29 本当に、クズ?
今30万ポッドの勝ち。チェンバレンはニヤニヤと笑っている。そろそろ、行く? ジェフに視線を向けると、軽くうなずかれた。
「ミスター・チェンバレン。ミモザはいかかです?」
「ああ、ありがとう。ちょうど喉が渇いてきたんだ。……君、初めて見るね」
「はい。3日前からこちらで働かせていただいております」
「名前は?」
「ジョシュア・ファガトです」
しつこいな。早く飲んでよ。
「君、いるかい? これ」
いや毒入ってるんでいらないです。
「お心遣いいただきありがとうございます。ですが、僕はまだ17歳で」
「そうか。残念だ。では、私がいただこう」
とっとと飲めってば♪
「……ふむ。どうやら、大丈夫なようだ」
「なにがでしょう?」
「いや、すまない。一瞬、君が私を殺そうとしていると思ったんだ。だが異変はない……思い違いだったようだ、すまない」
といいつつ、相場より高くチップをくれた。わーいラッキー。
……じゃない。この人、ホントにクズ? この僕の演技を見破るなんて。
「あ、すまない。指先が切れてしまった」
「いえ、問題ありません。よくあることです」
紙幣を渡すときに、指先を掠めたらしい。毒を塗ってるような痕跡はないし、大丈夫だろう。
ただ、少し違和感。次にミモザを持っていったジェフの指先もまた、紙幣が掠めて切れた。よくあること、だけど……。なんか、おかしいよね?




