ボケキャラばかりの作戦会議!?
「おはようございますー【世界樹の葉】の皆さん、今日は素敵なお話があるんですよ!」
今日も、ギルドのチトセに呼ばれて来たら、彼女はにこにこ笑顔で、そう言った。
その時、受付の後ろ側の扉が、ガチャッと開き「やぁーみんな、元気してる?」と、お弁当を持ったホワイトが出て来た。
その後ろにはラドルさんがついて来ている。
「あっ!? それ私のお弁当!!!」
ホワイトが持っているのは、チトセのお弁当らしい。
さすがのチトセは食べているホワイトからお弁当を引ったくり、マーストンたちの前に置く。
可愛いケチャップで、色づけられた絵本の挿絵の様な熊さんが、弁当箱の中にいた。
野菜も色とりどりで、栄養面もバッチリの様だ。
「お弁当、凄いですねー」
そして……ニンフがマーストンの手を握り、そのお弁当を指さす。
目の前では、余程ショックなのだろう「少し食べられてるー」となげているチトセ。
「すまない、チトセ、俺が食べていいと言ったんだ。でも、ピンクの方を食べてしまって、今度、暇な時に作るから」
「わかりました……」
ここで、ギルドの空気が少し凍ったように、声が消えた。
そしてマーストンの袖は、ニンフに引っ張られる。
「可愛いお弁当ですね。今度、一緒に作りましょうか」
手を叩き、発言するダークエルフさんに、その声を聞き、お弁当を観察するアレックス。そして喜ぶニンフ!
「マーストン、あの2人付き合っているの知ってた?」
セラティーが、ひょこっと顔を出す。僕は、首を慌てて振る。
「ラドルさん、すみません。お弁当のつくり方聞いてもいいですか?」
そう、まわりを観察していた、マーストンは言ったのだった。
「って取集がつきません。応接室へもどってください。」
そう、チトセが復活したのだ!
◇◇◇
応接室、軽い、村民会議の様な人数になってしまっているが、彼らはそこへ集まった。
ギルド側は、ホワイトと、チトセがソファに座って居る。
「本当にたべるんですか? 全部?」
「そうだね。美味しいよ。君も後で、食べるといいよ」
「いや、食べますよ」
そう……まだ、揉めている。
こちらは【世界樹の葉】は、女性陣が前に座っていて、ニンフが中央にで、出来る子どもって雰囲気を漂わせている。
そして後ろにマーストン、アレックスが立っている。
そしてラドルさんがお茶を並べてくれ、そしてチトセとホワイトの後ろについた。
ホワイトが食べている横で、手を開き、チトセがテーブルをダン! 叩き打つ。
そこで、何となくホワイトの食べているお弁当や、誰かに向かっていた視線が、チトセへと集まった。
「単刀直入に申します! ホワイト様と一緒に迷宮へ下りていただきます」
「ホワイトの護衛は?」
「居ません。皆さんと同じ立場とお考えください」
「えーー!」
そんなホワイトの非難は一度置かれ、話は進められていく。
「迷宮がつながれば、魔界は溢れる。つながる。そう伝承では言われています。しかし皆さんもご承知の様に、その伝承自体もエルフの皆さんから降りてきたものです。なので、今回、顧問としてホワイト様に来ていただきました」
「あぁ! 僕は来た!」
ホワイトは顔の前で、片手をぐぅにして宣言してみせた。
そしてすぐ座った。そして後ろのラドルさんを見る。
ラドルさんは会議の記録を残すためか、書き残しているようだ。
それを見たマーストンと、アレックスは顔を見合わせている。
「皆さんも不可解な事があるかもしれません。ホワイト様は、舞台の新作脚本のため自ら、迷宮へ行っていただける事になりました。そして速記のできるラドルさんも同行していただきます! 文句は御控えください。こっちは胃袋掴まれて結婚しちゃいそうなですから!」
そう言うチトセは後半、トントントン、と机を打ち鳴らしながら話していた。
……何がー、どうなったのかー?
そしてダークエルフさんが立ち上がる。
「ありがとうございます。私に関係ある事で、ごめんなさい」
そう言ってお辞儀を深々とする。
「「いやいや、大丈夫、大丈夫」」
「で、結構がいつなんだ?」
「結婚なんて、まだ、早いですよ!」
チトセが、机を両手で叩いた。
「………………」
「それは、ホワイト様に聞いてください」
ラドルさんが、そう言うと、凄い早さでホワイトの方にチトセが向く。
「それは結婚? 迷宮探索? 迷宮探索にしばらくかかるかも、僕はここに残るために魔法を封印されているんだ。破るのは可能だけど聖域へ知らせるのが先かな? 結婚の方は王族の祝福などをした事もないわけではないが、彼女の状態じゃ、まだ早いかな、【愛が深まる神秘の泉】を知らないわけではないんだが、後ろの彼が結婚相手ならなんとかするんじゃない? その時、やってもいい気になったなら、やってもいいよ」
「縁がありましたら、よろしくお願いします」
ラドルさんの言葉を聞き、アレックスが僕に呟く。
「あれは体のいい断りだな。彼はなら出世に絡む場所に打診するだろうし」
「うーん、結婚の棚に上げますが」
「上げるな」と、ぼそっとラドルさんの突っ込みが入るなか、チトセは続ける。
「聖域に関しては、ギルドからも手をまわして見る事は可能だと思います。ギルドマスターも今回の執事に邪魔されて、その結末がどうなるかわからない。と言う現状に危機感を持っている状態ですので」
「じゃ、そのついでに、AやSランクのオファーは、ギルド側からできないの? 今回の事を自腹って言うのは、酷な話だとボクは思うよ」
「それは……」
チトセが言葉に詰まる。
「それはできません。君たちのランクはBランクですが、確実にAランクの相当の実力を持っていると、ギルドでは見ています。これはチトセだけの意見ではなく、私やギルドマスターも同意見であるのです。ですが、ランクが上がれば上がるほどギルドの顔となるのです。品格を見る必要があり、それには時間が掛かります。一度付いたインクの染みを取り去るのは難しい。そこをご了承ください」
そうラドルさんが、言い淀むチトセの変わりに答えた。
見ていただいてありがとうございます。
また、どこかで。




