「そうだ!だったら聖獣に会ってみたらどう?」
とマスターが言った
「聖獣?・・・」
聖獣とは聖なる場所で
聖なる力を得て進化したモンスターだ
(だがそれに会って何の意味が?)
俺は聖獣に会う事と黒騎士を倒す手段との
繋がりがるのか疑問に思うと
「聖獣たちなら失われた武具や
力の事を知っているかもしれないでしょ」
とマスターが言う
「!」
それで俺もようやく納得が言った
聖獣は聖なる場所で聖なる力を得た者達なら
俺が欲しい情報を持っていてもおかしくない
おまけにそいつら自身が何か力を持っているかもしれない
「なるほどな・・・聖獣に協力を求める・・・か
考えてもなかったな・・・」
俺はそう素直に言うと
「そりゃそうよ!聖獣自体は伝説の武具より
存在を確認されているけど
実際に会って話せる人なんてそうそういないわよ」
とマスターが言う
確かに聖獣は他のモンスターとは別格
しかも話のわからないやつならやられてもおかしくない
そういった意味では魔獣と大差ないこともある
「とりあえず会ってみるか・・・」
会ってみないことには始まらないそう思った俺は
「聖獣ってどこにいるんだ?」
マスターに居場所を聞いて見る
「さぁ?・・・」
だがマスターは知らなかった
「(ズコッ!)ちょっと待ってあんたが会ってみればって言ったんだろうが!!」
と俺がツッコむと
「いや〜そういった情報は集めてなかったから〜」
とマスターは頭を掻きながら言う
(おいおい・・・どうすんだ・・・)
俺はどうするか考えていると
「てか居場所なんて聖獣本人に聞いてみればいいじゃない」
とマスターが言う
「何言ってんだよ・・・聖獣なんて知り合いに・・・!」
俺は思い返したときに一体だけいた
海の神殿にいるフルクトゥスだ
やつも聖獣の一体なら仲間の一人も知っているかも知れない
そう思った俺は
「ありがとうマスター!!」
ギルドを後にして早速フルクトゥスに会いに行くことにした
「・・・で海の神殿に行くことになったと」
今までの話を聞いたアウレアが言う
「でもフルクトゥスも仲間の居場所を知らなかったらどうするんだ?」
とウインレチアに聞かれ俺はハッとなった
(そういえばそれを考えてなかったぁぁぁぁ!!)
俺は急ぐあまりフルクトゥスも知らないという可能性を見落としていた
「その様子を見るに考えていなかったな・・・」
俺の表情を読んで図星をついてくるウインレチア
「ぐっ!!」
思わず図星をつかれて心に刺さる
「だっ大丈夫だよアルくん!
きっと知ってるって!!」
とルーブルムが俺を慰め
「そうですよ!
会ってみないとわからないじゃないですか!!」
とカエルラに励まされる
「ルーブルム・・・カエルラ・・・・
わ〜〜〜〜ん!」
俺はその優しさに思わず
「「キャッ!」」
ルーブルムとカエルラに抱きつく
「アッアルくん?!」
いきなり抱きつかれたルーブルムと
「アアアルバくん?!」
同じく抱きつかれたカエルラは顔を赤くする
二人は息を落ち着かせて
「大丈夫だよアルく〜ん」
と俺の頭を撫でる
それを見ていた他のメンツは
「・・・・・」
なぜか羨ましそうに見ていた
「・・・あっ!見えてきたわよ」
そんなことをしているうちにようやく
海の神殿についた
「ここに来るには久しぶりだな〜・・・」
前回ここに来た時は船の練習の時だった
(てか・・・えらい目に遭わされたな・・・あの時)
<その時のことは”束の間の休息と旅立ち”を見てね!!>
そんなことを思い出しながら神殿に入るとそこには
「ハァ〜・・・どうせ僕なんか只のモンスターなんだ
しかも魚のモンスターなのに追い出された
哀れな聖獣なんだ・・・ハァ〜・・・」
元のネガティブに戻っていた
「いや!この前までのお前はどこに行ったぁぁぁぁぁ?!」
「お前この前はあんなに生き生きしていたじゃねぇかよ?!」
俺は前に会った時と違うことにツッコむと
「あれ〜・・・君たちは・・・
この前の僕はどうかしてたのさ・・・
それで?・・・こんな出来損ないの僕になんか用ですか?・・・」
と聞かれる
「あ・・・ああ実はお前に
他の聖獣たちの居場所を教えてもらいたいんだ」
と用件を伝える
するとフルクトゥスは
「聖獣?・・・そんなの僕に知るわけがないじゃないですか・・・」
とすごく不貞腐れたように言った
(こいつ!・・・面倒クセェェェェェ!!)
俺はこいつの今の状況にイライラしていた
「ああ・・・でもこの前に聖獣の同窓会で会った奴が
近くに引っ越してきたって言ってましたよ・・・」
とフルクトゥスは思い出す
(・・・えっ?・・・聖獣って同窓会あるの?・・・
てか引っ越しって何?・・・)
俺は何か不可解なことを聞いてしまった気がするが無視して
「それってどこって言ってた?」
居場所だけを聞くことにした
「確か・・・皆さんの大陸の南にある古い神殿を
改築してそこに住むって・・・」
フルクトゥスは居場所を言う
「南だな!わかった!!」
居場所を聞いた俺たちは
急いで向かうことにしたのだが・・・
「南の神殿・・・ちょっと厄介ね・・・」
と港に戻ったアウレアが顔をしかめる
「何かあるのか?」
俺が聞くと
「南の神殿に行くには山岳地帯と砂漠を通らないといけないんです」
後ろからプレシカが説明してくれた
(山に砂漠か〜・・・これは大変そうだな・・・)
どうやら今回の旅は長くなりそうだった
「なので今日は帰って街で準備をしないと」
とプレシカは言う
それを聞いた俺たちは一旦街に帰ることにした
街に帰ってきた俺たちは早速必要なもの集めに行った
「山を越えるには夜を過ごす為のテントと暖のとれるもの
砂漠越えに必要なのは水を入れておける水筒と日差しを避ける服です」
プレシカは必要なものを言って俺たちはそれを探す
「水筒やテント自体は簡単だけど問題は服と暖のとれるものの方か・・・」
なぜ服の方が重要の位置にあるかと言うと・・・
(俺のサイズ・・・・・ないんだよね・・・・・)
そんな服屋に行っても俺用のサイズはなかった
この世に絶望しかけた時だった
「だったら私がアルくんのを作ります!!」
とルーブルムが宣言する
確かにルーブルムは俺のサイズを知っていて
実際に俺の服を作っていた
「じゃあ・・・お願いします・・・」
俺は服の件をルーブルムに頼み
別の店に向かった
(必要なものは買ったが・・・
いざという時の為に何かあったほうがいいよな・・・)
そう思った俺は色々なものを買い足していた
「これで準備は終わったかな・・・」
買い物を終えた俺はルーブルムたちと合流した
「では早速出発しよう・・・」
俺たちは馬車に乗り南に向かう
しばらく南に進むと山が見えてきた
「あれが一つ目の難関か・・・」
その山はあまりに大きくおそらく
向こうに行くためには数日はかかるだろう
「山は天候が変わりやすい為に越えるのに時間がかかってしまいます」
とプレシカが説明する
だが・・・
「どうあら天候だけが敵じゃないみたいだな・・・」
山に入るとすぐにモンスターたちが襲い掛かってきた
「なるほどね・・・モンンスターにも気をつけながら
行かないといけないわけね!」
とアウレアは状況を察した
「ああ・・・しかも彼らの方がここは知り尽くしている」
とウインレチアは説明する
今出てきたモンスターたちはここの出身
つまり俺たち以上にここを知り尽くしているわけだ
「みんな!あまり離れるなよ!!」
俺はみんなにそう指示して戦闘を開始する
相手は猿のようなモンスター
素早い動きでこっちを撹乱してきている
それに対応するのはヴィリディだった
「・・・逃がさない・・・」
ヴィリディは猿のモンスターを次々倒していく
だが俺はその光景を見て不思議に思っていた
(妙だな・・・何故突っ込んでこない?・・・)
そう奴らは攻撃こそしてくるものの
後ろに下がって距離を取り続けている
(・・・まさか?!・・・)
俺は急いでヴィリディの元に行き
「?!」
ヴィリディを担いで下がる
「・・・どうして?・・・」
ヴィリディは俺の行動を疑問に思うが
次の瞬間にはそれを察した
「何よ・・・あれ?!」
猿たちが向かっていた方には巨大なイノシシがいた
そう猿たちは自分たちだけで襲ってきたように見せかけて
俺たちをこいつのところに誘導していたのだ
「なるほど・・・あれがこの山の主か!」
俺はその風格からこの山の主だと判断した
「どうするの?!」
とアウレアが聞いてくる
俺は馬車から飛び降りて
「もちろん・・・倒す!!」
と答えながら構える
「みんなは離れていろ!!」
俺はみんなに離れるよう言って
イノシシと一騎打ちをする
俺を見たイノシシは一目散に突っ込んできた
「おらっ!!」
俺はそいつの牙を掴み踏ん張ろうとするが
「くっ!!雪で滑る!!」
雪の上なので踏ん張りが効かず押される
「だったら!!」
俺は力強く地面を蹴り
雪に深く足を刺す
これにより踏ん張りが効くようになった
「このまま!・・・ぶっ飛べぇぇぇ!!」
俺はイノシシを投げ飛ばした
木に命中したイノシシはそのまま倒れ
それを見た猿たちはどこかに逃げていった
「ふぅ〜・・・なんとかなったな・・・」
と一息をついた時だった
「ん?・・・なんだこの音?」
山の上から大きな地鳴りのような音が聞こえてきた
気になって頂上の方を見ると雪崩が起こっていた
「・・・なんで?・・・」
俺は雪崩の原因を考えてみる
「・・・あっ・・・あれか・・・」
俺はさっきの足を雪に刺したことを思い出した
どうやらその時の衝撃で雪崩が発生したらしい
原因がわかってスッキリするが
それどころではなかった
その雪崩は目の前まで迫っていた
(やばっ!!)
俺は咄嗟に剣に魔力を込めて雪崩を切り裂く
すると雪崩は見事に真っ二つになり止まった
「・・・なんか・・・俺の方が天災な気がしてきた」
その後俺はみんなと合流し登山を再開した
雪崩とか嵐とかより主人公の方が強い気がする・・・
次回、汚されし聖獣




