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幻影の挑戦 その1

幻影の竜。

ジャニズムに浸透している宗教「幻影教」と言う宗教の守り神としてまつられている竜。


しかしその実態は、いる。


いるのだ。

彼は10000年という長い年月をかけこの地を守ってきた。

しかし、その年月があまりにも長く、その力は段々と失われていった。

そこで、幻影教の都市『エイダ』に幻影竜からとある挑戦状が届いた。


“我の後継ぎを望む者よ。その力を我に見せよ”と。


そして、その噂が噂の風に乗り、それはジャニズム全体に広まった。

そして、ハイロもまた、その噂を耳にし、挑戦しようとした。


それが、サブクエスト“幻影の挑戦”だ。

                      「幻影の後退」__グラダス・ホエール 著



「…ここ、か」


ありとあらゆる冒険者に場所を聞きまくった結果、幻影竜の居場所を知った俺は、さっそくそこへとやってきた。

ちなみに、あの娘さんのお父さんがくれた指輪の能力は


“家宝の指輪


身体魔力 +2000


耐久値 20000”


シンプル・イズ・ベストとはまさにこのこと。普通に考えて強すぎだろ。どんな魔法でも勝てるぞ…。

なんか、ストーリークエストとかもあるけど、俺のストーリーすっごくつまらなくなりそうだな。


そんなことを考えながら奥へと進んでいくと、いきなり


「…其方、ここへ迷い込んだ人の子か。はたまた挑戦を受けに来た愚か者か。どっちだ」


ビルなんかよりもずっとデカい竜が、威圧感を放ち佇んでいた。

武者震いか、興奮か。はたまた、少しの恐怖感か。俺の体は身震いしていた。


「…俺は、後者だ」

「……ならば…」


その地鳴りにも聞こえるその声にさらに高揚感と圧迫感が高まる。

次の言葉に期待を乗せながら固唾を飲むと。


「…その力、われに示せ」


両サイドに影を携え、竜は向かってきた。



「…フッ!」

「ふん。その程度か?人間!」


全力で振るったその一撃は、軽くいなされ、代わりに飛んできた影に足をつかまれた。


「やべっ!オラっ!」


影を斬るつもりで振るった刀は、空を切った。


「ええ!マジ!?」

「はぁ!」


足をつかんだ影は俺の体を2,3度地面に叩きつけた。


「…ってぇ…!」

「やはり、人ではここまでか…」


そう言って落胆する。

…武器も強いし、スキル無しでやってみたが、やはり俺はこのスキルがなけりゃいけないらしいな。

そろそろ限界を感じた俺は太刀をスキルに仕舞った。


「どうした?降参か?対して強くもないのにここに来たのなら、二度とここに…」

「“動くな”」

「立ち入るな…え」


俺の声と共に、竜は固まってしまった。


「お前…何をした?」

「スキルを使ったんだ。それだけ」


何が何だかわからず混乱している竜に俺はすかさず


「“影よ消えろ”!!」


そう言った。

彼の両脇にあった影は溶けるように消えていった。


「…なるほど。其方のスキルは、話した言葉を現実にする力があるのだな」

「ああ。よく分かったな」

「10000年の年月をあまり舐めるな」


少しの間を空け、言論統制の効果が切れた。

竜は心なしかフッと笑って、俺に向かってこう言った。


「少しは、後を継げるだけの力はあるのかもな。楽しませろよ、われを」

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