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マーストンの試み

 夜、サラティーとさよならをして、我が家へ帰る。


「「ただいま」」

 そう言って、マーストンとアレックスが帰ると、ダークエルフさんの後から、ニンフがついて来た。


 そしてニンフは、マーストンたちの前で頭を下げた。


 そして素早く、ダークエルフさんの後ろへ隠れてマーストンと、アレックスを見ている。

 今度はうちのニンフは、ダークエルフさんのくっつき虫になってしまったようだ。


「ニンフ、そしてみんな今後の事について、僕の話を聞いて貰っていいかな?」

「なんだ? マーストン改まって」

「はい! 何でも話してくださいね」


 そう言ってくれ、ニンフも大きくうなずいてくれている。


「ありがとう、感謝している」

 そう、なんだか、改まった口調で言ってしまうのだった。


 ◇◇◇


 そしてマーストンたちは、キッチンにあるダイニングテーブルへ集まった。


 テーブルの上にはアイスティーや林檎ジュースなどが並んでいる。

 マーストンは目の前のダークエルフさん、隣のアレックスそして斜めにいるニンフを見て言った。


「あのーこれは僕のダメな話なんだ。何から話せば……、最初の始まりはニンフの事、僕はニンフと祖父との召喚師との契約を解除し、僕と新たに契約を結び直すために、僕の冒険を始めた。


 そして僕と【正義の鉄槌】の解散まで話が飛ぶんだけど、原因はこの世界によくある話だ。ヒーラー、癒すものと、癒されるもの不一致。」


「それなら、マーストンが言う様によく話で、一概にマーストンがとは言い切れないのじゃないか?」


 アレックスがそう言うと、マーストンはその緑色の瞳でテーブルを見つめながら――。


「僕もそう考えていた。でも、それだけじゃーこのパーティーでも、同じ事をするかもって考えていた。


 それで……今日、サラティーが黒魔術師のケイトや、レイソンの妹のクリシアに手を振っている時、僕は……彼女たちともちゃんとしたパーティーだったかな? と思ったんだ。


 僕は、彼らにレイソンとの確執を相談したことはない。


 幼馴染や、妹の彼女たちならレイソンとの関係を打破するヒントをくれたかもって、そして僕は僕たちのパーティーで、それが出来てたかな? って僕は思った。


 それらの事について、誰かにそうあって欲しいって求めているのではなく。


 ちょっと試してみたくなったんだ。伝える事を……。


 僕は実は先生になりたい。子どもたちを教え、教わる事を夢見てきた。そしてニンフとの関係はいずれ、祖父が契約を引き継いでくれる。そう思っていた。


 でも、祖父が亡くなった今、待っていてもニンフは喋れないままだし、きっと子どもの姿で不十分なままだろう。


 僕はニンフに昔のように話して欲しい。だから……ニンフにはサラティーと仲良くとまで言わない。


 けど、僕の一番の野望を邪魔をされたくない。これは僕の勝手に決めたことで、でも、幼い頃から一緒だった君に求めたいことなんだ。


 そして僕はみんなに言うけど、あーサラティーにも言わなければいけない事だけど、召喚の魔法は効果が高い分、迷宮では向かない。多分、みんなを巻き込むことになる。


 だからあの場では、結構、黒魔法を優先してる。


 こんな風に僕の魔法やいろいろな事について僕は説明するから、気軽に聞いて欲しい。話しをすり合わせをしよう。


 そして……少しでもみんなの夢を叶えたい。まぁ……最後は大きくでたけど、そして正解はわからないけど、僕の(こころ)みは終わり。聞いてくれてありがとう」


 そう、彼は言い終わった。


 ニンフは静かに、林檎ジュースを飲んでいる。

 そして居場所なさげに、ダークエルフさんはまわりを見ている。


「おれは別に隠していたわけじゃないが、国は聞かれたら言うが、公爵の息子だ。まだ、居もしない勇者のために、武者修行の旅に出されている。まぁー不便な身ってやつだな。俺の場合、昔ばなしから始まるので、要点のみ聞いてくれると助かる」


 そうアレッスクは言い座った。


「おぉ…………?」

 そうマーストンは言った。一番、都会に明るい田舎育ちの彼がそんな感じだった。

 アレックスがあえて言わないのも、なんとなくわかる。


 シーンと、静まりかえる、キッチン。


「あ、以上です」ってマーストンは頭を首を垂れる。


「待った、明日は久しぶりの【ブラックファイアー」とやるとか、執事のついての確認がまだだ」

「あー、そうでした」


 そしてマーストンの会議が進む中で、ニンフはお茶を飲み出したり、お菓子をさがそうとして、マーストンに叱られたりするのだったが、最後まで珍しくいたのでした。


 ◇◇◇


 迷宮へチャレンジする朝、マーストンたちはギルド前で集合時間を待っていた。



「おはようー」

 やって来たサラティーは、白いマフラーの下に、白いコートに、ブラウン色のスカートなのか、ズボンなのかちょっと不思議なものを着用していた。


 そしてマーストンたちも挨拶を返す。


 本格的な冬にはまだ少し早く、海風であまり寒くはならないと聞く、港町アオハジ。

 しかし、そんな時期の今でも、サーラティーは少しだけ震えているようだった。


「サラティーも、温かくなる魔法かけようか?」

「助かるー」


 そしてマーストンが指と指を弾き、パチンとならす。


「はー肩からあったかいのが来る……。……はぁ……少しの間で暖かぬくぬくだよー。でも……、マーストン、その指を鳴らすのは格好つけてるの?」


 彼女は親戚関係の気安さから、そんな事を言って来る。


「うん」、って僕は返事をした。


 以前の口調がなんとなく出る。親戚との会話ってなんで、こんなに気恥ずかしいだろう……。

 彼は思わず顔を片手で、覆った。


「お前も、人間らしいところがあるんだな」


 その声には聞きおぼがあった。

 マーストンが振り返るとイックがいて、ラスク、ノロシもその後ろで手を振っていた。


「いつでも敬語使うと思ってた」

「ボクは従妹だからね」


 サラティーが威張ったように言う。

 そうすると、イックが目を細めるように、僕とサラティーを見る。


「似ていると言えばそうだし、雰囲気?  まー取り合えず、俺はイックに、こっちはラスクとノロシだ」

「「よろしくー」」


「…………いい、可愛い女の子には挨拶するのは、認めよう。可愛い女の子だもんなー。でも、実話は、納得いかねんだわー」


 そう3人は揉めだした、って言うかイックは怒り出した。


「ははは、彼ら面白いね」

 そう、サラティーは笑っている。


 【ブラックファイア】のパーティーも集まり、マーストンたちとも挨拶を済ませ、帰還のための護符確認後、場所移動となる。


 ◇


 詰め込まれた幌馬車がギューギュー詰めで、確認作業もあるので、御者席行けない恨めしさまであった。


「で、あの執事が出たらどうするって?」


「うーん、逃げるでしょう? その前、ホワイト様でエルフの強さを、確認すべきだったよ」

 イックとサラティーの発言に、アレックが答える形となる。


「こっちとしては、ダークの素性を知りたいが、無理だろうな……、そしてサラティーが言うように、力があまりにも未知数だから捕まえるとか、倒すとか以前の問題だ」


「つんだのか?」


「取り敢えず、あの執事については、ダークエルフさんに一度、説得して貰いましょう。それで無理やり連れて行かれてしまうようなら、何をやっても駄目なので」


「打って無しってとこか、どんまい頑張って行こう」

「私、頑張りますね!」

「おぉー」


 こうしてあまり実りがないまま作戦会議が終わり、このメンバーの中でイックとサラティーが会話に加わるだけで、会話の感じが変わるので、人見知りなマーストンとしては不思議だ。


 続く


見ていただきありがとうございました。


またどこかで!

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