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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第三章
32/262

31 騒いだって……

「ただいまー。リサ、ちょっといい?」

「ええ、なに?」

「王さま呼んで。解毒剤もお願いして。医者も」

「え、なによ。どうしていきなり」

「毒を食らって2人とも死にかけてるだけだ。連絡を早く」

 一応端的に状況を説明しておいた。余計混乱させちまったが。

「だけっ!? どこがよ! ああもう分かったわよッ、国王ね?」


「おいリィ、イア! どういうことだ今の!」

 パーシーが血相を変えて駆け寄ってくる。聞いてたのか。

「大丈夫だよ、チェンバレンは殺したから」

「そんな問題じゃねぇだろ!」

「パーシー、騒がないで。孤児院の全員に、私たちの仕事を教える気?」

 なんでそんなに落ち着いてるんだよ、とパーシーは力なく呟いた。

 死ぬときは死ぬからな。でも別に、諦めたわけじゃない。ただ、ジタバタしても意味がないって分かってるからだ。


「騒いで状況がよくなるのか」

 イアも同じ考えだから、落ち着いている。でも、瞳は生命力を宿していて、諦めていないことが分かる。

「そりゃ……そうだけど! でも、」

「イア! 大丈夫か!?」

 パーシーの言葉をぶった切って、イアを呼ぶ。膝から崩れ落ちそうになって、慌てて支える。

 くそ、俺もあまり力が入んねぇ……! 意識は鮮明だ。あと何時間、息が持つ?


「呼んだわよ! 30分くらいかかるって!」

「リィ、イア!」

 ラーフも走ってくる。

「ナタリー、イアを運んでくれ。部屋に」

「分かった!」

 パーシーが俺を運ぼうとしたが、肩だけ貸してもらった。

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