第十一葉 『亜人と人の、にらめっこ』
私達は、川沿いを歩いていた、、
「んでさ! 大量の溶岩抱えた魔王が俺に言ったんだ 『溶岩を食うな! お前はいったい何が弱点なんだ!』 だから俺は言ってやったんだ 『今は大量の水が怖い』ってな! あっははは!」
《なんで竜神と魔王の『饅頭こわい』を聞かされてんだ?俺は、、》
「ふふっ まあ、騒がしいのにも慣れたよ」
歩いていると、滝を見つけた
飛び降りるには高すぎる、下を覗くと滝壺があり
その先には山と川、広い大地が広がっている
そこには沢山の人間が歩いていた、兵隊だ
ぽん吉が兵隊を見て何かに気付いた
「お? ありゃヴァイガル王国の旗だぜ」
「おやおや 前の国とは違うようだねぇ」
《何してんだ?》
「あの先はたしか、、ドヴェルグ王国があったはずだ」
なんでもドヴェルグ王国とは
ドワーフと呼ばれる亜人が住んでいて
鍛冶師が多く、鉱石の採掘も盛んな
鉱山に囲まれた国で、攻めにくい地形なのだとか
「おお、まだ落ちてなかったんだなぁ やるなあいつら」
「人間が、そのドワーフの国を攻めているということかい」
《ちょっと見学するか》
私達は、山の上から、人間の進む方へと向かい
穴の空いた鉱山を眺めながら歩いた
私達は、この行く末を見守る事にした
しばらくして、鉱山の中腹に大きな城を見つけた
焦げた痕、ボロボロになっている
人間達が、鉱山の離れた所で野営の準備をしている
《結構な大所帯だな》
「ふふっ 数で攻めても、地の利が違いすぎるだろうに」
「、、ヤバイな、ありゃ魔導砲だ」
《魔導砲? なんだそりゃ》
「ああ、複数の人間で放つ極大魔法だ あそこにデカい石があるだろ? 荷馬車に積んでる アレだ」
ぽん吉の指差す方を見てみると
大きな荷馬車に、大きな光る石が積んである
荷馬車は全部で5つ、兵隊が何やら指示を出し
石を等間隔で並べている
「俺もアレを食らったが、ドワーフでは歯が立たないだろ」
《へー、お前もアレにやられたのか?》
「バカ言うない! 俺は熱や冷気の類は効かねんだ!」
「おや そこはちゃんと竜神なんだねぇ」
人間達は見張りを立て、今夜は休むようだ
私達も今日はここいらで休もう
夜が明けると、私達は大きな爆発音で目が冷めた
人間達がドワーフの城に砲撃している
魔導砲とは、とても強力なものらしい
ドワーフの城は、何やら薄い光の壁が囲っていて
魔導砲が光の壁を抜けると、威力が弱まっている
「おお! 『フレイム』程度まで弱まったぞ!」
《なんかよくわからねぇけど 凄いんだな?それは》
「おうよ! 魔導砲でなきゃ届かねえだろうなアレは!」
「ふふっ でもこれじゃ お互い消耗戦だねぇ」
《亜人は籠城、人間は魔導砲だけで にらめっこだ》
「んん! なあ、ドワーフの城に行ってみねえか?」
「おやまあ 手を貸すつもりかい?」
《ぽん吉、今のお前は たぬきなのを忘れるなよ?》
「わかってらい!」
私達はドワーフの城へと向かった、、