22 普段から仏頂面の人が怒ると、さらに怖い
リークスがお怒りのようです。※唐突なコメディ回
怖っ。リィ怖っ。なにその笑顔。怖っ。目が据わってるんだけど。怖っ。
「なぁ、国王」
声低いって! 怖っ。
「いや、待てリークス。これは作戦ミスをしたお前たちの……」
それが正論です。小さくうなずいておく。王さまが若干ホッとした顔をする。まぁそうだよね、リィ怖いよね。
「あぁ?」
怖っ。
「リィ? そろそろ、落ち着いてー」
「てめぇもてめぇだろうがイア! どこが安全だこの野郎!」
「私は野郎じゃない……いやなんでもないごめん。心配かけたのは悪かったけど、でも王さまを責めることじゃ」
「じゃあてめぇを責めたらいいか? あぁ? 治るまでに2週間だぞ2週間!」
「ごめんってばー!」
怖いってばー! やめてよリィが怒ってんの苦手なんだって話通じなくなるから!
「過保護だな……」
「王さま? 変なこと言わないでリィがさらに怒る……怒ってる! 怒ってるから!」
怖っ。リィさらに怒った。怖っ。そろそろ角が生えてくるんじゃ……。怖っ。
「じゃあてめぇは家族が全治2週間のケガして平然としてられんのか? おい」
家族。ちょっと嬉しくなって、あ、そんな場合じゃないやと思い出す。
「いやそういう問題では」
と、パーシーが少し引き攣った笑顔を浮かべつつ仲裁に入る。……遅いよパーシー!
「ま、まぁ……。なんだ、その。……話、進まねぇから落ち着こうぜ?」
さて、リィの反応は……。怖っ。なにその急激な無表情。怖っ。パーシーがとうとうナタリーの後ろに隠れたけど!? ねぇ目つき! 目つきヤバイって!
「イアータ……。どうにかできないか」
「無理、怒られる。本気で怒ると怖いんだって!」
「そこをなんとか」
「殺されるから! もう私は学習してるんだよ! いやホント、10歳のときに……。ああ嫌な思い出が……」
「……だ、大丈夫か? イアータ。顔色が……」
「あは、あははは。だ、大丈夫だって。決して思い出してまだ怖いとかそういうわけじゃ……いや確かに私が悪かったって、でもそこまで怒らなくても。別に死んでないんだし。けがはしたけど1か月で治るらしいし……だから怒らないでー!」
イアータ錯乱……。
怖っ×10回、怖い×4回。珍しい2人の様子が見られましたね(;^ω^)




