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異世界講座 後編

「即死魔法っていうのはその名の通り、対象を『即死』させる魔法だよ」


めちゃくちゃ文字が書かれたボードをコンコンと叩きながら解説をする。


「即死魔法は通常魔法とは違ってHPを消費して放つ魔法なんだ。HPの消費量は自分と相手のLv差によって変わるんだ。1から20の間なら+10。21から40の間なら+20。41から60の間なら+30。61から80の間なら+40。80以降になると+100000みたいな感じでLv差が高いと消費するHPの量が増えるんだ」


…となると、1から20の間なら+1000、21から40の間なら+2000、41から60の間なら+3000、61から80の間なら+4000、80以降になると+10000000のMP消費、ということかな。

俺なりに整理したのち、あの時の消費したMPは、その1000の二乗分の1。つまり、10MPしかなかった。

俺はたった10MPだけで人を殺せる。きっとずっと付きまとう罪悪感と縛りだ。忘れないようにしよう。


「数字ばっかで疲れると思うけど、まあ、最後まで頑張ってくれ」

「あ、大丈夫です」

「それならいいけど。じゃ、今度は『蘇生魔法』について説明するよ。

…正直に話すよ。この魔法は()()()使()()()()()()()()()()だ」

「絶対に…使ってはいけない?」

「ああ。この魔法は…『死を生に変える』というこの世の理を乱す分代償があまりに重いんだ」

「代償…」

「その代償が…人の命。使用者の人生なんだ」


…いや、違う。

俺はあの時確かに見た。“MPが足りません 不足 29999999040MP”という文字を。文を。

つまり、その人生の実態はHP3億なんだ。ただ、その三億をどうあがいても超えられなかった。ただそれだけなんだ。

…やってやろうじゃねぇか。

誰もたどり着かなかったその壁を、超えてやろうじゃねぇか。


「…蘇生魔法は、さっきも言ったように『死を生に変える』魔法なんだ。これとは別で『死霊化魔法(アンデット・マジック)』ってものがあるんだ。これは死体にMPを流して疑似的なドール魔法をかける物だから蘇生魔法とはちょっと違うんだ」


死霊化魔法はなんて言ったら使えるんかな…。そんなことを少し考えてみたりして、とりあえず俺のこれから覚えて重宝しなければいけないことがわかった。


「…さ、わかったかな?」

「はい」

「あとのアイテムなりの説明だけど…君、鑑定持ちらしいし大丈夫だよね?」

「あ、はい」

「なら、このクエストはこれで終わりだよ。後は受付でクエスト達成報告して達成報酬もらって今日のとこは帰りなされ」


そう言ってマスターは足早に部屋から出て行った。

…そうか、これで。

これでようやく、()()()()()()()()()()()()()()()()

そう思い、胸に何か熱い思いがあるのを感じながら受付まで歩いた。



「では、こちらが達成報酬です」

“報酬

5000000G

駆け出しの剣

駆け出しの魔導書

駆け出しの大剣

修繕用鉄鉱石×100

生活用器具セット

100バックパック

ステータス閲覧器具×10”

「あ…ああ…あああ、ああ…」


報酬の内容が書かれた紙を握りしめて手をブルブルと震わしていた。

怖い、怖い。ここまでならもう怖すぎる。待遇がいいなんてものじゃない。もはや病気だ。


「マスターから今日はハイロさんを帰らすようにと言われてますので、本日はゆっくり休んでください」

「あ…はい。ありあとうおざいあし(ありがとうございまし)()…」


夢見心地とこれから先への危惧を抱えながらフラフラと帰路についたのだった。

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