黒い心
「うわっ!」
「ぎゃぁ!」
町に戻ってすぐに衛兵にあのことを報告した私は、衛兵たちとともに残党をすべて狩りつくした。
その
彼ら全員にギャレンくんのことについてを聞いた。しかし皆。私がスキルを発動したとしても口をそろえて
「ギャ、ギャレン様のことなんて…いくらあなたでも言えたもんじゃありません!!!」
「そ、そんな…そ、そんなことを口にするぐらいならいっそ…!」
と、強い拒否反応を発作させた。
ひどいものは、その場で気絶したり、心臓が止まってしまったり。
「これが…口封じのやり方とでもいうの…」
あたり一帯は、そう聞かれ、再起不能になっている者共の情景が広がっていて。その景色に私はギャレンくんの姿を照らし合わせた。
「…これが、あの子の…一体、なにがそんなに…」
心優しき少年の心に、いったいどんな衝撃が入ったというのだ。そんなふうに歯を食いしばっていると近くの兵から
「ご、ご連絡、ありがとうございました」
と、何事だといわんばかりに引き気味にそう言ってきた。
「あ、はい。お願いします」
「で、では!…また会えないかな」
最後、小声で何か聞こえた気がした。まさか、スキルの影響受けてないよね?
そんなこと考えながら。でも、状態異常ぐらいならすぐ直るだろうと考え、無視することにした。
「…ん?」
ふと。何気なく一つの落とし物に目が行った。
拾ってみると、それは一枚の写真だった。
きっと、この黒い色がなければ、男女のほほえましいだけの写真だったのだろう。私の目は、その女性のほうへと釘付けだった。
「こ、れ…」
そこには、今は亡き英雄の幸せそうな笑顔があった。
その隣には…。
「ハイロ、さん…」
塗りつぶされたインクの奥。懐かしい表情で微笑むハイロさんの姿があった。
そうか…。
いやに察しがよいのが憎い。そう思ってしまうほどに。彼の心は残虐なものだった。
「…ギャレンくん…」
彼の重い心が。あれを引き起こした、ということか…。
「……」
まだ彼は、子供だった。
しかし、子供ゆえの未熟さ故に、あの化け物に付け込まれた結果。あんな化け物になってしまったのか…。
お門違な怒りだが。私はすべてを奪ったギャレンくんに少なからず憎しみと怒りを抱いていた。
「…ヴァルキリー、さん…」
忘れてはならない思い出。脳に刻み付け、写真を握り占めた。
さて、これでギャレンくんのことはすべて終わった。その時、遠くから
「ギルド嬢さーん!見つけました!!!」
と、遠くから誰かが駆け寄ってきた。
「もしかして…見つけたんですか?」
「はい!わかりました、2分の1の意味が!」




