7歳、シスコンの弟
「…それで、何の用かな?」
「姉ちゃんとどんな関係なんだ!吐け!」
…どうやら、かなり可愛い弟さんを持っているらしい。
ギャレンくんの姿は7歳ほどの小さく、愛らしい姿をしている。
「ヴァルさんと…う~ん…」
「そんなしらばっくれても無駄だぞ!姉ちゃんと一緒にお泊りしてるのも知ってるんだぞ!」
その言葉にドキッとした。
この子、一体どこまで調べ上げたのだろうか。実はこんな見た目でかなりのヤンデレ気質なんじゃないのか…?
なんてことを考えながら質問に答える。
「えっと…ヴァルさんとは、特に何にもないよ。ただ、同じお仕事をしてるだけなんだ…」
「そんなこと言って、本当は…姉ちゃんと…姉ちゃんと!」
「あ!ギャレン!こんなとこにいたの!?」
ふと遠くから目の前の少年を呼ぶ女の人の声が聞こえた。
「ママ!」
「もう急にいなくなっちゃって…本当すみませんでした」
「いえいえ。無事に見つかったのならよかったです」
そう言いながら俺は立ち上がり尻の埃を払った。
「じゃ、お兄さんはもう行くからね。ヴァルさんによろしくって」
「あら、あなたヴァルキリーのことを知ってるのかい?」
そう女性が言うとギャレンは思い出したかのように俺を指さし
「この人、姉ちゃんなんかとやましいことしようとしてる!」
「えっ?」
「あら…」
俺は驚きに目を見開き、女性はいかにも引いたような顔をしていた。
「えっ、ちょ違っ!」
「それは本当?ギャレン」
「そうだよ!だから、この人と姉ちゃんを合わせないでほしいの!」
「だから違うって…」
「なら、ヴァルにも一度聞いてみようかね。すみませんが、ヴァルのところまで案内お願いできますか?」
そう言って、お辞儀をする女性。しかし、急に悪者扱いされたことに困惑して固まっていると
「…ハイロさんちょっといいかしら?」
「…え?」
俺は腕を引かれギャレンから少し離れた。
「ごめんね、ハイロさん」
「え、ちょっと、なんで俺の名前を…」
「あなたのことはヴァルから聞いたことがあるわ。これからも仲良くしてやってね」
「へ、へえ…」
ヴァルさんが俺のことを話してくれてるのはなんだかうれしくて、それでいて少しくすぐったかった。
「それでねぇ。あの子、いわゆるシスコンなのよ」
「し、シスコン、ですか?」
「うん。それで、なにかあの子に男の人が近づくたびにヴァルに会おうと難癖付けようとしちゃうのよ」
そ、それはかなりのシスコンだな…。
「それでね、最近は帰ってきてもあの子が寝てる間に来てるからねぇ。今日ぐらいは許してあげたくて」
「そういうことなら、わかりました。とりあえず、ギルドまで案内いたします」
「ごめんねぇ。じゃあ、お願いね」
「早く行こうよ!」というギャレンくんの声で俺は二人と一緒にギルドまで足を進めた。




