畏怖の対象 「幻影の竜格」スズムラハイロ
「ギルド内同盟?」
「ああ。どうだ?」
ギルドへ向かう途中。途中で待っていたヴァルさんにそんな提案をされた。
「その、ギルド内同盟っていうのに入ったらなにかいいことがあるんですか?」
「そうだな…例えば、パーティを組んだらクエストはそのパーティ全員でクリアしないといけないんだが、ギルド内同盟なら、パーティとおんなじような報酬をもらえて、クエストもソロで挑めるんだ」
「報酬?」
何やら聞いたことない報酬があり聞き返した。
「ああ。同盟のレベルに応じたGと装備、アイテムの報酬だな」
「なるほど…」
装備に関してはもうすでに最強レベルの装備をそろえているからいいとして。
アイテムは少し気になる。例えば、何か蘇生に関わるアイテムがもし手に入ったら。俺の旅はかなり終わりに早く近づける。
「…では、少し前向きに検討してみますね」
「!。そうか…わかった。いい返事を待っているぞ」
少し飛び跳ねながらギルドへ向かうヴァルさんを見て、可愛いとまた思ってしまった。
朝から眼福だな。そう思いながらギルドに足を運んだ。
「おはよーございます~」
「おはようございます。今日のクエストです。ご確認を」
長い紙を凝視していると。
「…なあ、あれ」
「ああ。『幻影の竜格』ハイロさんだ」
「どうする?声かけちゃうか?」
とちょっとした有名人みたいな感覚にむずがゆい感覚のような、嬉しいような感覚が体中を駆け巡った。
仕方ねぇなぁ。サインぐらいは
「やめとけよ。ハイロさんは特定の人にしか優しくないって噂だぞ。神ならぬ触らぬ竜に祟りなし、だぞ」
「そ、そうだよな…はあ。仲良くなりたいなぁ…」
…え?
「あ、あの…も、もしかして俺って、みんなに怖がられてたりします?」
「え?もしかして気付いてなかったんですか?」
超初耳だったんだが。
まあ、無理はないだろうな。
どこからともなく現れた飛び級の冒険者なんて、怖いに決まってる。
「ああ。そうしろ。なんせ、上位ランカーを無傷でぼっこぼこにしたような冒険者だぞ。敵対意識を持たれたらたまったもんじゃない」
ああ、そういえばそうだな。
そう言うことも人は噂としてよく広まるんだったな。
にしても、敵対意識を持ってるときの俺がどんな顔をしてるのか誰か教えてくれないかな…。直しようがないからな~。
「ハイロさん、そんなに気にする必要はないですよ」
「まあでも、迷惑かけてるんだったら直さなきゃって…」
「でも、ハイロさん結構モテてますよ」
そんなことをサラッといわれた。
「本当ですよ。まあ、エルフっていうのもあると思いますけど、飛び級で冒険者になった逸材である将来性。色んな人に手を貸すやさしさ。あとは…敵に見せる際の狂気の顔に一部の特殊な層にも…」
「なんか不穏な層にも好かれてない?」
その質問には、顔を俯かせ数秒、沈黙でアンサーを返された。
「…で、では、クエストの受注をするなら、お早めに!」
そう言って、他の冒険者の対応をし始めたから、近くのベンチに腰を掛けてクエストに目を通した。
…ヴァルさんに、モテてたらいいな。と思いながら。




