第六話 仲間
3045年8月5日 俺は、あのELESTRO(ジェイさんたちの軍)の東ゲート前に立っていた。見張りをしている警備兵に名前を言うと、簡単に通してくれた。
ELESTRO軍第3支部管理区画支部長室
「…君がセン・ハザ―トだな?私はELESTRO軍第3支部長、グラディウス・G・ゾルフ大佐だ。ゾルフ大佐と呼んでくれ。」
グラディウスと名乗った黒髪の男は、丁寧に挨拶をして、握手をした。手のたくさんの傷は、今までの戦いの厳しさを物語っているようだ。
「さて、君はまだ新人だし、実力試験は明日だから、今日は君と同じ試験を控えた者たちと一緒の寮に泊まってもらう。何か質問はあるかね?」
「いいえ、ありません。」
そう答えると、ゾルフ大佐は嬉しそうな笑顔を浮べ、部下を呼んだ。しばらくすると、ドアをたたく音がした。
「ゾルフ大佐、ライン上等兵です。」
「入れ。」
入ってきたのは、背が190センチくらいのがっしりした男性だった。
「ランクル上等兵、この者を新人待機寮に案内してくれ。確か308号室に空きがあったはずだ。」
「了解です。じゃ、ついてきてください。」
で、
「俺は室長のキエス・クリスティーンだ。よろしく!」
「…ラファエル・ゾールだ。」
「スピング・キャルズだぜ。よろしくな。」
「俺は、セン・ハザ―ト。こちらこそよろしく。」
俺達4人は自己紹介を終えところでスピングが「それじゃあ…」と、何かを始めるような口調で言った。
「もう昼時だから、食いに行こうぜ!」
「つっても、まだ11時だぜ?」
あ、そうか、ここ軍基地だから人が多いんだ。だから、
「混まない時間を狙う…と?」
「ご名答!さあ、混まないうちに行こうぜ。」
食堂
まだ11時だというのに、500人くらい入りそうなこの部屋も、多くの軍人で埋め尽くされ、行列ができていた。
「結構いるな、早めに来てよかったぜ。」
ん?そういえば、こいつらいつからここに居るんだろう?
~数分後~
「あー美味かった。で、これからどうする?」
俺らは高校生か!こんな会話は学生の時以来聞くことなかったぜ。っていうか、1時半から何か集まりがあったような…。
「…PM1:30より、新人訓練兵の集まりがある。俺達は行かなければならない。」
だよな。
「今何時?」
「時計どこだよ。俺今日来たばかりだぜ?」
そういえば、みんな何か、来たときから普通に接してくれたな。ここの軍人たちは、仲が良いんだろうか。
「そうだったな。えっと、今1時だな。」
「じゃ、準備してから行くか。確か会場は、中心区画だったよな。」
一つ疑問が浮かんだ、どんだけ区画あるんだよ。こんがらがるわ。
ELESTRO軍中心区画西渡り廊下
聞いた話によると、新人は、自由時間以外部屋のメンバーで行動するらしい。なので、308号室の4人(俺を含む)で歩いていた。すると、どこからか銃声が聞こえてきた。
「なあ、この近くに射的場があるのか?」
「ああ、あるらしいぜ。行ったことはないけどな。」
ほう、さすがは軍事施設。整ってますなぁ。
1時間の長ったらしい(すごく細かくて分かりやすかったが)説明が終わった。内容的には、明日には、さっそく初心殺しのメニューらしい。それは、「訓練メニュー第1回サバイバル編」要するに、
2週間分の食料と参考書持って山で2カ月生きろっていうことらしい。(救急搬送あり)(ただし、重傷および死にそうな時のみ)
…死ぬな、これ。ああ、後でイーリス(妹)に電話しとこう。