99 1年間の実戦
やっぱり本当に戦争が始まると、実力で階級を上げやすい。俺とイアの階級は、二等兵から少尉まで上がった。
たった1年でこの上がり方はまぁかなり不自然だから、なにか上の方の意図が働いているんだろう。セナだろうな。
なにかさせたいことでも、あるんだろうな。そうイアと話し合っていたら、見事に呼ばれた。的中。
「それで、セナ。私たちにしてほしいことって?」
「その前に言うことは?」
「言うこと? ああそうだね、昇進おめでとう、セナ大将」
「ついでに元帥の補佐にもなったらしいな。おめでとう」
「その補佐の情報はまだ流してないけど、まぁありがとう。まだ情報収集はしてるのかい」
大事なことだからねぇ、やめるつもりはないよ。
「はい、紅茶。今日はアッサムよ」
「ありがと、カータ」
戦地には赴かない史上最強の兵士カータ。宝の持ち腐れ感すごいけどね。でも、もう少し苛酷になったら戦地に出されるんだろう。
出し惜しみしてる場合じゃなくなったら、か。あー、そこを乗り越えられるかなぁ。
「で、お前たちにいい知らせだ。精鋭部隊を発足させる。正式名称は『特別選抜精鋭部隊』だ。隊長はリークス、副隊長はイアータに任せる」
精鋭部隊か。何人くらいの班だろう。あまり多いと、私たちは身動きできなくなるんだけど。やっぱり昔からのが染みついてるからね。
「詳しくはこの辞令に書いてるから。読んで判子な」
イアがセナの手からひょいと書類を取り上げて、素早く目を通していく。
最後に軽くうなずいて、胸ポケットからレーザー判を出してスイッチを押す。青色と緑色でイアの名前が捺される。
あの判子は、ないと不便だろうとセナに買ってもらったものだ。ついでに俺も。
「はい、隊長」
どこかからかうような口調で、副隊長は俺に書類を手渡す。




