表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/63

決着の時!

 地上の円。

 半円を上から下へ走る執事と、半円を下から上へと走るマーストン。


 その中心には、アレックスと、クリスティーヌが潜伏している。


 そしてもう1人、ノームのヘルモンドが今、またデコイとなって立っている。

 

    ◇◇◇

 

 ニンフを気絶させるほどの攻撃を喰らっても、執事はすぐに行動を開始した。

 中央に立つ、ヘルモンドを沈黙させる!


 その為に彼は傷ついた体で、ヘルモンドの前に現れなければならなかった。

 ヘルモンドは、それほどの戦士、執事の感もそう言っていた。


 中央突破、それを狙い執事は岩石を飛び越え、飛び越え行く!


 彼を挟んで前方左右から、ふたたびアレックスとクリスティーヌが現れ、先ほどと同じ攻撃を仕掛けて来る。


「早い!?」

 あの2人は、今度の攻撃は魔法を切り捨てている。

己の剣技だけで攻撃を仕掛けるというのですか!?


「しかーし、動きが単調なら、見切られてしまいますよ!」

 そう執事が言った時には、前方に浮かぶ岩石に鞭を巻きつけ、その鞭に体を任せ、地面へと落下するように飛び降りた後だった。


「ダーク!」

「はい!」

 彼らは、次の執事の攻撃に備え、まわりに注意を払う。

 

 しかし、次に起こったのは衝撃と爆発音。


 それは後方からした。

 次に視界に入ったのは、ヘルモンドの立っていた岩石が土煙に包まれていた。

 それは、大部分が消失している状態――。


「クッ」

「ヘルモンドさん!?」


 瓦礫の煙が晴れた時、ヘルモンドの伏せた動かない体の背中の上着を持った、執事が立っていた。

 その手には鈍く光る短剣。


 次の瞬間、ヘルモンドの姿は消える。

 

 片手から消えた重さを、執事はゆっくり見た。

「お前たちのリーダーか……」


 凍てつく様な、怒りに震える声。


「お前たちのリーダー、あの青年が召喚師なのですか?」

「何を言っている? その前にお前の敵を見ろ! 餓狼の刃!!」


 アレックスが剣を振るうと、狼の群れを思わせる衝撃波が執事に襲いかかる。

 執事、彼も剣士と真っ向勝負は分が悪い。


 背広の裏に隠され丸められていた鞭を取り出し、先ほどと同じ様に岩石の中に逃げ込もうとした時――。


 アレックスの放った衝撃波が、ブーメランの様に円を描き執事の目の前に戻ってくる!?


「何!?」

 そう声を漏らした時、彼が洋服の中に着込んでいた防御用のチェーンアーマーが切り裂かれ、皮膚が裂かれていた。

 執事は切り裂かれ、僅かにつながっているだけの執事服を破り捨てた。


 しかし――。


 次の瞬間、あの忌々しいリーダー、そうマーストンと言われた小僧の声が響いた。


「お越しください! 偉大なるノームの王、ヘルモンド!」

 

 そしてそれは目の前にふたたび奴が現れた。

 忌々しい、人間の小僧の呼び出したノーム。


 それは斧を握り、こちらを目掛け振り抜いてくる。

 執事は防御を展開させ、大ダメージはこらえたが、臓腑への攻撃でゲホッ、ゲホッと、咳き込むと地面が鮮やかな赤に染まる。


「クッ何故だ……」

 何故、こちらがわかる? そう声を出す前に、臓腑が焼ける様に熱い。

 

 腹に薄い魔法の防御壁を展開するが、今までひ弱な人間からこんな目にあった事がない。

 魔法の厚みでごわごわする感触が、執事の腹だちを増幅させた。


 今、予想だにしなかった事が起きている、だが確実にわかる事がある。

 まず、あの背の高い男を潰せば、この展開、何よりの忌々しさを潰せる。


 そう答えを弾き出した時、執事は地上の円の端のマーストンを目がけ追っていた。

 あのリーダーは、岩石地帯の中へ入らない。


 クリスティーヌ様や、あの戦士より体の使い方がまだ浅いのだろう。

 岩石地帯で、私に捕まる事を恐れ外周を回っている。


 そして時を見て、クリスティーヌと戦士のコンビネーション、それに合わしてノームの攻撃が来るが、彼らは人間、魔力が少なく、好機となるチャンスを狙っている。

 それはいつか、それもそう時間のかからない間に、魔力が0になる事を意味している。


 こちらとしては時間さえ稼げば――。


 勝てる。


 そう私が思っているのでしょうか? 先ほど、リーダーの前に出た娘。

 

 ――あれはニンフ。

 

 何故か、一般のニンフと違い成熟した女性の姿はしてませんが、噂に聞く万能な薬草を手にしていれば、彼らに時間制限はありません。

 こちらが、彼らを見誤る時を狙っているのか?


 人間は厄介な生き物です。

 そんなくだらない手を、すぐ考える。


   ◇◇◇


 先程から、執事が僕を追いかけてる。

 僕は後衛という役割だから、戦う暇はない。そうレイソンに言ったが……。


「後衛だから、直接攻撃に弱いからランクが上がると、魔物に追いかけられるんですよね! レイソン聞いてますか!? 後衛でだから、いやでも、仲間の為なら走るですよ!」


 そう僕は叫んだ。

 正直、執事とレイソンはどこか似ている。

 

 だから、レイソンがいるこんな機会だからこそ叫んでいる。

 僕は変わりたい、だから、レイソンの仲間のケイトと、クリシラのために叫んでいる。


 仲間だった。それは僕にとって大切な事だから。


 そして――。


 その時が来た! 

 執事の鞭が僕を絡めとる!!!


 そう鞭は、僕の両手ごと胴体をギューギュー縛る。


「なんだと!?」

「ニンフ! 執事を確保しろ!!」

 そう叫ぶと、祖父から譲り受けた上着の胸ポケットが引き裂かれる。


「あぁぁあぁぁ……大事な祖父の形見が……」


 大豆のツルが伸びて来て、僕と!

 そして執事を固く結びつけた!


「餓狼の刃!!!」

「紅蓮の刃!!!」


 潜伏していたアレックスと、クリスティーヌの剣技が執事を捉え、彼は青く発光する。

 

 次の瞬間、ヘルモンドから放たれた先のとがった岩石が、執事が捉える……。


 その前に彼は消失し、身代わりに残った木の人形が、地面に落下する前に、彼が居た周辺を破壊して大きなクレーターを開けた!


「やったー! 見た? 見た? マーストン、ヒーラーの奥義、絶対防御だよ!! まぁー結局は、ヒーラーのスキルの強さにかかっているのだけどね。今回はあの執事さんだいぶダメージ負ってて、運よく助かっただけだけどね!」


 セラティーが元気よく報告してくれる。

 よく見れば、僕の上着はところどころ、切り刻まれている……。


「祖父の上着が……」

「えぇ……お爺様の上着……」

 そう僕らがなげいると――。


「まーちゃん、セラティー元気だして、物はいつか壊れるものじゃよ」

 そう言って僕らの腰を、ニンフがさすり慰めてくれているようだ。

 

「ニンフ、お爺様の物まね、うまいね……」

「ニンフは学校ずる休みして、祖父と居たからね……」

「それはダメ。マーストンとお爺様は結局、ニンフに甘かったんだからまったくもう」


 その時、肩にコッと小石の欠片が当たる。

 振り返るとヘルモンドが岩に座り「もう帰っていいか?」そう問いかけて来た。


「ありがとうございました。お帰りください」

 

 そういうと彼は手を振って帰った。

 そして僕らパーティーメンバーも、彼に手を振る。


「マーソトン、走っていた時のあれは何だ?」

「自分でもわかりません。なんか、追われている状態に腹が立ち、腹の中にあった気持ちがまた溢れました」

「まぁー、俺たちには溢れる前に言ってくれよ」


 そう言って、彼は肩を叩く。

 それに続き、クリスティーヌが「何でも、聞きますよ」と、言ってくれたので、僕は「ありがとう」と、答えた。


「とにかく! ボクたちは勝ったんだ! 【世界樹の葉】大勝利!!

「「おぉー!!」」


   続く


見ていただきありがとうございます!


またどこかで!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ