25 ジョシュ&ジェフ
「え、イア……?」
「うん。そうだよ。でも、今の僕はジョシュア・ファガト。どうだい? その辺りにいそうだろ?」
面食らった顔のラーフに笑ってみせる。やや銀色がかった金髪に、緑色の目。天使のイメージでメイクしてみた。
「おいイア……。じゃないジョシュ」
ジェフェリーが男子部屋に入ってきた。赤い髪に紺色の目。落ち着いた、知性的な少年にした。本来の雰囲気と近い方がいいからね。
「なんだい、ジェフ」
「これに、慣れろってのか」
「君のはあまり性格も変わってないだろ?」
「えっと……。ジョシュ?」
「なんだい?」
「どの仕事をするつもりなの?」
「一応、ウェイターかな。飲み物を運ぶだけ。これから面接だよ。ジェフ、上手く笑ってくれよ。愛想よくな!」
「うるせぇ」
アルバイトの内定からもらわないと。というわけで、僕たちは「カジノフューガン」に行く。
「フューガンね。いい名前だよね」
「『命賭け』の主人公だな。さすがカジノだ」
『命賭け』はカジノのディーラーの物語。あまり古い本じゃない。20年くらい前の本だ。
「さぁ、行くか」
「そうだね。時間に遅れそうだ」
「ああ、君たちか。ようこそ、カジノフューガンへ」
入ってすぐのところで、支配人が待ち構えていた。笑顔で握手をする。
「はじめまして、支配人。僕はジョシュア・ファガトです。ジョシュとお呼びください」
隣を見れば、滅多に見られないリィの笑顔があった。リィじゃなくてジェフだけど。
「ジェフェリー・パガッタです。ジェフとお呼びください」
「ジョシュ、ジェフ。君たちはウェイター志望だったね。……うん、いいだろう。2人とも接客は得意そうだね。4日後から、よろしく頼むよ」
すっごくあっさり決まったなー。まぁ手間取るよりマシ。嫌な予感もなかったしね。
「働き始めるの、楽しみだね。ちゃんと笑顔でやるんだよ? ジェフ」
「……善処する」
「それ言うとき、大抵ちゃんとしないだろ」
4日後。さて、チェンバレンは現れるかな。なるべく早めに来てね。




