第八話 帰還
セン・ハザート 主人公
スピング・キャルズ センと同じ訓練兵 怪力
ラファエル・ゾール 同じく訓練兵で、話す前に間がある
キエス・クリスティーン 同じく訓練兵 俺達のリーダー
暗い中で火花がきらめき、悲鳴が響く。この手のぬるぬるは、きっとゴブリンだけの血じゃ無いだろう。血のにおいは吐き気をさそい、眠気と斬撃が容赦なく俺たちを襲う。
「一時撤退!ずらかるぞ!」
キエスが叫ぶ。俺たちは後ろにさがろうとしたが、いつの間にか敵に囲まれてしまった。その時、
「フレイムフィールド!」
周りに炎の渦が巻き、奴らは灰になってしまった。うん、ラファエルの魔法もすげーな。
残ったゴブリンの心臓を、次々に突き刺すキエス。殴って首をへし折っていくスピング。(主に炎系)魔法を使ってこんがり上手に焼けました!…じゃなくて、黒こげにしていくラファエル。そして、ほとんど何もしていない俺。
…………だめじゃん。
剣士って、よくもまああんなに敵を切るわ。実際にやったけど、海岸で拾った錆びたのこぎりだと、あの筋肉の感触が手に残って気持ち悪い。ウエェ…。
朝
「昨日みたいな事が無いように、1人だけ留守番をするようにしようと思う。」
「じゃあ俺が」
「…いや俺が」
「いや、リーダーだから俺が」
ん?この流れってもしかして…。俺もまねして「じゃ、じゃあ俺が」と言ってみる。
「「「どうぞどうぞ」」」
「やっぱりかァー!」
この星でも、こういうネタはあるのです。
と、いうわけで。
「暑いーだるいー帰りたいー」
「帰れば?」
「そうできるならそうして…うわッ!」
「なによ、お化けでも出たような顔して」
「違うのか?」
ガスッ
「あだーーー!」
ガスッ
「うるさいわね、静かにできないの?」
いやいや、殴ったのあんただろ?!ったく、なんて女だ。後ろを向くと、そこには、腰まで伸びた赤い髪、猫のような耳、長い尻尾、身長が150センチくらいの女が(俺は182センチ)腕を組んで立っていた。ネコ耳で分かるとうり、亜人だろう。
「小っさ!」
「ち、ちっちゃくないもんー!」
そう言って、彼女は顔を真っ赤にして怒った。。ふむ、からかいがいがあるな、こいつ。
「アンタ誰だよ」
するとそいつは腕を組んで、「私はテネッセ・C・コンタクトよ!」と言った。三名ということは、こいつ、貴族か。
「何の用だ」
「あんたたちの仲間にしなさい!」
「は?」
うわー、めんどくさいことになった。俺達男しかいないというと「心強いじゃない!」って言いやがった。
「ハァ」
「どうしたんだ?」
「何かめんどくさい奴が…うわッ!」
みんな俺をショック死させたいのか?!普通に話しかけろよ。
説明中…
「…というわけなんだ」
「ふむ、女だからな」「…信用できる奴か?」「どうしてこうなった」
この3つの質問に対して「さあ?」とだけ返した。
「あなたは今まで何を?」
「一人で隠れてたわ。」
「仲間は?」
「いないわよ」
「うーん」
「…良いでしょう。仲間として認めます」
「「「は?」」」
というわけで、テネッセ・c・コンタクトが仲間になった。
深夜
「また戦闘かよ」
「でもすげーな、あいつら」
そう、俺達は見ているだけ。戦っているのは、スピングとテネッセだけだ。暗いから良いものの、昼にこれを見ると、地獄絵図だろう。そう、俺達のチームは、白兵戦主義者が二人に増えた。だから、毎日が安心です(敵が近寄ってこないという意味で)。
この日は、敵がビビって(?)逃げたから、早めに眠れた。
こんな生活して、普通のミッションに関係があるのだろうか。気がつけばもう明日で帰還だ。時間がたつのが早く感じられる。死なずに済んだことを、周りに感謝しなくては。
「やあ」
なんだ、だれだ?俺が今までを振り返ろうとしているときに。っていうか、ここって夢のなかじゃないの?
「そうさ。はじめまして、僕」
は?お前何言って…
「明日、君達は、ヘリで帰ることになる。でも、何人かは死んじゃうけどね。」
なんだと?
「まあ、楽しみにしてなよ」
そうして、彼との会話は断たれた。
翌日
「おい、ヘリが来たぞ!」
見ると、大型のヘリが三機飛んできていた。クソッ、夜のは何だったんだ?
全員乗り込んで、ヘリは、海の上を飛んでいく。周りでは、終わってよかったなどと、嬉しそうに話す者や、うずくまって泣いている者もいる。俺は窓の外を見た。青い空、青い海。そしてミサイル……は?
そのミサイルは、前を飛んでいたヘリの近くで炸裂した。機内は、嬉しそうな雰囲気から恐怖へと変わった。
たまたまパイロットに近かったため、無線が聞こえた。
「こちら、チーム・エアー1!エアー2が攻撃をくらった!」
[了解、帰還ルートは任せる。卵達を無事に送り届けてくれ。]
「了解!」
そして、俺たちは、戦争というものを知ることになるのだった。