表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第二章
16/262

15 初仕事 6 チェックメイトなんで、諦めてもらえる?

「大変です! 向こうに、真っ黒なカバンが置いてあって!」

 キリアイアは色仕掛けでいくって言ってた。でも、私は無理。したくないし。というわけで、不審物発見にした。

「なに!? どこだ」

「こっちです!」

 顔面蒼白に……と。若干青白く塗って(化粧して)おいてよかった。イアみたいに顔を赤らめたり血の気を失わせたりなんてできないもの。


「こんなところに、か?」

 連れ出したのはほとんど人が通らない廊下。確かに、こんなところに仕掛けてもダメだよね。でも大丈夫、安心して?

「不審物なんて、ありませんから」

 頬に生温かい感触。あー、嫌だ。どうやったら血を避けられるんだろう。帰ったらリィに教えてもらおう。


「よぉ、ナイトラーフ。時間ピッタリだ」

「そりゃよかったよ、ビショップパーシー

 パーシーからローブとインカムを受け取る。よし、演技終了。

「あはは、マジで普通に女子」

「……なんか言った?」

「なんでもなーい」


グランドマスターリサよ。ナイト、ビショップはそこから左に行ったところ、東階段を使って3階へ。応接間から入って寝室に行って。殺すのはあんたたちよ。他は脱出経路の確保中』

「ナイトより。注意事項はある?」

『窓を割らないで。警察に通報が入るわ』

「了解」

「ナタリーが割ってなきゃいいな……」

 心配そうに言うお母さんもといパーシー。言霊って言葉知らないの?

「ビショップ、言ったらホントのことになるよ」


 応接間から寝室へ通じるドアのロックは、既に解除されていた。リサ、手際いいなぁ。

「だ、誰」

 誰だ、と言おうとしたのか、誰か、だったのかは分からない。その前に殺しちゃったからね。パーシーが銃で脳天を一撃。枕に血が染み込んでいく。あー、血の匂い。よく嗅ぐよ、この匂い。

「せめて懺悔の時間くらい、いるんだったか?」

「チェックメイトされて、時間があるとでも?」

「そりゃそうだな」

 グランドマスターリサに呼びかけようとした瞬間、先に通信が入った。


『護衛がそっちに向かってるわ! なんでよ、攪乱したのに……!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ