表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
兵士編 第四章
222/262

219 休日キタ――!

「リィ、遊びに行こう!」

「……はぁ?」

 苦虫を噛み潰したような顔でそう言われても、私は表情を崩さず話しかけ続ける。

「いいからさー、行こうよー」

「なんだよ、いきなり。服はこの前買ってやったろ」


 いつもの風景だとばかりに、リビングにいるレイジとカノンはなんの注意も払わない。

 ……そういえば、あの2人ってどんな関係なんだろう? あの2人はあの2人で、独特の空気感があるんだよね。

「で、なんでまた」

「これ見て」

「あぁ?」

 目の前に差し出したのは雑誌。カフェなんかを中心に扱っているものだ。


「……ああ、ここ行きたいのか」

「せーかいっ」

 最近オープンしたカフェ、『リリー』に行きたい。

「見てよこれ、絶対美味しいって」

「パンケーキくらいカノンに作ってもらえ。シェーラもいるだろ」

 カノンはお菓子を作るのが上手い。それは知ってるし、シェーラももちろんお菓子くらい作れる。


「いや、こういう添加物たっぷりなのも美味しいじゃん? カノンとシェーラのはもちろん相当美味しいんだけど、身体にいいでしょ!」

「意味分かんねぇよ! なにをどうしたいんだ、なにを!」

「ほら、あの明らかに添加物まみれのお菓子が恋しくなる瞬間あるでしょ。それそれ」

「分かったような……分かんねぇような……」

「まぁなんでもいいから一緒に行こうよ!」

 リィがいないと注文すらまともにできないんだって! 人見知りなんだからさ、私。


「あーもう、分かった。行けばいいんだろ、行けば」

「そうそう! ほら、支度して! 行くよー」

「落ち着けバカ。だからバカなんだ、バーカ」

「そこまでバカと言われる筋合いはない!」

「いや、お前バカだぞ」

 なぜか昔から、リィは私をバカだと認定している。他人には「バカ」とは言わない。愚かとか頭悪い、ならあるけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ