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【箱】詩

甘い地獄

作者: FRIDAY

 

 それは何でもない日常


 手も足も思うままに自由に動く

 視界良好 鼻も利く

 耳だってよく聴こえている

 ただ誰もいない


 誰もいない

 私を知る者も 私の知る者も

 誰もいない


 それは痛みではない

 それは重みではない

 それは苦みではない

 それは痒みではない


 それは傷みでもない

 それは重荷でもない

 それは辛さでもない

 それは震えでもない


 ただそれは確かに存在していて

 触れることも

 掴むこともできないのに

 ゆっくりと締め上げてくる


 首を

 締め上げてくる


 胸を

 締め付けてくる


 形無いのに強く 強く

 息を詰まらせる


 痛くなんかないのに


 酷く 酷く

 耐え難くて仕方がない


 ずっと平気だったのに

 これからも平気なはずだったのに


 誰もいないここでは 決して満たされることはない



 どうやらそれは寂しさだった

 


 

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