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キャラ崩壊の槍使い。強い虫。容赦の知らないエルフ。

「きゃああああああああ!」

「いやああああああああ!」


「来ないでえええええええええええええええええええええ!」


半狂乱。まさにその言葉が似合うほどに荒れに荒れていた。

無茶苦茶に振るっている槍は所々魔物にあたっていた。槍にあたった魔物は皆、吹き飛ばされ


「…………」


赤い泡を吹いて痙攣していた。

もうなんか、安らかに眠れ。


「いいいいいいいいいやああああああああああああ!」


と暴れ、なぎ倒していった魔物の素材を剥ぎ、埋めて弔うを俺がやるを繰り返していった。

蜘蛛なりゴキブリなりムカデなり。気持ち悪い生物を模した魔物ばっかりで素材を剥ぐのもあまりいい気はしなかった。


「あまりやりすぎないで…うわっ!あぶな!」

「来ないで来ないで来ないでえええええええええ!」


と、何度も何度も俺の頭の上を槍が通っていった。…かすったとき、斬られた少しの髪が火を出しながら炭になった。


「…はあ。これじゃ吊り橋もくそもないよ…あ、ちょっと生きてる。可哀そうに…」

「…シテ…コロシテ…」


魔物とはいえ、自ら死ぬのを懇願するとは…。

…そりゃ、あんな半狂乱な攻撃まともに食らったら死を望むだろうよ。どの道生きられないことを察しているんだろう。


「は、ハイロ!助けてくれぇ!次から次へと湧いてくるんだ!」

「はあ…全く。“帰れ”!」


その言葉に、息がある魔物はスタスタと巣に帰っていった。


「…ハイロォ…」

「もう、帰りますか。素材も、ある程度欲しいだけ手に入れましたし…」


ヴァルさんに帰りを促そうとした時。


ブーンと、何か虫のような羽音が聞こえていた。

…なんか、音大きくない?

音は後ろから聞こえてきていた。そして、真正面のヴァルさんはと言うと


「…キュー」

「ちょ!ヴ、ヴァルさん!?」


ぐったりと気絶してしまった。


「…人よ、この地に何しに来た」

「ん?お前人の言葉…あ…」


羽音は、カブトムシみたいな羽の音だった。腕は、カマキリみたいな形。足は二本はバッタ。そしてムカデのような数の蜘蛛の足。

はっきり言おう。これは、かなり…というかすごく。


「…きもっ」

「貴様、今我を蔑んだのか?蔑んだよな!?」

「あ、やべ」


心の声が漏れてしまうほどに気持ち悪かった。


「…そうか、黙るってことはそうなんだな!」

「あ、いやそうじゃない…こともないが…」

「クソぉ!虫としての意地、とくと食らいやがれ!」


そういうと、バッタの足で立っていた彼はおぞましい量の蜘蛛の足に変え、走ってきた。

その速度、体感時速100km。高速を走っている運転に自信がある人の車と同じぐらいの速度で突進というか故意に事故を起こされた。


「ヴッ!」


数十メートル吹き飛ばされ、激痛に腹を抱えた。


「うう…お、お前急に襲うのは無しだろ!」

「この世は弱肉強食。あと、我はお前じゃない。『地縛虫・インセクター』という異名があるんだ」


ふん、と言わんばかりに胸を張るインセクター。なににそんな誇りを持ってるのやら。


「…まあいい。お前、敵ってことでいいんだよな?」

「ああ。我は人なぞの味方にはならな…」


ああ。そっか。じゃあ本気でやっていいか。

やさしさは。慈悲は。嘘のようにすっと消えた。俺は太刀を構えなおした。


「…あ、えっと…なんか、顔つき変わった?」

「…そうか?いつも通りだぞ」

「そうか?なら、い、いいんだが」

「ところで…」


「お前、腹の中って見たことあるか?」

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