95 奇襲作戦
迷彩服を身にまとい、俺たちは駆けていく。まだ敵に動きはないようだ。
敵陣に到着。腕が鳴るな。
指で3、2、1とカウントする。同時に出るぞ。時間もちょうどだ。
俺たちは太陽を背負って立つようになるから、逆光でかなり見えづらいことだろう。
「はぁっ? どこから出てきた!」
ちんたら作戦会議なんかしてるからだろ。もうこっちは、動いてたんだよ。
「まだ作戦会議の時間だろう!」
ふふふ、と笑いながらイアは銃を構える。支給されたのはマシンガンと拳銃。今はマシンガンを使っている。
「一体いつ、作戦会議のときは動いちゃダメって言われたの?」
正確無比にゴム弾を額に撃ち込む。まだ動こうとするから、下に降りて銃でこめかみを殴る。殺さねぇってのは面倒だな。
「さぁて暴れますかね」
歌うようにそう言って、ごく自然な動作でテントに歩み寄る。すぐに敵が出てきて、イアを狙う。そして一瞬で、敵は頭部にゴム弾を食らって倒れる。
後ろから援護をしたのは、俺じゃない。ふわふわした雰囲気のいい人オーラ全開の男だ。確か、3つ上のウィルだったか。
二等兵だ。まぁ今回の訓練は全員二等兵だしな。
「おーありがとウィル」
「どういたしまして」
イアにも大して動じず、ウィルは普通に微笑み返す。まぁこの人選、動じなかった人間ばっかりだしな。あのとき見て決めたのは、それだ。
「あと89人」
イアは楽しそうに、獰猛に笑う。




