番外編 謹慎中の優雅な朝食 前編
朝の6時。いつも通りに起床し、日課の素振りを終え朝風呂に入る。
湯船に浸かりながら考えるのは、これからの2週間のことだった。
「…クエストも全部破棄だからなぁ…」
受注したクエストカードも全て没収された。あのクエストは他の冒険者に回すそうで。
こうして冒険者として何もすることがなくなった挙句、家での反省期間を与えられてしまった。
「どうすっかなぁ…」
5月末の少し暑さがある朝の風が風呂場を通り抜ける。大きな窓を開けることでちょっとした露天風呂気分になれるのはここの風呂で1番誇れることだ。
そろそろのぼせてきたので、俺は風呂から上がり一本牛乳を開けた。
風呂上がりの少しのぼせ気味の体の中をキンキンに冷えた牛乳が心地よく冷ましてくれる。
「…どんな時もうめぇな」
少しそれが憎かったが、そんなことは構わず台所へと向かった。
今日の朝ごはんはどうしようか…。
せっかく時間が有り余ってるんだ。少しばかり豪勢にでも行こうか。
今日使う食材は
卵 1
丸型のパン 1
ベーコン 1
シナモン 適量
その他諸々の調味料たち
これを使って作るのは
「エッグベネディクトだ!」
レシピを覚えているかは少し不安だが、作り始めることにした。
まずは半熟卵の調理から。
水を沸騰させ、沸騰したところに酢を入れ、割っただけの卵を入れる。
「コツはゆっくり入れること…っと。うまくいった」
卵はそのままにしていると白身が広がって行ってしまう為スプーンで丸い形に整えながら2分間火にかける。
火が通ったらこれを一気に冷水で冷やす。
「黄身も漏れてないし…完璧」
少し調子に乗りながら今度はベーコンを焼き始める。
ここのコツは油を引かないことだ。ベーコンの油だけで焼き上げる。
「焼いてる待ち時間にパンも焼くか」
ベーコンを焼きながらオーブンに半分に切った丸パンを入れこんがりと焼き上げる。
「サラダも作るか」
新鮮な野菜たちを手に取り、サラダを作る。
トマトは輪切りに。きゅうりは切ってえぐみをとるために水に浸しておく。レタスはちぎってボウルに敷き詰めていく。
「クルトンってあるかな?」
保冷しなくても良い食材が入っている箱を開けると思い描いていたクルトンの姿があった。
「お、あるならシーザーサラダでも作るかな」
急ピッチで厚切りのベーコンをさっと炒めようとした時
「…こげ、臭い?」
サーっと血の気が引く感覚を覚え、フライパンを見てみると真っ黒な煙を上げていた。
「わー!やらかした!!!」
慌ててベーコンを取り出すも、底にこびりついていて、真っ黒な炭と鳴っていた。
「あ〜あ…やり直しだ」
反省しながらもう一枚のベーコンと角切りにしたベーコンを入れて今度は目を離さないように焼いた。
途中でバターをレンジで溶かしている間にも。
かなりいい具合のカリカリ具合でベーコンを取り出した。
「さ、ラストスパートだ」
丸い容器にマヨネーズ、卵黄、レモン汁を適宜入れ混ぜ合わせる。この時に先に溶かしたバターをゆっくりと入れて混ぜ合わせ、エッグベネディクト用のソースを作る。
香ばしく焼き上げたパンの上にベーコン、卵の順で乗せる。仕上げに先ほど作ったソースをかければ
「よし、できた!」
ソースは金に輝き、白の皿に映えるとっても美味しそうなエッグベネディクトが完成した。
「あとは…」
レタスを敷き詰め、規則正しくきゅうりを並べ、その端にトマトを添える。角切りのベーコンとクルトンを入れ、最後に温泉卵とチーズとマヨネーズ主体のソースをかけてやれば…
「『エッグベネディクト』と『シーザーサラダ』の完成!」
さあ、実食だ!




