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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第一章
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4 帰宅前の一仕事

「やっ、やめてくれ! その金がないと……」

 それに続く陳腐な言葉は聞かずに、脳天に一発鉛弾を撃ち込む。レジの中とか棚とか、ありがちな場所を探す。見つかった袋の中身を数えて、心の中で微妙だと呟いた。

 ……明日のご飯くらいは買えるかな?


「ただいまー、ノーラ。みんなは?」

 昔よりしわの増えた、でも綺麗な女が振り返る。ノーラは私たちの母親……のような人。私は15年間お世話になってる。つまり産まれてからずっと。

「チビも小学生も寝ちまったよ。両方あんたと遊びたがってたから、明日にでも遊んであげな」

 0〜5歳チビと、 6〜12歳(小学生)、そして私たち15歳(年上)を合わせると、その数は30人。

 小学生が一番多くて16人で、チビは8人、私たちは6人だ。

「分かった」


「おやすみ、イア」

 お金を渡したり話したりした後、ノーラは階段を上がって2階の自室へ帰った。入れ違いにリィが来る。

「リィ」

「遅かったな。大丈夫か」

「いつもより多目にってきた。何人かにはばれたからったけど」

「そうか。何日分だ?」

「せいぜい3日? このままじゃ全部で4日くらいしか持たないね。早く仕事もらわなきゃ」


 仕事(暗殺)に躊躇はない。一番戦闘能力のないリサだって、10人以上は殺ってる。私やリィは……まぁ、言うだけ野暮だね。

「ああそうだ、イア。チビと小学生、が……」

 リィの声が途切れる。そして、リィと私は同時に扉を見る。

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