忘却のクロノス・フロスト(修正版
その時空の神は力を行使する代償として記憶を喰らった。時間と空間を移動した者の記憶の一部を抹消し、また、その者のことを記憶する者はいなくなってしまう。
気付けば異世界に転移し、元いた世界のことはおろか、自分の名前さえも曖昧になっていた。その世界で魔王討伐を目的として人体改造の実験台にしてくる少女にぼんやりと言いなりになっていたが、段々と自由への欲求は高まり、彼は脱走を決意する。
研究施設を出て、極寒凍土の最果てを彷徨った末に、彼は一人の少女と出会い、生活していくうちに失われた記憶を思い出していくが――――
それは、決して元の世界の記憶などではなく深層心理の奥底へと封印したおぞましい世界の記憶だった。
気付けば異世界に転移し、元いた世界のことはおろか、自分の名前さえも曖昧になっていた。その世界で魔王討伐を目的として人体改造の実験台にしてくる少女にぼんやりと言いなりになっていたが、段々と自由への欲求は高まり、彼は脱走を決意する。
研究施設を出て、極寒凍土の最果てを彷徨った末に、彼は一人の少女と出会い、生活していくうちに失われた記憶を思い出していくが――――
それは、決して元の世界の記憶などではなく深層心理の奥底へと封印したおぞましい世界の記憶だった。