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ども。異世界で店オープンしました!  作者: アウズ
第2章:日常からの一変
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5.見知らぬ道

ピピピッピピピッ・・・!


目覚ましの音が鳴り響く。

いつもなら不快な音だが、今日は天使の歌声の様に聞こえていた。もしくは、新しい冒険へ導いてくれる音色の様に。


屋根の上で鳴いている鳩の声を聞き流しながら、布団から出る。


途端に、冷気が体を覆った。


「さ、寒い・・・・・」


こんな日は部屋の外に出ることさえも憚れるが、今日だけは例外だった。


数分で朝食を済ませ、身支度をする。

開店は10時だから今からでも充分間に合う筈だ。


靴を履いて、外へ出る。

起きた時と同じ様に、冷気が体を覆い込んだ。


(やっぱり今日は寒いなぁ)


しかし、今日は無理にでも体を動かす覚悟でいた。早速ショップに続く道に足を向け、歩き始める。


そのショップは近いとは言えないが、遠いとも言えない中途半端な距離にあった。車だと30分。自転車で70分。電車で10分といったところだ。レノアは運動するのが嫌なため、電車で行く事にした。とういうか、今まで自転車で行った事が無いのだ。それ程運動が嫌なのだ。


家の最寄りの駅に着き、次の電車の到着時刻を確認する。あと、数分で到着らしい。


(今日は運がいいな〜)


幸先の良さに満面の笑みを浮かべ、改札を抜ける。階段を降りて、ホームに行くと、レノアと同じ電車の乗るつもりらしい人達が既に並び始めていた。


(あ・・・!早く並ばないと席が・・・!)


男子高校生なら潔く立っているべきだが、残念ながら、レノアはそんな体力と心を持って居なかった。


(自分の欠点を自覚していながら、直そうとせずにいるところも僕らしいというか何というか・・・。)


自分の弱さを感じ、少し俯いて列の最後尾に並ぶ。


すると、1分も経たない内に電車がホームに入ってきた。


電車が止まり、自動ドアが開くと、今まで止まっていた人達が動き出し、人の流れが生まれた。その流れに乗って電車の車内に入り込む。


空いている席があるか探してみると、運良く1つだけ空いていた。


(やっぱり今日は運がいいなぁ)


無意識に鼻歌をしてしまうレノア。

幸せを感じながら顔をあげると、周りのほとんど人が自分に視線を向けている事に気付いて、羞恥で顔を赤らめる。


目当ての駅に着くなり、小走りでショップに向かう。ここまで来れば、あとは1分歩くだけだ。


駅を出て、すぐ曲がる。

すると、いつも通る裏道が無くなり、その代わりに見知らぬ道が続いていた。


(こんな道あったかな・・・)


不安だが、ここを通らないと3倍の時間がかかってしまうので、仕方なく行ってみることにする。


まだ朝なので明るい筈だが、何故かこの路地だけが暗くなっている様に思えた。心なしか空気も重い。


歩いている道の両隣にはレノアの身長を超える壁があり、その向こうを窺うことは出来ない。


(すこし不安だけど、 この際気にしてなんかいられない。ゲームが僕を待ってるんだ・・・!)


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