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長寿の長耳 前編

~長寿の長耳~


お世辞にも立派とは言えないひっそりとしたお店の上にそこそこの大きさの看板でそう書かれていた。


「…さ、この判断。吉と出るか、凶と出るのか…」


いざ!

カランコロンというベルの音がドアを開くのに連動して鳴った。


「いらっしゃい!よく見て行ってね!」

「…らっしゃい。買わんなら帰ってくれや」


若い男の好意的な言葉の直後に何十年と生きてきたような渋い声が聞こえてきた。


「ちょっと!じいさんまたそんなこと言って客が帰ったらどうするんですか!」

「知らんわい!…それに、そんな肝っ玉の据わってない野郎じゃなさそうだぜ?」


あたふたとしている男にじいさんはそう告げた。まるでいいライバルを見つけたかのような顔で。

そんなわくわくした声に何かを察した男はこちらを振り向くなり


「は、ハイロさん!」


とものすごく驚いていた。


「ど、どうしてここに?」

「実は…」


俺は手紙を取り出し、手紙についてすべて話した。

途中、じいさんは逃げようとしたが、俺のスキルによって無事拘束された。


「くう…ハイロ、貴様はまたしても…」

「じいさん。まったく普通に誘えば普通に来てくれるのに。そんな変なことばっかりしてるから客足が減るんですよ!」

「まあまあ…腕前は確かですし。だから、ちょっと装備見てみようかなって思って」


そう言いながら、武器をいろいろ手に取る。


長槍、短剣、太刀に鉄扇。銃や弓などの遠距離も。それはそれはたくさんの種類の武器があった。

手に取り、少しスペースを確保されているところで軽く振ってみた。

所々、火が出たり複製されたりと、そのチート具合を垣間見た。


「どうじゃ?かなりの破格で売ってやるがのぉ?」


その言葉に嘘はなく、その価格は5000Gと性能に対してあまりにも安かった。


「…まあ、今日はお目当ての装備はなかったってことで…」

「お願いじゃ!買ってくれなきゃやじゃぞ!」


キッツ

という言葉は苦い良薬を飲み込むようにググッと飲み込み、代わりに愛想笑いを浮かべた。


「…あ、そうだ。おじいさんちょっといいですか?」

「?どうしたんじゃ?」


俺はじいさんに幻影竜からもらった腕と翼を見せた。


「!?これは…」

「これを追加装備してほしくて」


じいさんにその二つを渡すと、手渡した翼と片腕をまじまじとみた。


「…なるほど。ちいとまっとれ。2時間ですましてくるわい」

「じいさん、二時間だけでいいのか?」


少しじいさんと男の人が話した後、じいさんは奥へと行ってしまった。



「そう言えば、自己紹介ってしましたっけ?」

「あ、してないですね」


青年が急にそう話題を持ち出してきた。正直少し気まずかったから助かる。


「俺の名前は…多分知ってるんですよね?」

「はい。じいさんから聞いてて。僕はケル。じいさんの元で鍛冶仕事を鍛えてるんだ。よろしく」


あのじいさんの元って…。


「…あのじいさんの元だと、苦労しない?」

「もちろん。苦労ばっかですよ」


包み隠さず話す姿を見て、本当に自由奔放なんだと思うと少し気の毒に思えた。


「…でも、じいさんの腕は確かですし、何より、僕は…」


そこまで言って、ケルは遠くの空を見るような目でじいさんを眺めた。


「…いえ、なんでもないです。すみません」

「…そうか」


苦労ばっかだと言っていた割には。彼の目は、尊敬に満ちていた。

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