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善悪の分け目 序章

久しぶりの休みを今日とった。

ヴァルさんも取っていたらしく、久しぶりに二人きりの時間を設けた。


「にしてもヴァルさん…」

「どうした?」


そう言いながらこっちを向くヴァルさんの手には、ベビーカステラのようなものとか串焼きにされた獣肉とかがたくさんあった。


「たくさん、食べますね」

「ん!?」


ポッどころかボッと顔を真っ赤にして


「そ、そんなこと言うな!」


と言って顔を隠してしまった。


「あ、すみません!その、素敵だなって…」

「!?そ、そうか…」


と、少し気まずい空気にもなったが、一日楽しい日を過ごした。


しかしそれは、一日の終わり。夕暮れ時の帰りに起こった。



「…そういえば、ギルド内同盟の話はどうだ?入る気になってくれたか?」

「ああ、そうですね…」


報酬についてもかなり調べた。

どうやら、レア度順に回復薬、MP回復薬、状態異常回復薬、武器素材、武器強化・補修素材など。

上の同盟ランクとやらになればなるほど量もレア度の高い報酬も増えるらしい。


そして、一番俺が目を引かれたアイテムがある。


その週、その同盟内で上位3%の活躍をしたメンバーに送られる報酬。一番上の同盟ランクの時にもらえるレアアイテム「魔女の芽」だ。

説明を見る限り、これはアリスが作り出した魔女の魔力らしい。


…蜘蛛の糸よりも細く、解けやすい糸だが、それにも俺はすがろうと思う。

だから…。


「…はい。喜んでお受けいたします」

「!ほ、本当か?じゃ、じゃあ、一緒に頑張ろうな」

「はい!よろしくお願いします!」


と、そんな約束を交わしていると。


「あ、あの~…」


一人の男の人が、急に声をかけてきた。


「ん?」

「ギルドって、どこにありますか?」


そう聞くところを見ると、ここに住んではいないという印象を受けた。


「ああ、ギルドなら、あそこの角を曲がればあるぞ」

「ああ、そうなんですね!ありがとうございます!」


やけに弾んだ声を出しながら、彼は走り去っていった。


「……」

「ど、どうした?」

「え?あ、いや何も…」


そう言いながらも、俺の顔は曇っていた。



あの雰囲気…どこか、見覚えが…。



なぜかは分からないけど、そんな感覚が体中を駆け巡った。


「あ、それより、今日ご飯食べに来ません?ごちそうしますよ」

「本当か!?じ、実はお腹ペコペコで…」

「結構食べてましたよね!?」

「う、うるさい!」

「ははは…まあそれでしたら、いっぱい作りますよ」


二人笑いながら。前の世界じゃ味わえなかった幸福を噛み締めて、俺は帰路を辿った。



「………ずっと、待ってたんだ。だから、安心してね」


“ストーリークエスト 善悪の分け目 発生”



「__ヴァルキリー」



「ストーリー…クエスト?」


急に発生したストーリークエストに、俺は背筋を凍らせた。

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