夜のさんぽ
パジャマに着替えてベッドに入る。
毎朝バタバタするので、
夜のこの時間が癒しの時間。
お気に入りの雑誌、
お気に入りのアロマ、
お気に入りの小説、
お気に入りの照明、
お気に入りのぬいぐるみ、
ベッドのまわりをお気に入りで埋めつくして、
今日1日の疲れを取る。
ベッドに入ると自分の匂いがして、
仰向けに横になり、目をつぶると、
疲れて重たい体がベッドに沈んで行く。
どんどん、どんどん、どんどん、沈んで行くと、
いつの間にか自分の内側にたどり着く。
そこは自分の中の深い場所で木々が生い茂り、
月明かりが映っている青い湖がある。
そこは昔から私だけの癒しの空間。
今夜もそこでさんぽをするの。
裸足の私は水に濡れないように水際を歩くの、
誰にも邪魔されない自由な時。
縛られることが人一倍苦手な私にぴったりな場所、
すべてが自由で次元の高い場所。
でも私はまた元の世界に戻って来る。
私が生きているのは、肉体のある地球だから。
いつ眠りに落ちたのかわからない、
そしてお気に入りの雑誌は1ページも開かないまま、
また朝が来た。
今夜もさんぽに行こうかな?