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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第二章
13/262

12 初仕事 3  潜入開始

「ああ、あなたたちですね。えっと……キリアさんとメイさん?」

「はい。よろしくお願いいたします」

 イアのお辞儀に合わせて、私もお辞儀する。

「よろしくお願いいたします」

 とび色の髪に金茶色の瞳の少女は、にこやかに笑った。

「こちらこそ、よろしくお願いします。じゃあ、説明をするからついてきてください。あと……一度で覚えてくださいね」

 敬語だけど古株なのかな……? でも、そんなに歳は変わらないよね?


「ああ、私は家女中ハウスメイド長のシェーラです。あなたたちと長い付き合いになれたらいいんですが」

 ほんの少しだけ寂しそうに、彼女は笑った。


「あの、少しいいですか」

 一通り説明を終え、会話が途切れた瞬間、キリア(イア)が口を開いた。

「はい、質問ですか?」

「失礼ですけど……シェーラさん、ご年齢は?」

「14です」

「えっ」

 私も思わず声を上げる。……1つ下だし!


「まぁ! すごいです、シェーラさん! そんなに若いのに」

「敬語じゃなくて結構ですよ。キリアさん、メイさん」

「そんなわけにはいかないですよ。自分より立場が上の相手に敬意を払うのは、当然でしょう? まして、そんなにお若いのにここまで上り詰めた方ですもの」

 キリアは天才だ。改めて、そう思う。シェーラはたぶん、若さのせいで多少なりともバカにされてきたんだろう。それを、屈託なく(表面上は)尊敬してくれる人がいる。かなりの確率で、心を開くだろう。


「……ありがとうございます。キリアさん。でもやっぱり、年齢って大きいですよ」

「じゃあ、こうしませんか?」

 私もなにか言わなきゃなぁ、とある提案をする。

「名前だけ、呼び捨てにしません? 私たちはシェーラと呼びます。あなたは、わたしたちをキリア、メイと呼んでください」

「いいわね、それ。どうですか?」


 ふわりと花がほころぶように、彼女は笑った。

「いいですね。そうさせてもらいます。キリア、メイ」

 ……よし、1人落ちた。これで仕事が楽になる。

もはや違和感がないラーフ。あれ、女子だっけ?

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