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ヒーラーのボクっ子

直しの話ですが、

①レイソン達チーム名ないだろうと、修正の際『正義の鉄槌』と付けたんですが、『ジャスティス』って名前があったようです。『正義の鉄槌』に変更されます。


②内容に大きな変化があれば、ここへ載せますねぇ~。って感じでやってます。


③直しではないですが、実はギルドクエスと住民権の為の回数が4つしかこなしてませんが、そんなに戦うようなストーリーではないので、大いにやった事にしました。


以上、お知らせでした。


 鍾乳洞の中をケイトたちは進んで行く。


 もう、朝が明けて時間が経つのに、やはりその中では暗闇に閉ざされ、ライト石に光が大きく【正義の鉄槌】の一行を照らし出すのみだった。


 世界は荒い土で覆われ、圧迫感を僅かながら彼らを包んでいた。

 遠くからサワサワという、水音が流れる音が聞こえてくる。


「セラティー、次こそは俺の言う通り回復をいれろ……」

「ごめんね、リーダー。リーダーの言う事聞いてあげたいけど、ボクはみんなの命を守らないといけないから……」


 そう言うと、ライト石のふわぁっとした明かりの中で、彼女は振り返ると、金色の髪が大きく揺れ、その碧眼の瞳がケイトを捉えた。

 彼女はとてもにこやかだった。


 ――でも、何故か私を責めているように感じた。彼女はとても穏やかに笑っているのに……。


「ケイトもわかるでしょう? 魔法を扱う後衛には、後衛の戦い方があるって事が?」

「私は黒魔だから……、直接攻撃するみんなに当てないように攻撃するために、合図を貰っている立場だから……」


 私がそう言うと、「ふっ」とレイソンの満足気な声が聞こえた。

 


 どこかで流れる水音が、急に大きく聞こえる。


 

 その音に紛れて、私の中から声が聞こえてくる。

 あの日から、変わらずひび……それは嘘。


 ――『本当に貴方は、愚かだ……』、マーストンの声は彼が居なくなってから、私の中で一人になると聞こえてきた。


「でも……」

「おにいちゃん! そういうのうざいからさ、ほら私の薬草あげるよ」

「あっ……」


 レイソンの後ろを歩いていた、クリシアが薬草の粉末と、飲めるようになっている体力を回復する飲料を、ヒップバックから取り出すのが見えた。

 

「クリシア優しい! 好き!」

「わかったから、あんまりひっいて来ないで……歩きにくい……」

 

 セラティーは、クリシアに後ろから抱きついてた手を離す。


「やっぱー女の子たちは優しいよね。リーダーは紳士なボクの従兄弟を見習うといいよ」


 そう彼女はケイトを振り返り言った。

 ケイトは彼女にどこかぎこちない笑いを返す。


 その時、セラティーの顔の横に浮かぶ球体が、赤に染まる。


「敵が居ます!?」

 彼女がそう言うと、レイソンとクリシアが剣を引きぬき、セラティーは教化魔法を重ねがねをした。


 そして彼らが少し歩みを進めれば、目の前に怪しく光る赤い2つの何かが光っていた。

 しかしそれが激しく動きだした。


 それがなおも前進をすすめたことで、レイソンのライト石の光によってその様子が見えて来る。

 天井にぶら下がっている蝙蝠の魔物が、その足を離し、回転しながら態勢を立て直し、こちらへやってくる過程だったことが分かった。


「あいつを射貫け、ファイアーボム!」


 その明るい光りが進むことで、鍾乳洞全体を浮かび上がらせる。

 大蝙蝠のまわりに、多くの通常の蝙蝠、そしてその後ろに数匹の大蝙蝠の姿が見えた……。


    ◇◇◇


 ――世界は海の中にある。

 夕暮れに沈む、港町アオハジの街へ入り、僕らの家より多くの潮の香りが鼻腔をかすめるとそんな事をふと思う。


 そんな夕暮れの街を【世界樹の葉】の一行は、歩いている。

 アレックスの後ろを歩く、マーストンの緑のスーツは複雑な色に染まっていた。


「なぁーマーストン、チトセにギルドへ呼び出されるって事はそろそろあれかな?」

「まぁ、そうでしょうね。でも、そろそろギルドの決めたダークエルフさんの住民権獲得の時期の話かもしれませんよ? 迷宮は普通のクエストの1つと数えるのは、ちょっと違う気がします」


 大通りで、前を歩くアレックスが振り返り、赤い瞳でマーストンを見た。

 

「でも、迷子の子犬の探しも1つ分だっただろうし」

「あぁ……そうですね」


「住民権、嬉しいです。でも、何が違うの?」

「図書館の貸し出しが出来る事ですかね?」

「あぁー俺たちは、固定住所に住んでいて借りれるけど、ダークエルフさんは宿屋で住んでる冒険者枠で、貸し出しは駄目だったなー」


「わぁー図書カード作れるんですね」

「でも、なんであれはギルドカードと一緒じゃないんだ?」


「それはですねー。お子さんも使えるように、最悪な事態を想定し、なくしてもいいように分けてあるんですよ」

「へぇー」


 急に話しかけて来た男性は、ラドルさんだった。

 印象はそう変わっておらず、シックないでたちで歩いていた。

 彼は手に茶色の紙袋を持っていて中から、からあげのとても良い香りが漂っている。


 僕の口の中で、思い出の唐揚げの食べ応えのある肉の味が微かに広がる。


「その袋、旨そうな匂いがするな」

「ああ、今日は遅番なの買って来たんですよ。うちはフライド系やフィッシュアンドチップスはやっているんですが、唐揚げまではやってないんで」


「まぁーそういう事はあるよなー」

「ですねー」


 そんな会話をしていると、ギルドの扉の前へ来ていた。


 ラドルさんが開けて、それより広くアレックスが開け、ラドルさんは扉を見つめ、「ありがとうございます」と言って中へ入っていった。

 そして次の僕が扉を開け、次々持つ手は交代していく。


 「「いらっしゃいませ」」


 その声を背に受けつつ、ギルド側のスペースへ入る。


「マーストン!」

 

 ――金色の髪、碧眼の髪は、どこかで?

 そう思った僕の前に、ニンフが立ちはだかった。

 

 ……その光景には、記憶があった。


「……もしかして、セラティー?」


 ――そう言う僕は、彼女の背景を見ると、レイソンたちが僕らを見つめていた。

 僕は少し困ったように、眉間に皺をよせただろう、多分。


 「このおちびさん、まだボクとマーストンの中を邪魔するの? 僕らは従妹どうしなのにひどいじゃないか?!」


 「わかった。とにかく、ここでは邪魔なのでベンチに座っては話そう」


 そう二人をなだめ、マーストンは彼女たちを誘導していく。


「待ってくれ、俺たちはセラティーに話しがある」

 

 そう、マーストンの手を取ったのはレイソンだった。

 何故、セラティーではなく、マーストンなのか? 


 マーストンも考えたが、実の妹がいるからか、怒られた記憶がその行動をおこさせたのか? それくらいしか彼には思い浮かばなかった。


「ボクにはないよ? 定番のパーティーに入ってくれだったら、当分、えっと……」


「「世界樹の葉の葉だ」ですよ」


 アレックスと、チトセからも声が入った。


「じゃー、その契約の終わってからの話がしたい」

 まだ、諦めないレイソンと、「えぇー」と言う、僕の従妹。


「レイソン様、そこまでです。それ以上はちょっとこちらでも、見過ごせません」

 チトセは笑顔で言っている。

 だが、その背中に何故か怒りみたいなものを感じる、気がする。


「行くよ! おにいちゃんお腹がすいた!」

 

 そう言ってクリシアは、まだ何か言いたげな彼を連れて行ってしまう。

 最後のケイトは頭をさげ、僕もそれに合わせ頭をさげる。


「クリシア、ケイトまたね!」

 セラティーの声が最後に響いた。


 そして振り返り、「「またね」」と、言う彼女たち。


   ◇


「そんなわけだから、よろしくんね! マーストン」

 

 ニンフを振りほどいた、セラティーの青い瞳が僕の目の前にあった。

 その神秘的な青は、海原の色のようで、僕は思わず警戒し後ろへ下がる。


「よろしくな、俺はアレックスだ」

「私はダークエルフです。記憶がないから、もしかして困ってたらごめんね」


 そう彼の仲間は挨拶する。

 しかしマーストンは、記憶の中のセラティーを探しだし、男の子のような短い髪のセラティー、叔母様の拾った従妹の変わりようにただ、驚いていた。


 続く


見ていただきありがとうございます。


またどこかでー!

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